2025年6月14日、静岡県遠州地域で開催された第5回「風と茶畑とバイク」。ただ集まって走るだけじゃない。バイクを通じて茶文化や地域とつながる、新しいスタイルのツーリングイベントです。今回はそのレポートと、イベント誕生に込められた想いをご紹介します!

静岡県遠州地域で開催されたイベント「風と茶畑とバイク」のツーリングシーン
Photo by @sintaroodo

朝3時出発。雨の中、茶畑へ向かった理由。

「風と茶畑とバイク」。
バイクイベントとしては異色のこのネーミング。今回開催された会場は静岡県御前崎市と掛川市。広がる茶畑と、ゆるやかな丘を舞台に開催される、ツーリングラリー形式のイベントだ。

イベントの集合時刻は朝7時。場所は静岡県御前崎市。私は横浜から、まだ暗い午前3時に出発。天気予報は午後から雨でしたが、そんなことは関係ない。途中で雨に打たれながらも笑、仲間と共に茶畑の広がる御前崎へ向かいました。

雨予報の中…早起きして会場に向かった仲間達

チェックポイント制ラリー&お茶体験付き!

このイベントがユニークなのは、ただ走るだけで終わらないところ。
あらかじめ設定されたチェックポイントや得点スポットをめぐり、ゴール後に獲得ポイントを競います。
途中には、茶摘み体験や地元のお茶を学ぶ時間も用意されており、まさに“バイクで行く文化遠足”。

「雨で大変だったけど、仲間が増えたし、お茶の勉強もできて最高!」
そんな声が参加者から次々と聞こえてきました。

雨の中…ヘルメット姿で茶摘みをする姿はシュール!

お茶の製造工程を勉強する参加者の皆さん

地元・田中農園のお茶が沁みるほど美味い!

今回の目玉のひとつは、田中農園さんによる“お茶のふるまい”。
雨で冷えた身体に、農家さんがその場で丁寧に淹れてくれた煎茶がじんわり沁みわたります。

「お茶って、こんなに美味しくて楽しいんだ」
そんな驚きの声が、あちこちで聞こえました。

主催者にとっても、このお茶との出会いこそがイベントの原点だと言います。

Instagram「田中農園」
https://www.instagram.com/tea_tanakanouen

本イベントの主役の1人、「田中農園」の田中さん(写真左)

風と茶畑とバイク。その原点にある想いとは?

「風と茶畑とバイク」は、そんな自然と文化とバイク、そして人とのつながりを大切にすることを目的とし、2021年に始まったイベント。
本イベントの仕掛け人は、バイクを愛し、地域とつながることを大切にする地元静岡のライダー!ではなく…東京都調布市のバイク屋「斎藤輪業」の主、斎藤さん。
きっかけは、ある日ふらりと静岡を訪れたことから始まったそうです。

Instagram「斎藤輪業」
https://www.instagram.com/rin.jp

イベントの冒頭で挨拶される主催者の斎藤さん

景色とお茶と、そして想いに惚れ込んだ

『最初は、掛川でお茶振興プロジェクトに関わっていた友人に誘われて遊びに行っただけだったんです。でも、そこで見た茶畑の風景、どこか懐かしくてのどかな田舎の空気、そして交通量の少なさ。「ああ、ここをバイクで走ったら最高だな……」と心を奪われました。』

きっかけはバイク関係無かったんですね!

『そうなんです!お茶振興プロジェクトの中で現地の農家さんが淹れてくれたお茶を飲んだとき、衝撃を受けました。お茶って、こんなに美味しくて楽しいものなのか!って』

でもそれだけだと、なかなかイベント立ち上げには至りませんよね?

参加者全員に配布されたお茶!絶品でした!

偏見と闘いながら、地域に“還元する”イベントを

『イベントには、バイク文化に対する強い問題意識も根底にありました。
世間一般に根強く残る“バイク乗り=輩(やから)”というイメージ。それが、正直ずっと苦しかった。僕にとってオートバイは、人生を変えてくれたかけがえのない存在。ずっとそばにあり続けるものなんです。それが社会の嫌われ者扱いされるなんて、耐えられなかった。だからこそ、地域に貢献し、温かな目で見てもらえるようなイベントを通じて、少しでも“バイク乗り”のイメージを変えていきたかったんです。』

なるほど!斎藤さん…見た目はおいといて笑、日頃からホワイトな活動をされていますよね!

『自分の住んでいる地域では、バイクに限らず、町の便利屋さんとして少しずつ認知されてきました。でも、それだけじゃ広がらない。もっと多くの人に届くカタチが必要だと思ったんです。』

雨予報にも関わらず多くのバイクが集まりました!

“農業”と“走り”をつなぐ不思議な調和

『もう一つ、このイベントには農業への深い敬意も込められています。
農作物を作る人たちは、本来もっと大事にされるべきだと思う。お茶の価格は長年下がり続けていて、今や深刻な問題です。でも、そんなこと誰も知らないですよね?
こうした現状にも、少しでも目を向けるきっかけを作れたらと思っています。』

バイクと農業、一見交わらないように思える二つの世界。しかし、このイベントではそれが自然と重なり合う不思議な調和が生まれています。

ツーリングラリー終了後は田中農園さんの敷地をお借りして…みんなでご飯を作ってキャンプ泊!
Photo by @kouichiro.s1212

これからも、茶畑の風を走り続けたい

「風と茶畑とバイク」は、大規模イベントではありません。
けれど、その小ささがむしろ魅力。参加者同士の距離も近く、まるで“故郷に帰ってくるような感覚”すら芽生える時間が流れます。

今後について尋ねると、斎藤さんはこう語ってくれました。
『体力が続く限り、経済力も含めて(笑)、このイベントは続けたい。だって、本当に心から楽しいし、意味のあることだと思ってるから。』

豪雨の中…茶畑を見ながら走るという…貴重な経験が出来ました笑
Photo by @tsunakun1390

バイクが“社会とつながる”新しいカタチ

このイベントには、“ツーリング”や“観光”という枠を超えた価値がある。
バイクをツールとして、社会と関わる。
地域の自然や農業と接点を持つ。
そういう文脈が、ここにはある。

ただ走るだけじゃない、「走ることで伝える」新しいスタイル。
“風と茶畑とバイク”は、今後のバイクカルチャーのヒントになるかもしれない。

次回は11月予定の“秋の陣”。春とは異なるスタイルのイベントになる模様!楽しみですね!

主催者・参加者の願いはひとつ。。。

「次は晴れてほしい!笑」

Instagram「風と茶畑とバイク」
https://www.instagram.com/teagarden.motorcycle

Instagram「みんなの単気筒」
https://www.instagram.com/minnano_tankito

豪雨の中ゴールしたメンバーの集合写真!感動のゴールでした!
Photo by @tsunakun1390

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