
いつもの場所にあるはずの愛車が消えている---。ライダーなら絶対に体験したくない経験をした人が、全国には少なからず存在します。万が一盗難被害に遭ってしまった際、「二輪車防犯登録」に登録していれば登録情報に基づいて警察が盗難されたバイクを発見できる可能性を高められるのです。近年のバイク盗難状況を振り返りつつ、「二輪車防犯登録」制度についても詳しく解説します。
バイク盗難の実態と講じられる対策
一般社団法人 日本二輪車普及安全協会(以下、日本二普協)が調べた上記の表「バイク盗難件数 推移」を見ると分かるとおりバイクの盗難件数は年々増加していて、令和3年の7,569件から令和6年には11,641件と、3年間で約1.5倍にまで増えています。その中で、盗難に遭う要因の1つが「エンジンキーの抜き忘れ」で、キーを付けたままバイクを離れて盗難被害に遭われた方が全体の約3分の1を占めています。その流れを改善しようと、「二輪車防犯登録」を運用する日本二普協は注意喚起を促すべく、「二輪車盗難防止強化運動」を開始しました。
二輪車の盗難被害が増加傾向にある状況に対して、日本二普協 安全本部 防犯推進部の鈴木高志氏(以下、鈴木氏)に、背景と対策についてお話を伺いました。
これに対し我々日本二普協は、ライダーの皆様の大切なバイクを守るためにも、盗難被害に遭う場所や発生状況などをいろいろな観点から考察し、注意喚起を行っていかなければいけないと考えています」
盗難被害に遭われたエリアはどのようになっているのでしょうか。
キーの抜き忘れは、場所を問わず発生しているのでしょうか。
日本二普協が推奨している「二輪車防犯登録」はどのような効果があるのでしょうか。
バイクは市区町村や運輸支局などに届け出をすることでナンバープレートが発行されますが、それだけでは警察は所有者を把握できません。そのため、警察は二輪車盗難の被害届が出た際、バイクの型式や車台番号が早期に把握できない場合等に、各所に確認をする必要があり、手続きに時間を要してしまいます。
二輪車防犯登録をしておくと、所有者やバイクの情報が警察照会センターで管理運用されるので、早期発見、被害回復に繋がります。二輪車の盗難被害は初動の早さが解決につながるケースが多いので、大切な愛車を早く取り戻したいライダーのための制度なのです。実際に、二輪車防犯登録に加入していたことから発見に繋がったという報告をちょうだいしており、確かな効果を発揮しています」
二輪車防犯登録の対象車両・対象外車両
「二輪車防犯登録」に加入できる対象車両、加入できない対象外車両は以下のようになっています。
二輪車防犯登録の手続き
「二輪車防犯登録」に加入するには、二輪車防犯登録取扱販売店へ赴いて登録手続きを行います。同取扱販売店は下記一覧からお探しください。
・登録を行う事務所及び二輪車防犯登録 取扱販売店一覧
https://www.jmpsa.or.jp/bouhan/regist/office.html
来店の際に必要なものは、保有する車両の保安基準適合を証明する書類(自動車検査証、軽自動車届出済証、標識交付証明書)と、登録料金 (参考登録料1,650円、2025年4月現在) です。登録すると15年間有効となります。
手続きをすると、「二輪車防犯登録ステッカー」と「二輪車防犯登録ユーザーカード」が手渡されるので、ステッカーを車体の見えやすいところに貼り、ユーザーカードを大切に保管するようにしましょう。
万が一盗難被害に遭われた場合は、警察に被害届を出す際にユーザーカードを掲示してください。
日本二普協からの呼びかけ
二輪車の盗難防止のため、鈴木氏は全国のライダーに向けて以下のように呼びかけています。
ライダーの皆さんにとって愛車はかけがえのない存在であり、貴重な財産だと思います。その愛車を守るという意味で、改めてエンジンキーの抜き忘れや駐車環境の見直しなど、盗難被害に遭わないための配慮をお願いします。
毎年20万人以上の方が加入されている二輪車防犯登録も、盗難対策のひとつです。未加入の方は是非加入をご検討ください」
自分自身で大切な愛車を守ろう
特別な一台である愛車が盗まれる、そう聞くと、実際に盗まれたことがない人でもゾッとすることでしょう。二輪車の盗難に対しては、厳重にロックをする、バイクから目を離さないなどの事前対策と、万が一の盗難被害に遭った際の対策の2通りが必要で、今回ご紹介した「二輪車防犯登録」は後者に含まれます。大切な愛車を取り返す可能性を少しでも高めるため、未登録の方は「二輪車防犯登録」に加入しておきましょう。
■二輪車防犯登録(日本二普協)
https://www.jmpsa.or.jp/bouhan/regist/
情報提供元 [ MOTO INFO ]
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