2024年に最も売れた中古バイクランキングTOP20が発表！ ミドルクルーザー人気衰えず

バイク業界のよりよい未来を考え、新しい価値を調査し、分析した内容を広く社会に発信することを目的に活動を行うバイク未来総研（所在地:東京都世田谷区、運営:株式会社バイク王&カンパニー）が、自動二輪免許で乗車可能な126cc以上のバイクを対象に、全国のバイク王店舗※の販売台数（期間：2024年1月1日~12月31日）を集計し、販売数の多かった中古バイクの総合ランキングを公開した。

総合ランキングは「ホンダ・レブル」シリーズが1位・2位を獲得！

126cc以上の排気量の総合ランキングでは、ホンダ・レブルシリーズが1位と2位を獲得しました。レブルは250ccのクルーザータイプのバイクで、2017年の登場以来、250ccバイクの新車販売ランキングにおいても上位を獲得し続ける大人気モデルです。足つきの良さ、重心が低く重厚なタイヤにより安定した走行を可能にする扱いやすい車体、トレンド感のあるカラーリング等、多くの要素により、ベテランライダーはもちろん女性ライダーや初心者ライダーまで、幅広い層からの支持を集めています。
中古バイク市場においてレブルは流通数が多く、年式やカラーバリエーションが豊富であるため、ご来店のタイミングで希望に合った一台を見つけやすい点、バイク王店舗においての在庫数も安定しており、年式により価格帯も幅があり自身に合った車体を見つけやすい点なども、中古市場において「売れるバイク」として重要な要素となると言えます。

1位「ホンダ レブル250」・2位「ホンダ レブル250 Sエディション」

日本では2017年に発売された「ホンダ レブル250」は、初代モデルが採用していたいわゆるアメリカンバイクスタイルではなく、新しいクルーザースタイルを提案した意欲作です。

ダイヤモンドタイプのフレームを採用し、そのフレームのラインに沿ったスポーツモデルのようなデザインのタンクを採用。シートレール部分はかなり低くなっており、シート高は690mmと250ccクラスとしては極めて低く設定されています。ステップはフォワードではなくミッドマウントされ、低いシート高と適度な高さのハンドルと合わせてリラックスしたポジションを生み出しています。このシート高の低さはレブル250最大の武器となり、多くの女性ライダーやリターンライダーに受け入れられました。エンジンはCBR250R（MC41）由来の水冷DOHC4バルブ単気筒249ccで、最高出力19kW（26PS）/9500rpm、最大トルク22N・m（2.2kgm）/7750rpmと快活な性能を発揮します。

2020年モデルでは透過類をフルLED化するとともに、ABSを標準装備。2023年モデルでは平成32年（令和2年）排出ガス規制に対応、2025年モデルではクラッチレバー操作なしでの発進、変速、停止が可能となる「Honda E-Clutch」搭載モデルがラインナップされています。

2位にランクインした「レブル250 Sエディション」は2020年からラインナップに追加、ヘッドライトカウル、フォークカバー+フォークブーツ、専用シートを備えたカスタムモデルとなっています。

1位「ホンダ レブル250」

2位「ホンダ レブル250 Sエディション」

「ホンダ CB400スーパーフォア（NC42）」、「カワサキ Ninja400（EX400G）」等の人気車種も上位ランクイン！

長く400ccクラスを牽引してきたネイキッドの名車、「ホンダ CB400スーパーフォア（NC42）」が3位にランクイン。水冷4気筒エンジンを搭載し古くから教習車に使用され多くのライダーに馴染みのある同車は、惜しまれつつ2022年に生産終了となりましたが、中古バイク販売数ランキングにおいては水冷4気筒エンジン400ccクラスで不動の人気を維持しています。同車は中古市場において、多くのライダーからバイクとしての完成度や耐久性を評価されているほか、また車体の中古流通数が多く、中古パーツやカスタムパーツも豊富である点が人気の要素となっていると思われます。

5位には「カワサキ・Ninja400（EX400G）」がランクインしました。同車は400ccでありながら、年式が同一のNinja250と同等の車重を実現し、その軽量車体に高出力エンジンを搭載したスポーツモデルです。

