SHOEIの決算説明会で数々の興味深い情報が明らかになった。全世界における「モデル別の売れ行き」という珍しいデータが公表されたほか、茨城県にミュージアムを建設するという。さらにヘルメット以外の新事業も立ち上げるという驚きの発表も!

売上No.1は軽量コンパクトなフルフェイス!

世界のプレミアムヘルメット市場で60%のシェアを占める、日本のSHOEI。2024年11月29日に「2024年9月期決算説明会」を実施した。

様々なデータが明かされたが、中でも注目したいのはモデル別の販売数。こうしたデータが公表されるのは実に珍しい。

2024年9月期(2023年10月1日~2024年9月30日)の実績販売数量は64万個。そのうち最も売れたのはZ-8(23%)で、次点がネオテック3(19.5%)、X-フィフティーン(15.8%)、GT-Air3(14.6%)、グラムスター(7.7%)と続いた。

カテゴリー別ではフルフェイスが58%と最大。欧州での人気を反映してか、フリップアップ(システムヘルメット)が21.2%で次点となる。さらに、ネオクラシック11.7%、オープンフェイス5.6%、オフロード3.6%と続く。

2026年春、茨城県にミュージアムをオープン予定!

さらに今後の成長戦略の一つとしてミュージアム「SHOEI HELMET PARK」を計画しているという。

SHOEIは、茨城工場に隣接する新敷地を2024年4月に取得し、新倉庫を建設した。その敷地の一部を活用し、ミュージアム、ショールーム、グッズショップ、飲食スペースなどを設置するという。オープン予定は2026年春で、さらなるブランドの強化やプロモーション効果などを見込む。完成すれば新しいツーリングスポットになりそうだ。

ヘルメットではない「新事業へのチャレンジ」にも言及!

そして気になるのが「新事業へのチャレンジ」。以下、説明会の資料から抜粋しよう。

「弊社は祖業である二輪用ヘルメット製造・販売に集中することで成長して参りましたが、先進国における昨今のライダーの高齢化、若者の趣味の多様化を鑑みた場合、今後の成長を担保する新しい事業領域にもチャレンジすべき時期が来ているとも言えます。

ただし、SHOEIの築き上げた高い利益率を希釈しない、ブランド価値を棄損しないことが大前提となり、様々な角度から検討しているものの、なかなか的を射た案件がありません。2025年度9月期中に具体化させるべく、現在経営と社内が一丸となって努力している状況です。

いずれご紹介できるタイミングが来るよう、経営一丸となって努力致します。」

つまり、本業であるヘルメット事業を継続しつつ、より成長できる新事業への進出を検討しているというのだ。一部報道によると、新事業はヘルメットと全く別の分野の新事業で、数十億円を投じていく模様。参入する分野の関連会社の合併や買収ではなく、現段階では自社でゼロから事業を立ち上げていく方針という。

ライダーとしてはバイク関連の事業であれば嬉しいが……果たして!? 2025年度9月期中(9月30日)までに何らかの発表があることを期待したい。

8年連続で増収達成、2025年9月期は主力製品の変更なし?

最後に今期の業績についても触れておきたい。2024年9月期は、生産量が減少したものの、結果的に増収益となった。販売数量は前年比8.4%減少したが、新モデル投入効果のほか、値上げと円安によって単価が大きく上昇した結果、前年比で5.1%の増益。売上高営業利益率は28.9%と非常に高水準だ。

これでSHOEIは8年連続増収、増益、益配を達成した。

なお、最大のマーケットは欧州で27万6000個を販売。日本は15万8000個、中国は11万7000個、北米10万8000個となっている。

2025年9月期に関しては、販売数量が前年比4%減の予想。為替想定レートも円高となることから前年比5.2%の減収、同15.1%の減益を予想している。さらに「主力製品のモデルチェンジがない」との記述があり、型遅れが心配な人は今が買い時かもしれない!?


SHOEIで最も売れているヘルメットは○○○! 2026年春にミュージアムをオープン予定、さらに全くの別事業にも挑戦へ ギャラリーへ (8枚)

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