さる7月13日、ライダーの聖地である箱根の大観山展望台、アネスト岩田スカイラウンジ駐車場で、KTMのユーザーイベント”ORANGE BLOODミーティング in 箱根”が開催された。梅雨明けが発表される前ということもあり天候が心配され、朝方は会場付近が霧で覆われることもあったが空模様は徐々に上向き、100台を超えるKTM製バイクとオーナーが集まり楽しい時間を過ごした。

100名を超えるKTMライダーが大観山駐車場に集合

当日は、コンテンツはあえて控え目にし、ユーザー同士、そしてユーザーとKTM JAPANの交流を重視。メーカーサイドが一方的に発信するのではなく、ユーザーと共に歩もうというのがKTMの考え方を反映したイベントとなっていた。ORANGE BLOODミーティングは、年内に東北と関西でも開催予定。KTMオーナーなら非常に気になるイベントなのだ。

会場は、アネスト岩田スカイラウンジ駐車場の一区画を占有していたのだが、100名を超えるKTMライダーが来場。占有スペースに停めきれないほどの台数が集まった。

事前エントリーが不要で、気楽に参加できるイベントなのだが、受付でKTMオーナーであることを証明する愛車のキーを見せると、会場限定ステッカーとRed Bullが提供された。

これが数量限定でプレゼントされた会場限定ステッカー。参加したKTMユーザーにとっては、プレミアものの一品だ。

昨年、DUKE誕生30周年を迎え、ますます人気が盛り上がっているDUKEシリーズ。1390 SUPER DUKE R EVO、990 DUKE、390 DUKEの3モデルが展示されていた。

開会の挨拶には、KTM JAPANのジェネラルマネージャーであるケビン・シュトラスマイヤーさんが登壇。参加者への感謝を述べた他、KTMの現状についても語った。

参加者が揃ったところで、Red Bullで乾杯。やはり、KTMライダーにはRed Bullが欠かせない。

KTMを愛するもの同士、バイク談義のネタが尽きることはない。ユーザー間の交流こそ、ミーティングの醍醐味だ。

会場にはKTMの四輪マシン"X-BOW"も登場。レアなプレミアムカーは、おおいに注目を集めていた。

“ORANGE BLOODミーティング in 箱根” 参加者の愛車をチェック!

KTMのユーザーイベントだけに、新旧様々なKTM製バイクが集結。その一部を、オーナーのコメントと共に紹介。

湯川さん 250 DUKE

「このイベントの存在は、X(旧ツイッター)で知りました。最近250DUKEに乗りはじめたので、周りにKTM乗りがいないんです。いろいろなKTMのバイクが見たいなと思って参加しました。250DUKEは、軽量でヒラヒラと走れるところが気に入っています。シングルエンジンも好きですね」

田中さん RC8 R

「このRC8Rには5年くらい乗っています。なんといって気に入っているところは、他のメーカーにはないデザインです。RC8の後継モデルが気になっていますけど、この形が好きなんですよね。悩ましいです」個性的なカラーリングは、ラッピングで仕上げたものとのこと。

中嶋さん 1290 SUPER DUKE GT

「KTMは軽いところがいいですね。自分のバイクは、乾燥重量で200kgちょっと。この排気量で、これだけ軽いバイクは他にないでしょう。九州まで自走でツーリングしましたが、すごく快適に走れました。このイベントには、KTM乗り同士で会話したくて参加しました」

岩永さん RC 390

「RC390には、もう5年くらい乗り続けています。アグレッシブな造形と鮮烈なオレンジに一目惚れして購入しました!」と、岩永さん。アメコミキャラクターのラッピングで、さらにアグレッシブさを強調している。今年はサーキットデビューを計画中とのことだ。

茂木さん 1290 SUPER DUKE R

「KTMのエンジンはトルク感といい、ピックアップの鋭さといい、刺激的でたまりません!」と、愛車を語る茂木さん。「今日は、KTM JAPANのインスタグラムを見て参加しました。KTM乗り同士で話せて楽しかったです」KTM製オフロードマシンの購入を考えているとか。

KTM JAPANジェネラルマネージャー ケビン・シュトラスマイヤーさんインタビュー

今回の“ORANGE BLOODミーティング in 箱根”に、KTM JAPANでジェネラルマネージャーを務めるケビン・シュトラスマイヤーさんが来場。ORANGE BLOODミーティングにかける想い、KTMの現状、KTMの注目モデルなどについて語ってもらった。

ケビン・シュトラスマイヤーさんは、1986年生まれのドイツ人。2024年3月よりKTM JAPANのジェネラルマネージャーを務めている。大のバイク好きで、特にオフロードが大好き。来日してから1年と少ししか経っていないのに、すでに10回以上もエンデューロレースに参戦。昨年はKTM 390 CUPにも出場し、ロードレースデビューも果たしたとのこと。この日も会場の箱根まで、お気に入りだという990 DUKEを走らせてきた。

