
200 個以上のパーツを丁寧に縫い合わせていく
裁断された革は、縫製の前にエッジをすいて薄くしていく。これは何枚もの革が重なった時の厚さを軽減するため。また装飾用の革は1.5mmから1mmほどの厚さにして軽量化。表面の段差をなくせば、転倒時の路面の引っ掛かりを軽減できるからだ。そしてこれは同時に、仕上げの美しさにも繋がる。
そして革と革、革とザイロンといった感じで次々とパーツが縫製されていく。「縫製」と言っても、パーツをただ繋げていくわけではない。パーツ同士で縫い合わせる辺の長さが違ったり、素材同士の曲率の異なる面同士を合わせなければいけない難しさがある。でも、だからこそ平面だったパーツが、どんどん立体的に膨らんでいく。
例えば、腕の部分はライダーがバイクに跨ってフォームを取った形になる。 縫製を見ていると、まるで革に息吹が吹き込まれていくような気がしてくる。これだけでライディングフォームの取りやすさが想像できる。
また、表面は平滑さと強度が重要だが、着心地を左右する裏側も硬くならないように、分厚くならないように工夫する。
情報提供元 [ KUSHITANI LOGS ]
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