40歳で一念発起して普通二輪&大型二輪の免許を取得した私が、一度は見ておいた方がいいよと聞いていた「EICMA(イタリア・ミラノで毎年開催される二輪車の国際見本市)」に、今年ついに行ってきた!

サクッと回っても1日ですべてを見ることは無理だったEICMA

今年110周年のアニバーサリーを迎えたEICMA。パンデミック後にも出展を見合わせていたブランドもあったようだが、今年は過去最大となる10パビリオン・33万平方メートル超の敷地面積の会場に、45カ国から2100以上のブランドが集結。6日間で60万人以上来場という数字を記録したとのことで、規模の大きさに驚くばかり。

プレスデーの初日の早朝にミラノに到着。ホテルに荷物を置いたりした後、10時30分にEICMA会場に到着。とりあえずこの日はまず全体をサクッと見て回ろうと活動を開始したのだが、結論として18時30分の閉場までに1.5ホール回りきれずに時間切れ。想像以上の規模感と1日歩き回った疲労感で、初日は「足が棒です」に尽きて終了。

2-3日目はカタコト英語とイタリア語の翻訳アプリを駆使しながら根気強く周回。3日目の夜は素敵な会に参加させてもらって飲んで踊って、濃霧のなか夜中3時にホテルに戻り、翌4日目は地下鉄のストライキに遭遇。なんとかお昼前頃に会場にインして4日目も少し見て回るという感じで、会場のロー・フィエラ・ミラノに連日詣でた旅だった。

日本人、女性で1人で回っていることが珍しいのか、「バイクに乗っているのか?」「どのバイクが好きだ?」「ソニーのいいカメラだな」など、本当に多くの人に声をかけられた。過去に参加したインド・ヒマラヤツーリングの写真を見せると「Meraviglioso(すばらしい!)」と満面の笑顔を見せてくれて、カタコトのコミュニケーションながらもバイク趣味という共通点で盛り上がることも多々。

バイクに乗るようになって新しい世界が広がったが、今回のEICMA旅では共通の趣味がもたらす言語を超えた仲間意識みたいなものを強く感じた。この一期一会のコミュニケーションが抜群におもしろかったことをまず書き留めておきたい。現地で出会った人たちには、バイクに乗っていればまたどこかで会うことができるのかもしれない……そんな楽しい予感をもたらしてくれた旅は最高だった。

では、プライベート旅ゆえの自由気ままな視点で個人的に気になった新モデルやプロダクトなどをレポートでお届けしよう!

ドゥカティ:イタリアン・バイクの雄はEICMAでも人気!

今回EICMAの直前に発表されたNEW「V2」エンジンには個人的に興味津々だったドゥカティは、連日とにかく人が多かった印象。注目度の高いバイクは、やはり新型のV2エンジンを搭載したパニガーレV2とストリートファイターV2。実際に跨ってみると、コンパクト&軽そうで好印象。とはいえ、個人的にはイタリアのモトクロス選手権でチャンピオンに輝いたアレッサンドロ・ルピーノ選手の「Desmo450 MX」に釘付け!

会期中にひょんなご縁をいただき、DOC(ドゥカティ・オフィシャル・クラブ)のスロベニアメンバーやイタリアメンバーが集う食事会にも参加。とにかくメンバー全員のドゥカティ愛が深すぎて、こんなに愛されるブランドってすごいなと。飲んで踊って、ホテルに戻ったのが深夜3時。濃密な時間を過ごした高揚感がすごくて、眠いけど寝つけない時間を少し過ごし、明け方思ったのは「私もいつかドゥカティオーナーになりたい!」ということ。

フルシックス:ドライカーボンパーツの軽さを学ぶ

MOTO CORSEと一緒のブースで出展していたのは、スロベニア発のドライカーボンパーツブランドのFULLSIX(フルシックス)。私、ドライカーボンとウェットカーボンの違いがいまいち分かっていなかったのだが、とにかく軽い!レースの世界でもおなじみ、超軽量、高強度のドライカーボンパーツに実際に触れてみて、趣味の世界の深淵を垣間見た気がした。フルシックスは、日本ではモトサロンが取り扱っている。

ビモータ:「TESI H2 TERA」は専用タイヤを完成させて市販化へ

このバイクにパニアつけてロングツーツーリングか!?とマジマジと見ていたからか、隣で見ていたイタリアのイケオジ達に話しかけられて翻訳アプリを駆使して語り合ったのが「TESI H2 TERA」。あなた欧州をツーリングしたことあるの?ないの?それは人生もったいない!このバイク(TESI H2 TERA)で峠越えをするんだ!という感じで、オジたちと羨望の眼差しを向けつつおしゃべりに花が咲いた。オジたちと写真を撮らなかったのが心残り……。

ちなみに「TESI H2 TERA」の専用タイヤの話を帰国後ジャーナリストに話すと、「それは画期的じゃないか!ぜひまた試乗したい!」と盛り上がっていた。リリースにもあまり出ていないこうした小ネタ情報を直接聞くことができるのも、ショーならではの楽しさといえる。

ロイヤルエンフィールド:新モデルもカラーセンス◎!クラシカル×モダンのバランスが好印象

やっぱり洒落てるな〜と感心したのがロイヤルエンフィールドだ。特に、クラシック350の赤(マドラス・レッド)が抜群に可愛かった!、このクラシック350も画像よりも実車で見た方が断然いいの!クラシカルなスタイルを壊さず、モダンさを感じさせるおしゃれなカラーチョイスも素敵と思わせてくれるブランドはやっぱり見てても楽しい。

ピアッジオグループ:愛想をふりまくでもないリアルな空気感をまとったモデルたちがいい!

アプリリア、ベスパ、モト・グッツィが集結したピアッジオのブースは、ブランドごとにブースを分けずに開放的な演出。リラックスした雰囲気のなかポイントとなるバイクにはモデルたちがキメッキメで佇むでもなく、自然な感じで寄り添う。なんだろう、久しぶりに街中歩いてたらカッコよ!的な人たちに遭遇する率が高くてなんだか楽しい!と言えば伝わるだろうか?ジェンダー問わず若いモデルが自然にいるおしゃれな感じは、日本のショーにはない感じで印象的だった。

スズキ:気になる400ccのデュアルパーパスモデル「DR-Z4S」「DR-Z4SM」

初日に見て「(いい意味でとがってなくて)いいね!」と思ったのは、スズキのデュアルパーパスモデル「DR-Z4S」とスーパーモトモデル「DR-Z4SM」。とはいえ、一般公開になったらピンヒールのモデルが寄り添うことで、土の感じがなくなりスマートさがアップしちゃったような? こうした演出で印象が変わるから、リアルなショーっておもしろいなとも実感。

ジビ:クロスバイクにつけたいサイクリングバッグを発見

自転車用にこのセットがほしいなと思ったのが、GIVI(ジビ)のサイクリングバッグ各種。バイクに装着するペットバッグもあった。

こうして振り返ると、正直私そんなに新モデルは熱心に見ていないな(写真にも撮っていなかったりする)と思いつつ、ではEICMAの何がおもしろかったんだろうか?と自己分析も兼ねつつ、レポートは続きます!

43歳ルーキー女子ライダー、はじめてのEICMA vol,1【ドゥカティ愛に感化され、bimotaでイケオジとおしゃべりに花が咲く】ギャラリーへ (31枚)

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