まず、ORANGE BLOODミーティング開催の主旨を伺います。

「これまでにも”KTMブランドフェスティバル”のような、大規模なユーザーイベントを催してきましたが、よりパーソナルな、個々のユーザーにフォーカスしたイベントの必要性を感じていました。ORANGE BLOODミーティングは、KTMライダー同士が繋がり、ストーリーを共有し、友情を育むためのリラックスした空間を作り出すことが狙いです。KTMユーザーが、日本はもとより世界中でコミュニティを形成するため、グローバルなムーブメントの一環となることを願っています。

開催地に箱根というロケーションを選んだのは、ライダーにとって魅力的な場所であること、ライダーの望む走りの世界を象徴する場所であることが理由ですね。ORANGE BLOODミーティングでは、派手なプロモーションなどは敢えて行いませんでした。KTMを愛するライダーが集い、出会い、交流することが目的ですから。

また、我々KTM JAPANにとっては、ユーザーの皆様から生の声を伺える貴重な機会だと考えています。ORANGE BLOODミーティングを通し、KTMライダーがどのようにKTMを愛していただいているのかをお聞きしたい。もちろん不満や不安に感じる点も、どんどんぶつけていただきたい。全てのご意見に、すぐに対応することは難しいですが、我々がユーザーの皆様のお気持ちを理解することは、互いにとってより良い未来を築くために不可欠であると考えています」

来場したKTMユーザーと気さくに会話するケビンさん。ユーザーと直接触れ合い、生の声を聞くことを大切にしているのだ。

"ORANGE BLOOD”とは何を意味するのでしょう?

「個人的なお話になるのですが……。バイクのエンジンを始動させる時、私の中で何かが目覚めるような感覚を覚えます。単なる機械ではなく、私の一部であるかのように……。この感覚こそが、世界中のライダーが共有するバイクを愛する鼓動であると考えています。私の血液の中に流れている感情です。私は一人のライダーとして、ほぼ毎週末バイクを楽しみ、時にはレースにも参戦していますが、それは仕事としてではなく、個人的な楽しみのための行為です。エンジンが始動し、世界が静まり返り、そこにいるのは私とバイク、そして仲間だけになる瞬間に喜びを感じます。

私が”ORANGE BLOOD”について語る時、それは単なるスローガンとして使っているのではなく、自らが体感し、実感している感情に基づいたものです。KTMのバイクで走れば、感じることができる喜び。それは、世界中のライダーが共有するものであり、その一体感を表現する言葉が”ORANGE BLOOD”なのです。KTMのバイクで走る時、あなたは孤独ではありません。全てのKTMライダーは”ORANGE BLOOD”が流れる、グローバルなファミリーの一員です。私自身、そのことを確信しています。

現在KTMでは、世界中で”ORANGE BLOOD”をキーワードにしたキャンペーンを実施しています。これは、深い反省の産物でもあります。ご存知の通り、近年我々は厳しい状況に直面しました。そこで、何が本当に大切であるかを自問して得た答えが、まずライダーである皆様と向き合うこと。そしてコミュニティを重要なものと捉え直すことでした。”ORANGE BLOOD”キャンペーンは、KTMとライダーが新たな関係性を構築し、手を取り合いモーターサイクルの未来を切り開いていくことを目指しています。KTMは常にユーザーから視線を外しません。KTMは皆様と共に走り続けるというメッセージでもあるのです。」

ORANGE BLOODミーティングの今後の開催予定はどうなっていますか?

「2025年は、秋に東北地方と関西地方での開催を計画中です。日時と開催地については、後日発表いたしますので、ご期待ください。ツーリングプランに組み込める目的地のひとつになるような、素晴らしいロケーションと季節での開催を考えています。コンセプトは、今回の箱根と同じく、KTMライダー同士が交流を深められる、リラックスできる空間を創り出すことです。2025年度は計3回開催予定で、本年度に関してはKTMブランドフェスティバルに変わっての開催となります。」

KTMは自主管理による再建手続きが完了したと聞きましたが、最新の状況をお聞かせください。

「KTMが再建手続きを完了するために必要となる資金を提供してくれたのが、長年のパートナーであるバジャジ社です。この出資は、KTMブランドへの長期的な可能性に対する、バジャジ社の強い信頼を反映したもので、両者のパートナーシップは更に深化します。

KTMは、従来通りオーストリアに拠点を置き、引き続き独立した企業として事業展開を行います。バジャジ社は、KTMが積み上げてきたブランド力、そして開発能力を高く評価していますので、開発拠点は以前と同じオーストリアに置かれることになります。昨年、経営面で困難に直面したのは事実ですが、同時に変革をもたらすきっかけにもなりました。KTMはより強靭でグローバルなリレーションシップを得て、新たなステップへと向かいつつあります。」

日本のマーケットに向けて、今後どのようなポイントに力を入れていく予定なのでしょうか?

