新型車から定番モデルまで、2025年も様々なバイクが注目を集めています。なかでも、普通二輪免許で乗れるバイクは、初心者からリターンライダー、ベテランなど、幅広いライダーに対応するため、多くのユーザーが気になるところでしょう。そこで、ここでは二輪業界紙の「二輪車新聞」が発表した2025年上半期(1~6月)の全国新車販売台数をピックアップ。125cc超~250ccの軽二輪と、250cc超~400cc以下の小型二輪それぞれのランキングを紹介します。
目次
*データ出典:二輪車新聞/販売台数は推計(当ランキングは二輪車新聞様より特別に許諾を得て掲載しています。複製、転用、販売などの二次利用は固く禁じます)
レブル250が7年連続で125cc超~250ccクラス制覇
125cc超~250cc以下の軽二輪クラスを運転できる免許は普通二輪免許(スクーターなどAT車はAT限定普通二輪免許でも可)ですが、車検がないことで、維持費が比較的安い点も魅力のクラスです。このクラスでは、2025年上半期(1~6月)に、以下のモデルたちが新車販売台数のトップ10に入りました。
2025年上半期(1~6月)軽二輪(125cc超~250cc)全国販売台数トップ10
1位:ホンダ・レブル250/Sエディション(4266台)
2位:ホンダ・PCX160(3310台)
3位:カワサキ・W230/メグロS1(2966台)
4位:ホンダ・ADV160(2406台)
5位:カワサキ・KLX230/S/SM/シェルパ(1591台)
6位:スズキ・Vストローム250SX(1466台)
7位:ホンダ・CRF250L/CRF250L<s>/ラリー/ラリー<s>(1263台)
8位:ホンダ・フォルツァ(1084台)
9位:スズキ・ジクサーSF250/250(1052台)
10位:ホンダ・CL250(829台)
トップ10圏内に5機種もランクインしていることで、ホンダ車がいかにこのクラスで強いのかが分かります。
なかでも、1位となったレブル250は、249ccのDOHC単気筒エンジンを搭載するクルーザーモデル。大きな魅力は、車両重量171〜175kgという軽量な車体と、690mmという低いシート高などにより、幅広い体格のライダーが扱いやすい特性を持つことです。
その2025年モデルでは、ハンドル形状を見直しポジションの最適化を図るとともに、シート内部の素材を変更して快適性の向上を図っています。
また、従来のスタンダード仕様に加え、ホンダE-クラッチ搭載車も追加。MT車ながら、発進、変速、停止などでクラッチレバーの操作を一切不要とする最新の電子制御シフト機構を備えるモデルも登場しました。
ラインアップには、通常のMT仕様となるスタンダードとE-クラッチ搭載車を用意。また、ヘッドライトカウルなどを装備したSエディションは、E-クラッチ搭載車のみの設定となっています。なお、税込価格は63万8000円〜73万1500円です。
そんなレブル250ですが、今回の新車販売台数では、2位のPCX160と956台差。1000台近い差を付けて独走状態です。しかも、二輪車新聞によると、上半期にトップとなるのは「7年連続」。年間でも、2024年までに7年連続1位に輝いており、2017年の登場以来、相変わらず根強い人気を誇っていることが分かります。
251cc~400ccクラスはエリミネーターが3年連続1位
次は、小型二輪のうち、排気量250cc超~400cc以下のクラス。普通二輪免許で運転できる最大排気量のバイクが揃うクラスで、2025年上半期(1~6月)のランキングは以下の通りになりました。
2025年上半期(1~6月)小型二輪(250cc超~400cc)全国販売台数トップ10
1位:カワサキ・エリミネーター/SE(1973台)
2位:ホンダ・GB350/S(1609台)
3位:カワサキ・ニンジャZX-4R SE/ニンジャZX-4RR KRTエディション(1359台)
4位:ホンダ・GB350C(931台)
5位:ホンダ・CBR400R/NX400X(683台)
6位:カワサキ・ニンジャ400/KRTエディション/Z400(667台)
7位:トライアンフ・スピード400/スクランブラー400X(510台)
8位:ヤマハ・YZF-R3 ABS/MT-03 ABS[2025年型] (384台)
9位:ヤマハ・YZF-R3 ABS(22年型〜)/MT-03 ABS[2023年型〜](282台)
10位:ハーレーダビッドソン・X350(269台)
1位は、カワサキ・エリミネーター/SE。2023年の登場以来、根強い人気を誇る400ccクルーザーモデルです。
