
警察庁が、運転免許証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ免許証」の運用について、2025年3月24日から導入する方針を発表しました。
一体化をするか否かは任意で、引き続き従来の運転免許証を使うことも可能。また、マイナ免許証と従来の免許証の2枚持ちもOKなども明らかになりました。加えて、運転免許を新規に取得した際や更新時に、マイナ免許証と従来の免許証を選んだ場合で、手数料がどう変わるかなど、費用面の方針も公開されています。
マイナ免許証とは?
運転免許証とマイナンバーカードを一体化するのが、いわゆるマイナ免許証。運転免許証のICチップに入っている免許固有の情報を、マイナンバーカードのICチップへ記録することで、一体化を図るというものです。
この一体化については、2022年(令和4年)4月に、道路交通法の一部が改正され、以下のような規定が盛り込まれました。
「運転免許を現に受けている者のうち、当該運転免許について運転免許証のみを有するもの等は、いつでも、その者の個人番号カードの区分部分に当該者の運転免許に係る一定の情報(以下「特定免許情報」という。)を記録することを申請することができることとする。
特定免許情報が記録された個人番号カードは、運転免許証の携帯及び提示義務に係る規定の適用については、運転免許証とみなす。」(出展:参議院ホームページ 議案情報「第208回国会(常会)議案要旨」)
ご存じの通り、ここでいう個人番号カードがマイナンバーカード。これら条文を簡単にいえば、運転免許証を持っている人は、その人の免許情報(特定免許情報)をマイナンバーカードへ記録する申請ができるということです。
つまり、運転免許証の情報を紐付けしたマイナンバーカード1枚で、免許の種類や番号、交付年月日や有効期間などの情報が分かるということです。そして、運転中などにこのマイナ免許証のみを携帯していても、運転免許証を持ってることと同じ扱いにするということも決まっています。
マイナ免許証のメリットとは?
2枚が1枚になる……ポイントカードやクレジットカードなど、なにかと持ち歩くカード類が多いことを面倒だと感じている人にとっては、メリットだといえますね。
ほかにも、警察庁では、以下のようなメリットを挙げています。
まず、「住所変更手続のワンストップ化」。これは、引っ越しなどで住所が変わった場合の手続きが簡略化されるということです。
現状、運転免許証は警察署や運転免許センターなどで、マイナンバーカードは市区町村の役所・役場で手続きを行うことになっています。それが、もし一体化すれば、手続きの窓口を役所や役場に統一できることが予想できます。
また、同じく警察庁が運用開始を進めている「オンライン更新時講習」を受けられるようになることもメリットとして挙げられます。
このオンライン更新講習とは、2022年(令和4年)2月から、北海道、千葉県、京都府、山口県で試験的に実施されているモデル事業のことです。優良運転者や一般運転者でマイナンバーカードを保有する人を対象に、免許更新時の講習をスマートフォンやパソコンで受講できる取り組みを行っています。自宅や仕事場など好きな場所で、24時間好きな時に受けられることで、免許更新時の利便性を向上しようということですね。
警察庁では、このオンライン更新講習の運用を、全国に拡大することも進めていて、もし実現すれば、マイナ免許証を取得することで、このサービスを受けることも可能となります。
マイナ免許証を取得すれば、全国での新規運用を予定するオンライン講習の受講も可能になる可能性が高い
ただし、もしオンライン更新時講習を受けたとしても、現状では、新しい運転免許証の交付を受けるには、従来と同じく更新期間内に運転試験場などに行く必要があります。あくまで、この制度は、免許更新時の講習を好きな時間や場所で受講できるということですから、念のため。
マイナ免許証は義務化?
ここで気になるのが、運転免許証とマイナンバーカードの一体化は、義務化なのか? つまり、絶対にやらないとダメなのかどうかです。特に、マイナンバーカード自体も取得は任意のため、持っていない人もいると思いますが、そういった人の場合はどうなるのか気になります。
これについては、以下の選択肢が可能となるようです。
1,従来の免許証だけ(一本化なし)
2,マイナ免許証だけ(一本化する)
3,従来の免許証とマイナ免許証の2枚持ち
つまり、そもそもマイナンバーカードを持っておらず、今後も取得するつもりがなければ、1のように、今まで通り、従来の免許証を使えばいいことになります。
ちなみに、これについて、NHKの報道によれば、警察庁の露木康浩長官は、2024年9月12日の記者会見で、「マイナンバーカードと運転免許証の一体化が義務づけられるというわけではない」と明言。また、上記3つの選択肢があることを周知できるよう準備を進めたいとコメントしたといいます。
手数料は値上げの方針!
警察庁では、さらに、マイナ免許証を導入するにあたり、免許証交付などの手数料も見直しを図る方針であることを明かにしています。
それによると、主に以下の手数料を導入する予定のようです。
導入が予定されている新手数料
【マイナ免許証のみ】
新規取得時1550円(−500円) 更新時2100円(-400円)
【従来の免許証のみ】
新規取得時2350円(+300円) 更新時2850円(+350円)
【両方持つ場合】
新規取得時2450円(+400円) 更新時2950円(+450円)
運転免許証を新しく取得する場合(新規取得時)、従来の手数料は2050円。また、免許証を更新をする場合(更新時)は、従来の手数料は2500円です。それらと、新制度の手数料を比較すると、マイナ免許証のみの場合は値下げとなりますが、従来の免許証のみや両方持つ場合は値上げとなります。
マイナ免許証のみの場合は、すでにカードがあり、情報を一本化するだけなので、従来より安くなるようです。
なお、従来の免許証のみや両方持ちで値上げする理由について、警察庁は、「昨今の物価変動等」を踏まえたものだといいます。つまり、新規にカード(免許証)を発行する場合は、材料費やコストなどの兼ね合いで値上げするということですね。
ほかにも、手数料関連では、前述の「無事故・無違反」の「優良運転者」や軽微な違反のみの「一般運転者」が受けられるオンライン講習については、手数料が200円になるといいます。
さらに、更新のタイミングではないけれど、「マイナ免許証に切り替えたい」場合は、切り替えの手数料として1500円が必要となるようです。
正式決定は一般からの意見募集後に決定
以上は、現段階で警察庁の予定するマイナ免許証の概要です。同庁では、2024年9月13日〜2024年10月12日の30日間、これら改正内容に関して一般からのパブリックコメントを募集中。それを踏まえ、必要な場合は政令などを改正し、前述の通り、2025年3月24日に施行することを目指しています。
マイナンバー関連では、かつてマイナ保険証で「他人の情報が誤って紐付けされた」などのトラブルもありましたよね。マイナ免許証では、そいった問題が起こらないようにして欲しいものです。
また、警察庁が目指す制度の導入開始日、2025年3月24日まではあと半年。あまり時間がありません。そのため、できるだけ早急に詳細を決め、一般のライダーやドライバーが制度をよく理解するためにも、可能な限り広く周知を図るように努めてもらいたいですね。
保険証に次ぎ、運転免許証もマイナンバーカードと一体化されるが、果たしてどうなる?
*写真はすべてイメージです
「マイナ免許証」2025年3月から導入へ! 義務化になる? 費用はいくら? ギャラリーへ (6枚)この記事にいいねする
マイナンバー自体が任意なのにマイナンバーが義務化するのはあり得ない♪
マイナンバー普及させてうれしいのは税金搾り取ったり個人情報一元管理してxxしたい権力者だけですよん♪