15位にNinja250（EX250P）、18位にNinja250（EX250L）等、Ninja（ニンジャ）シリーズがランクインするなか、400ccクラスのNinja400（EX400G）が5位にランクインしたのは、流通数が多く人気が高いNinjaルックスそのままに、400ccの高出力エンジンによりスポーティな走行を可能にしているスペックである点に注目が集まっていると思われます。

3位「ホンダ CB400スーパーフォア（NC42）」

「CB400スーパーフォア」というバイクが登場したのは1992年であり、進化を続けながら2022年まで30年間に渡って製造された名車中の名車です。

NC42型になったのは2007年モデルからで、それまでのキャブレターから電子制御燃料噴射システム（PGM-FI）を採用したのが最も大きな違いと言えます。正式な車名は「CB400SUPER FOUR HYPER VTEC Revo」であり、その名の通りエンジンには1気筒あたりの作動バルブ数を2個から4個へと切り換えるバルブ制御システム「HYPER VTEC」が組み込まれています。また、前後輪連動ブレーキシステムCBS（コンバインド・ブレーキシステム）とABS（アンチロック・ブレーキシステム）を併用したコンバインドABSを装備した、「CB400SUPER FOUR HYPER VTEC Revo ABS」もラインナップします。

フレームはスチール製のダブルクレードルタイプで、フロントフォークは正立タイプ、リアショックはツインタイプを採用してネイキッドらしいデザインに仕上げられています。ホイールは当初3スポークタイプが採用されていたが2014年から10本スポークタイプへと変更され、サイドカバーやテールカウルもデザインが変更されました。

NC42型としても15年ほど製造されているため生産台数は多いが、4気筒の400ccネイキッドが各社のラインナップから姿を消したこともあり中古車の価格は上昇中です。

3位「ホンダ CB400スーパーフォア（NC42）」

4位「ホンダ CBR250RR（SC51）」

2017年に登場した「ニダボ」と呼ばれるSC51型の「CBR250RR」は、2気筒エンジンの250ccスーパースポーツカテゴリーで最も人気が高いモデルです。

搭載されるエンジンは水冷DOHC4バルブ直列2気筒249ccで、初期モデルは最高出力28kW（38PS）/12500rpm、最大トルク23N・m（2.3kgm）/11000rpmと当時のライバル車を一歩リード。2020年のマイナーチェンジで最高出力31kW（41PS）/13000rpm、最大トルク25N・m（2.5kgm）/11000rpmへとアップ、2023年には外装デザインの変更などとともに最高出力31kW（42PS）/13500rpm、最大トルク25N・m（2.5kgm）/10750rpmへとさらにパワーアップしています。

フレームはスチール製のダイヤモンドトラスタイプで、スイングアームはアルミ製のガルアームとなる。フロントには倒立フォークが奢られ、ブレーキは前後ディスクでABS搭載モデルもラインナップされます。250ccクラスとしては初となるスロットル・バイ・ワイヤを採用し、灯火類もフルLEDを採用するなど各部に最新技術が投入され、スーパースポーツと呼ぶにふさわしい仕上がりとなっています。

4位「ホンダ CBR250RR（SC51）」

5位「カワサキ Ninja400（EX400G）」

「Ninja400」はNinjaシリーズらしいスポーティなデザインと扱いやすいエンジン、スポーツモデルとしては楽なポジションなどでベテランから初心者まで幅広い層に人気となっています。

2018年にフルモデルチェンジでEX400G型となった「Ninja400」は、それまでのER系の車体ではなく、兄弟車となる「Ninja250」と車体周りなどを共用しています。フレームはスチール製のトレリスタイプで、前後ディスクタイプのブレーキはABSが標準装備となっています。デザインはZX-10R系のスーパースポーツ系で、ヘッドライトにはLEDが採用されています。

エンジンは水冷DOHC4バルブ直列2気筒398ccで、高出力35kW（48PS）/10000rpm、最大トルク28N・m（3.9kgm）/8000pmを発揮。車体を同じくする「Ninja250」が27kW（37PS）/12500rpm、最大トルク23N・m（2.3kgm）/10000pmで車重166kgに対し、「Ninja400」は車重167kgなのでその優位性は明らかです。