「KTM JAPANにとって大きなテーマが二つあります。一つはユーザーの皆様に常に質の高いサービスを提供すること。もう一つが正規ディーラーが長期的に安定した事業展開を行えるようにサポートしていくことです。そのために、日本国内での在庫量を慎重に管理しながら、エキサイティングなニューモデルを継続的に導入していきます。

また、KTM製バイクの真の魅力は、実際に走らせてこそ理解できるものだと考えていますので、多くの方にKTMを体感できる機会を増やすことに力を入れていきます。試乗会やレース、ORANGE BLOOD ミーティングのようなコミュニティイベントなど、日本各地で開催される様々なイベントに参加、主催していきます。これは、単純なマーケティング活動ではなく、KTMとユーザー、そしてユーザー同士が密接に繋がることを目的としています。私たちのミッションは、ユーザーのニーズに応え、ライダーとそのバイクライフに寄り添うことで、日本におけるKTMコミュニティを成長させることなのです。

大人気のケビンさん。会場のあちこちで、ケビンさんを囲んでの記念撮影が行われていた。

KTM製バイクで、現在注目すべきモデルや技術的なトピックがあれば教えてください。

「昨年、DUKEシリーズが30周年を迎え、多くのエキサイティングなニューモデルを発表しました。その一台、1390 SUPER DUKE R EVOは、DUKEシリーズのフラグシップモデルであり、先進的な電子制御を多く搭載しているところがポイントです。最大5つのライドモードや、ボタン一つでダンピングの調整が可能なセミアクティブサスペンションを採用するなど、ストリートでもサーキットでも乗り手の好みに合わせて、自在に操ることができるマシンです。日本では大変多くの方に愛されている390 DUKEも、昨年フルモデルチェンジを果たし、さらに魅力がアップしました。ライドモードやコーナリングABS、トラクションコントロールなど多彩な電子制御を標準装備。シート高も低められ、幅広いライダーに楽しんでいただける一台になっています。

私個人としては、990 DUKEに注目しています。パワフルなパラレルツインエンジンと充実した電子制御、軽量なシャシーを持つミドルネイキッドですが、とにかく乗りやすくて走りが楽しいのです。誰もが自信を持って、ライディングを楽しめるマシンに仕上がっています。KTMのバイクはエキスパート向けという印象を抱いている方がいるようですが、そういう方にこそ一度乗っていただきたいですね。

他にも数多くの魅力的なマシンが揃っていますので、ここでは紹介しきれません。いくつかのモデルは、価格の見直しを行っていますので、よりお求めやすくなっています。また、多くの方から新型の390 ADVENTURE R、390 SMC-R、390 ENDURO Rの登場を心待ちにしているとの声をいただいています。間もなく日本でも正式発表が行える予定ですので、楽しみにしていてください。」

ケビンさんご自身も、大のバイク好きとお聞きしています。現在、所有しているバイクを教えてください。

「350 EXC-Fと350 EXC-F SIX DAYS、RC 125の3台です。RC 125は、今日筑波サーキットで開催されているレースに出場しています。KTM JAPANの4人の同僚が、6時間耐久レースに使用しているのです。KTMのスタッフは、会社のために働くだけでなく、様々な場所でKTMに情熱を注いでいることの表れです。これぞまさに”ORANGE BLOOD”だと大変うれしく思います。」

最後に日本のKTMライダーに向けて、メッセージをお願いします。

「まずは、KTMライダーの皆さんに、改めて感謝を申し上げたいです。KTMを選び、情熱を持ってライディングし、”ORANGE BLOOD”のファミリーとなっていただき、ありがとうございます。長年のKTMファンの方も最近KTMユーザーとなった方も、全てのKTMライダーの存在が、私たちを前進させてくれる原動力です。KTMは単なるマシンではありません。ただの移動手段ではなく、“生き方”そのものであるという信念が”ORANGE BLOOD”なのです。

私たちKTMは、深刻な困難に直面しましたが、これまで以上に力強く前に進んでいます。ユーザーの皆様により質の高いサービスを提供するために力を尽くし、ユーザーの声に耳を傾け共に成長し、KTMで走る喜びを体験していただく機会を増やすために私たちはここにいるのです。皆様、どうかこれからもバイクで走り続け、冒険を続け、レースに出場し、そして情熱を分かち合い続けてください。ストリート、サーキット、イベント、全てのスロットルを開ける瞬間、KTMはユーザーの皆様と共にあります。

今日は、多くのKTMファンの皆さんとお会いできて、本当に嬉しく思いました。それぞれ個性的なモディファイが施されたマシンが多く、KTMへの熱い情熱を感じます。箱根に集まってくれた皆さんはまさに、”TRUE ORANGE BLOOD”です。」

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