80年代後半に250ccレーサーレプリカを楽しんでいた世代ですが、少し前にリターンしました。そこで気になるのが、最近よく出てくるエンジンの低回転域を使ってトラクション……ということです。以前はエンジンのパワーバンド(もう死語でしょうか)を使って後輪がガッツリ路面に食いついて加速する感じをトラクションだと思っていました。1,000ccに乗ってるいまも強いトラクションがあったほうがいいだろうと6,000回転以上回して頑張ってきたのですが、何か勘違いしているのでは、と思い始めたわけです。しかし低回転域だとスロットルの開け始めのエンジンの反応がワンテンポ遅れてくるし、その後の加速がモヤッとしている感じなのですか、これでいいのでしょうか? これもトラクションなのでしょうか?

A. 一般公道では曲がれるトラクションの範囲内といえば低回転域のみ。但し開け方が丁寧過ぎるとトラクション効果は引き出せません。

レースでも低中速のコーナーではトラコンが介入しない回転域で「曲がれる」を優先します。

まさにリターンライダーに共通しているテーマですネ。
RIDE HIで何度もトラクションについて取り上げているのも、BIKE GATHERINGでのご質問の多くが同じような内容です。

先ず最新のMotoGPの傾向からお話しましょう。いまや300PSといわれる超パワフルなエンジンは、トラクション・コントロールなしには後輪の空転が避けられません。
ストレートのトップスピード狙いはともかく、難しいのがコーナーでのトラクションです。

何が難しいのかというと、コーナーではタイヤが滑って一気にホイールスピンしたら、バンク中のマシンはひとたまりもなく転倒してしまいますが、トラクション・コントロールの仕組みがこのスピンを検知して、徐々に外へスライドしていく程度に出力を抑えてくれるので転倒には至りません。
いわゆるタイヤのスリップ痕であるブラックマークを路面に残すくらいに調整されます。

※この記事は2023/9/12に掲載された記事です。

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情報提供元 [ RIDE HI ]

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