ホンダと日産が検討していた「経営統合」の会見が行われたのは2024年12月23日。そこからわずか1か月で、この話が白紙撤回されることになりそうだ。背景にあるのは、ホンダが持ち出した「日産の子会社化」に対する反発。日産のプライドが決め手になったと見られる。

日産の再生プランにホンダがダメ出し、日産の子会社化を提案した!?

ニュースが報じられたのは2月4日。日産がホンダとの経営統合に向けた協議の打ち切りを決めたという。

日産とホンダは5日付で「経営統合に関する一部報道があったが、本件は当社が発表したものではない」との声明を出している。さらに「報道の事実も含めてさまざまな議論を進めている段階であり、2月中旬を目途に方向性を定め、発表させていただく予定です」としている。

しかしながら「日産が経営統合に向けた合意書を破棄した」との見方が強いようだ。2024年12月23日に、ホンダ、日産、三菱自動車の社長が開いた会見で、ホンダは経営統合の協議の条件として、業績が低迷する日産にターンアラウンド(再生プラン)の策定を求めていた。

その後、日産は人員削減など大まかな再生プランを固めたが、ホンダはさらなるリストラを強く求めたようだ。また、設立予定だった持ち株会社の統合比率などで条件が折り合わなかった模様。そこでホンダは日産を子会社化し、ホンダ主導で再生させる案を出したものの、日産社内で強い反発があり、協議を打ち切ったとしている。

昨年12月23日の会見で、経営統合に向けた基本合意を進めていくかを決定する期限として設定されていたのが1月30日だったが、2月中旬まで延期されたことになる。

四輪の利益率はホンダ4%、日産2%、二輪のホンダに主導権を握られたくない?

ホンダの2024年3月期の売上高営業利益率は7%だが、四輪事業は4%。二輪事業の17%という高い利益率がホンダを支えている。日産の同利益率も2%と低く、四輪事業に限って言えばホンダとさほど変わらない。日産からすれば、ホンダの企業価値は四輪ではなく、二輪による部分が大きく、主導権を握られる筋合いはないという考えもあったようだ。

加えて、ホンダと日産はそもそも誕生した背景や企業風土が大きく違う。

ホンダは本田宗一郎氏が戦後の1948年に設立。小さな町工場から出発し、バイクメーカーとして成功した後、1963年から四輪事業に進出した。

一方の日産自動車は、財閥の日本産業コンツェルンを創業した鮎川義介氏が戦前の1933年に設立。日本産業(略して“日産”)の自動車部門から発足した経緯がある。

ホンダの関係者筋も「財閥系の出自である日産が、ホンダの子会社になるのは到底プライドが許さなかったのだろう」と語る。

また、ホンダは現場主義でワイワイガヤガヤと大勢の社員が話し合い、その場で意志決定する企業風土がある(“ワイガヤ”と呼ばれる)。一方の日産はやや役所の縦割り的で、意志決定が遅いと言われる。

このような二社が経営統合するのはやはり難しかったのもかもしれない。ましてや日産がホンダの子会社になるのは無理があるのだろう。


まだ協議の可能性は? 他のメーカーの動向は? 2月中旬の発表を待ちたい

今回の経営統合は一旦ご破算となったとしても、持ち株会社を前提に再協議するか、このまま協議しない選択肢がある。また、既に行われていた車載ソフトウェアなどEVに関する業務提携の協議は継続する可能性も。

しかし、日産は2024年度上期に営業利益が90%減となるなど事業低迷が続く。ホンダとの経営統合が破談した場合、日産は他のパートナーと手を組む可能性も高い。買収の意向を持っている台湾のホンハイや、他の自動車メーカーが浮上してくるかもしれない。

ひとまずは2月中旬に行われる発表を待ちたい。

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    メディアの悪弊だが、憶測で語りすぎ。
    ホンダの関係者が語る日産のプライドって、読心能力者かよw

    日産の経営体質に問題が多いのは確かだが、現状で最終黒字ではあるんだ。
    米国や豪州市場では堅調。

    国内生産力を削るのは雇用に直結するから日本人としては許しがたいが
    困難な状況で資源を集約させていくのは経営としては王道だよ。

  2. 匿名 より:

    やっちまったニッサンの印象が強すぎるからまあ頑張ってとしか言えない

  3. 匿名 より:

    日産ってトヨタやホンダと比較しても役員の数多すぎるよね。
    ゴーンですら削れなかったのに自浄作用なんて期待できない。ホンダの求める水準に日産の企業体質では到底辿り着けないのは明白だと思う。

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