安全・安心・快適なバイクライフを楽しむために欠かせないのが愛車の点検。故障や事故などのトラブルを防ぐため、乗車前には異状がないかしっかりチェックして、万全の状態でお出かけしよう。

今回はジャパンライダーズアンバサダーの梅本まどかさんと一緒に「愛車の日常点検」が学べる動画をご紹介。

キーワードは「ブタと燃料」

安全に安心してバイクに乗るために欠かせない、日々の点検。バイクの使用者には、運行状況に合わせた適切な時期に日常点検を行う義務がある。以前は「運行前点検」と呼ばれ、運転前の点検が義務付けられていたが、より適切なタイミングで点検を行うよう、2007年4月の道路運送車両法の改正により「日常点検」へと変わった。

さて、日常点検の項目はいくつかあるが、それらを簡単に覚えるためのキーワードがある。それは「ブタと燃料」だ。この「ブ」「タ」「と」「燃料」がそれぞれどのような点検内容を指しているのか、ジャパンライダーズアンバサダーの梅本まどかさんと一緒に、順番に見ていこう。

日常メンテナンスのキーワードは「ブタと燃料」だ!

メンテナンスについて解説してくれるのは、ジャパンライダーズアンバサダーの梅本まどかさん。

日常点検は、適切なタイミングで行うことが法律で義務づけられている。

ブ:ブレーキのチェック

まずひとつめの「ブ」は「ブレーキ」の「ブ」のこと。

ブレーキは安全な走行に不可欠な最も重要な保安部品の一つ。異常がないか、そして確実に作動するかを点検することは非常に重要だ。

まず、エンジンを停止させた状態でバイクを水平に起こし、軽く前後に押し引きしながら、フロントとリアのブレーキレバーまたはペダルをそれぞれ操作してみよう。この時、しっかりと制動するかどうか、また操作時のフィーリングに違和感がないかを確認する。同時に、前後のブレーキ周りに異常がないかも目視で点検しておこう。

また、ブレーキフルードの状態やパッドの残量などについては、自分での確認は難しい場合もあるので、販売店などで定期的に点検してもらうようにしよう。

バイクを起こして前後に押し引きしながらブレーキの利きを確認しよう。

ブレーキフルードやパッドの状態に異常がないか目視で確認する。よく分からない場合は、車両を買った販売店で定期点検をしてもらおう。

タ:タイヤのチェック

続いて、「ブタと燃料」の「タ」はタイヤのことを指している。

ここでは、タイヤの損傷と劣化具合、そして適切な空気圧であるかどうかを点検する。

まず、前後のタイヤ全体を注意深く見て、釘やガラス片などの異物が刺さっていないか、タイヤの表面や側面に亀裂や膨らみなどの損傷がないかを確認しよう。

次に、タイヤの空気圧を点検する。空気圧ゲージと呼ばれる専用のツールを使用し、バイクの取扱説明書や車体に貼付されているステッカーに記載された指定の空気圧になっているかを確認しよう。点検は、走行前でタイヤが冷えている状態で行うことがポイントだ。もし空気圧のチェック方法が分からない場合は、バイク販売店やガソリンスタンドのスタッフに点検を依頼しよう。

そして、タイヤの溝が安全な走行に必要な深さを保っているかも確認すること。タイヤの溝の深さは、タイヤの側面にある三角マーク(スリップサイン)を目安に確認する。タイヤの溝が摩耗し、スリップサインと同じ高さになっている場合は、タイヤの交換時期となる。

タイヤの溝の深さは、タイヤの側面にある三角マーク(スリップサイン)を目安に確認しよう。

空気圧は最低でも月に1回は点検すること。点検はタイヤが冷えている状態で行うのが望ましい。

と:灯火類のチェック

「と」は灯火類、つまりライトのことだ。

ここではヘッドライト、テールランプ、そして前後のウインカーが正常に点灯するかどうかを確認しよう。

ヘッドライトは、ロービームとハイビームをそれぞれ点灯させて作動を確認する。ウインカーは左右を順番に点灯させ、点灯と消灯がスムーズに行われるか、点灯間隔に異常が無いかを確認しよう。テールランプは、フロントブレーキとリアブレーキをそれぞれかけた際に、しっかりと明るく点灯するかをチェックする。これらのランプの点灯状態は、実際に点灯させて目視で確認するだけでなく、ランプに手をかざすことで、点灯しているかどうかをより確実に確認することができる。

また、灯火類の点検と合わせて、自賠責保険のステッカーが有効期限内であるかも確認しておこう。

各灯火類を点灯させ、動作に異常がないか、十分な明るさを保っているかを目視で確認。

ブレーキランプは手をかざすことで日中でも点灯を確認することができる。

燃料:燃料のチェック

最後はそのまま「燃料」のことを指している。

燃料計が装備されているバイクでは、燃料計の残量を確認するのはもちろんのこと、可能であれば実際に給油口を開けて、燃料が物理的に入っているかを直接目視で確認しておこう。

もしガソリンが給油口から見える位置まで入っていない場合は、安全な場所でバイクを静かにバイクを揺すってみて、燃料が充分に入っているかを確認しよう。ツーリングなどで、次のガソリンスタンドまでの距離が不明な場合は、燃料残量に余裕をもって、早めの給油を心がけることが大切だ。

燃料計が付いている車両でも、燃料が物理的に入っているか確認しよう。

燃料残量に余裕をもって、早めの給油を心がけることも大切だ。

まとめ

以上がバイクに乗るときに覚えておきたい日常点検の主な内容となる。これらの点検は、慣れてしまえば5分程度でできるはず。出発前はもちろんのこと、ツーリング先で休憩を終えて再び走り出す際や、パーキングエリアなどで停車した際など、こまめに確認する習慣を身につけておくと、より安心してバイクに乗ることができるだろう。

また、ツーリングなどでシートの後ろに荷物を積んでいる場合は、走行中に荷物がずれたり落下したりしないよう、しっかりと固定されているかどうかも定期的に確認しよう。

「ブタと燃料」をキーワードに、しっかりとバイクを点検して、安心・安全で、そして快適なバイクライフを楽しもう!

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情報提供元[ 日本二輪車普及安全協会 / ジャパンライダーズ ]

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コメント一覧
  1. こま より:

    昔は
    念押しゃ知恵ぶく とうば締め(ねんおしゃちえぶくとうばしめ)
    と習いました。
    ねん:燃料
    お:オイル
    しゃ:車輪
    ちえ:チェーン
    ぶく:ブレーキ クラッチ
    とう:灯火
    ば:バッテリー
    しめ:(各部の)締め付け
    です。

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