「Ninja400」は250ccクラスとほぼ同様の車体に余裕のある400ccのエンジンを搭載し、地区越した走行性能とマルチに使えるユーティリティの高さが両立した稀有なバイクでしょう。

5位「カワサキ Ninja400（EX400G）」

6位から20位まではこんなモデルがランクイン

6位以下はこのようなランキングとなります。250ccモデルが数多く、「Ninja250」と「YZF-R25」は新旧モデルがランクイン。10位には大型の「Z900RS」がランクインし、その人気の高さを感じさせます。また、単気筒の「GB350」や「SR400」がランクインしているのも見逃せません。ハーレーダビッドソンの「XL1200X」と「XL883N」のランクインは、生産中止となった空冷スポーツスターシリーズの人気の高さを感じさせます。

6位「ホンダ GB350」

7位「ヤマハ YZF-R25（RG43J）」

8位「スズキ GSX250R」

9位「スズキ Vストローム250」

10位「カワサキ Z900RS（ZR900C）」

11位「ヤマハ SR400（RH16J）」

12位「ハーレーダビッドソン XL1200X」

13位「カワサキ エストレヤ」

14位「ホンダ CB250R」

15位「カワサキ Ninja250（EX250P）」

16位「ホンダ CB400スーパーボルドール（NC42）」

17位「ホンダ CBR400R（NC56）」

18位「カワサキ Ninja250（EX250L）」

19位「ハーレーダビッドソン XL883N」

20位「ヤマハ YZF-R25（RG10J）」

バイク未来総研所長　宮城光のココがポイント

お店で実際に売れているバイクという事でリセールプライスランキングとはラインナップが異なり、実際これからバイクに乗ろうというライダーのニーズがわかり、興味深く拝見した。

僕は400ccクラス以上に乗る事が多いので、興味深かった訳だが、実際のところ車検いらずの軽二輪車が上位Top10の中でも6台も入り込んでいるところで、現実的なランキングだと感じた。近年の軽二輪クラスは、全盛期の400ccクラスを思い出させる魅力的な機種も多く、さらには販売価格帯に関しても、多くのユーザーが満足できるバランスを見せているところも大きいだろう。選択肢が多く価格も手頃、台数的にも出回っているので、セカンドハンドでも満足度が高いと、ユーザーは感じているのではないか。

また、自分の相棒となるバイクと出会うのも縁、買いたいタイミングで「そのバイクがお店にある」という事も重要なのだろう。新車での人気＝多くの車両確保＝お客様のニーズに応える・・・この辺りはバイク王ならではの強みと言える。

車種については、特にレブルが１，２位という事では、街中で見かける数で言えば納得だ。足付き性の良さや、ユーザーフレンドリーなところは、多くのライダーのデビューも支えているだろう。ミドルクラスで言えば、生産中止になって久しいがヤマハSR400が乗りやすく総合11位、大型であればカワサキZ900RSが多くの層に受け入れられていることに共感でき、国産定番モデルとも言えます。

ランキングの中では、並み居る国産車の中、ハーレーダビッドソンが2車種ランクインしていることは興味深いところである。排気量1000cc以上マシンはTop20にはハーレーダビッドソンしかランクインしていないが、1000cc以上だけのランキングではトップとなっているだけに、セカンドハンドだからこそ、念願のバイクが手中に収められるバイクと言えるのではないだろうか。

新車はお目当てのバイクがある上でディーラーに赴くことが多いと思うが、中古バイクは選び方が異なると改めて感じた。バイク王のように多くのメーカー・車種・カラーバリエーションが集まるバイクショップの中で、価格帯や見た目、足つきなど、その場で自身に合うと感じた運命のバイクを選ぶ、という「選び方の違い」があるのだろう。バイクを購入するにあたり重視するポイントは本当に千差万別だが、国内外のメーカーの中で売れているバイクの順位は、今のライダーのニーズを反映しているため、新車・中古車問わず、バイクを探しているライダーにとって参考にはなるのかもしれない。