
2025年5月22日、ホンダの二輪製品の生産累計台数が5月初旬に5億台に達成したことを発表しました。これを記念し、インドの生産拠点であるホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッド(HMSI)の第4工場で式典が開催されました。
1949年に、本格的な量産二輪車として生産したドリームD型から76年目での達成でした。
インドは、ホンダ二輪製品を最も多く生産している国で、これからも旺盛な需要に応えて伸び行く市場です。
5億台達成は、購入していただいたお客さまをはじめ、メーカーの努力はもちろんですが、お客さまに直接届ける販売店の役割がとても重要です。
本田技研工業の理念である「三つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)」が、上手く連携して5億台に結びついたのだと思います。
では、5億台までの歩みをダイジェストでお伝えしたいと思います。
目次
スーパーカブが支えた世界トップの生産台数
【ホンダ二輪車の第一号】
ホンダブランドの第一号は、1947年の自転車用補助エンジンの「A型」です。
このモデルは、完成車ではありませんので、5億台にはカウントされていません。
本格的な量産二輪車の第一号は、1949年の「ドリームD型」です。
開発メンバーが創り上げた製品を目の前にして「まるで夢のようだ」と語り合ったことから「ドリーム」という名前が付けられたエピソードがあります。
このモデルから5億台への道が始まりました。
【1960年 生産台数世界一に飛躍】
日本の二輪車メーカーの合計生産台数が世界一になったのは、1960年のことです。
1959年にフランスとほぼ同等の150万台弱から、一気に180万台へと飛躍したのです。
1958年に誕生したスーパーカブのヒットにより、1960年にはスーパーカブの専用工場として鈴鹿製作所が稼働しました。
そして、各社から発売された二輪車が日本の旺盛な需要に応えた結果でした。
ホンダの二輪車生産台数も、1960年には約80万台で世界一になったと思われます。
ホンダの二輪車は、これまで65年の長きにわたり世界トップの生産台数を維持してきました。
これほど長く世界を牽引してきた工業製品は、ホンダの二輪車だけかもしれません。
【1968年 1,000万台を達成】
1968年1月6日、二輪車生産累計台数が1,000万台を突破した記念式典が浜松製作所で行われました。1,000万台目のモデルは設定されませんでした。
この式典では、本田宗一郎氏が講話しています。
町工場から二輪車生産では世界一に飛躍した19年間の挑戦の足跡と将来への展望を語っています。
1,000万台の中で、スーパーカブが500万台以上を占めるなど、世界中で支持されるスーパーカブの存在は絶大でした。
当時のホンダは、すでに136カ国に輸出していました。
【1971年 1,500万台 鈴鹿製作所1,000万台】
3月10日、鈴鹿製作所の二輪車生産台数1,000万台を記念した式典が開催されました。
本田宗一郎氏が1,000万台目となったスーパーカブにまたがり、満面の笑顔で喜びを表しています。これにより、ホンダの生産累計台数は1,500万台を達成しました。
1億台から5億台へ 沢山の楽しいストーリーとともに
【1997年 1億台】
1984年に5,000万台、1991年に7,000万台を達成しましたが、特に大きな式典は開催されませんでした。あくまでも通過点とみなしていたと思います。
その後、1億台が近づいてくると社内にプロジェクトチームが組織されました。
10月13日、熊本製作所にて1億台達成記念式典が開催されました。
ドリームD型から48年後のことで、1億台目に選ばれたのは、同年に誕生したリトルカブでした。
【2008年 2億台】
最初の1億台までは、48年かかりましたが、1億台から2億台までは11年で達成しました。アジアや南米などで生産量が拡大した結果です。
2億台は通過点として、リリースのみ発行し、記念車は設定していません。
【2014年 3億台】
11月25日に熊本製作所にて記念式典が開催されました。
記念車は、熊本製作所で生産されるホンダのフラッグシップ「ゴールドウイング」に決定。
2億台から3億台までは、わずか6年という短期間での達成でした。
社長の伊東孝紳(たかのぶ)さんが、生産されたばかりのゴールドウイングで登場しました。
伊東さんの挨拶は、かつて本田宗一郎氏が社員に向けてスピーチした時の様子を再現し、みかん箱の上で行いました。初心を忘れないというメッセージも込められていました。
【2019年 4億台】
12月19日に達成リリースを発行しました。記念式典や記念車の設定はありません。
3億台から4億台までは、5年という最短記録となりました。
2018年には、初めて年間2,000万台を記録するなど、アジアを中心に需要の拡大が続く市場環境でした。
【2025年 5億台】
5月初旬に5億台に到達しました。4億台以降は、コロナ禍による世界中の生産に大きな影響が出ました。それにも関わらず、5年半で5億台に達するという驚異的なスピードです。
5億台という規模はイメージするのが困難ですが、小説「スーパーカブ」の作者トネ コーケン氏は、スーパーカブ1億台には1億とおりのストーリーがあります。と記述しています。
その言葉をお借りしますと、ホンダの5億台には5億以上のお客さまのストーリーがあり、地域や年代を超えて愛用されていると思います。
これからも、沢山の楽しいストーリーが生まれることを願っています。
二輪累計生産5億台記念映像 本田技研工業ホームページより
https://global.honda/jp/motorcycle/brand/500million/?from=motorcycle_latest
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