1990年代の国産アメリカンバイク・ブームをけん引した名車のネーミングを受け継いだのがこのモデル。独自のロー&ロングフォルムを持つ車体により、伝統のドラッガースタイルを継承していることが特徴です。また、735mmという低いシート高で抜群の足着き性を実現。車両重量176~178kgという軽量な車体とのマッチングで、自在に操る感覚も体感できます。
エンジンには、扱いやすさに定評がある398cc・並列2気筒を搭載。低速域での豊かなトルクと高速走行時の力強いパワーを両立していることで、街乗りからロングツーリングまで、幅広いシーンで快適な走りを味わえます。
ラインアップには、カウルなしのスタンダード仕様と、スタイリッシュなデザインのヘッドライトカウルを装備した上級グレードのSEを設定。また、正規販売店カワサキプラザの専売で、GPS対応型前後ドライブレコーダーなどの充実装備が魅力のプラザエディションも用意しており、税込価格は85万8000円~95万7000円となっています。
ちなみに、エリミネーターは二輪車新聞によると、250cc超~400ccクラスで上半期1位を3年連続で記録。年間の新車販売台数でも、2024年に前年まで2年連続首位だったホンダ・GB350/Sを破り見事に1位に輝いています。さて、2025年の下半期も記録を伸ばすことができるのか? 今後に注目です。
2025年下半期の注目モデルは?
125cc超〜250ccの軽二輪クラスでは、前述の通り、レブル250の独走が続いていますが、このクラスで今後注目なのは、今回3位に入ったカワサキのW230とメグロS1ではないでしょうか。
これら2モデルは、232cc・空冷単気筒エンジンを搭載する兄弟車で、W230は名車「650-W1」、通称「W1(ダブワン)」のテイストを継承していることがポイント。メグロS1は伝説の「250メグロSG」をオマージュしたバイクで、どちらも扱いやすい特性などが魅力です。税込価格は、W230が66万5500円、メグロS1が74万2500円です。
そして、これらモデルが興味深いのは、いずれも発売が2024年11月20日ということ。まさに、2025年のブランニューといってもいいモデルで、今回のランキングの前年となる2024年上半期には、当然ながら陰も形もなかったのです。
そう考えると、まさに破竹の勢いで人気を獲得しているのがこれら2モデルといえます。前述の通り、125cc超~250ccのクラスは、レブル250の独走が続いていますが、2025年下半期の動向によっては、W230とメグロS1のコンビが、レブル250の王座を脅かす存在になるかもしれません。
ただし、レブル250は、前述の通り、2025年にE-クラッチ仕様が投入され、ラインアップを強化しています。そう考えると、今後、今回2位のPCX160を含めた三つ巴の熾烈な争いが繰り広げられることも予想できますね。
一方、250cc超~400ccも、今のところエリミネーターがほぼ「敵なし」の状態。その牙城を崩すモデルが現れるのかが注目です。
ちなみに、このクラスには、スズキがデュアルパーパスモデルの新型「DR-Z4S」及びスーパーモトモデルの新型「DR-Z4SM」を10月8日より日本導入します。いずれも、398cc・水冷単気筒エンジンを搭載。DR-Z4Sは、街乗りやワインディングなどのオンロードから本格的なオフロードまで幅広く楽しめることが魅力です。一方、DR-Z4SMは、DR-Z4Sをベースに、前後17インチのオンロードタイヤを装着し、舗装路での走破性をアップ。日常使いからサーキット走行まで多様なライディングを楽しめるモデルとなっています。なお、税込価格は、どちらも119万9000円です。
ここ数年、こうしたオフロード系モデルは減少傾向でした。ところが、今回のランキングでも、125cc超~250ccクラスでは、5位にカワサキ・KLX230/S/SM/シェルパ(1591台)、7位にホンダ・CRF250L/CRF250L<s>/ラリー/ラリー<s>(1263台)がランクイン。トップ10に2機種も入っていることで、オフロード系バイク復活の兆しが感じられます。
そんななか、250cc超~400ccクラスで、DR-Z4SやDR-Z4SMがユーザーからどんな反響を受けるのかも注目。健闘すれば、このクラスでもオフロード系バイク人気の再燃があるかもしれませんね。
【参考リンク】
◼️二輪車新聞 公式サイト:https://www.nirin.co.jp/
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