SNSをにぎわせたとあるモンキー125のカスタム。そこには見たこともないタコメーターが装着されていた! ミニ液晶画面で「たこ」が回転数を教えてくれる洒落の利いたこのパーツはその名も「たこタコメーター」。製作者にお話を伺ったところ、ワンオフと思いきや、なんと個人で購入もできるという! その開発秘話を聞いた。

きっかけは自動車用タコメーターの自作から

一見すると楽しいデモパーツに見えるが、この動画を見てほしい。

なんと実際にミニサイズの液晶モニタを使用し、タコメーターとして機能するパーツなのだ。タコのろうとが針となって回転数を教えてくれるほか、レッドゾーンに入るとタコも怒り出す!

この「たこタコメーター」を製作しているのは、たこタコメーター(ex-うたごえ喫茶ぺんぎん)X@Moo875氏。もともと車も電子工作も好きだったという氏は、自分や知り合いのために自作の電子パーツを作っていたという。

そんな氏は数年前、タコメーターの装備されていない愛車(ルノー・トゥウィンゴ3)に、自作でタコメーターを装着できないか? という挑戦を始めた。ネットで他の作成事例を参考にしつつ、小型の汎用コンピューターにOBDIIアダプターを接続、プログラミングを行って試行錯誤の末第1号が完成。当初はタコ型ではなく、角型液晶にバーグラフ表示だった。

その後、海外から丸形液晶を輸入したり、優秀な汎用プログラムを活用したりと改良を重ねた結果、円形のメーターらしいスタイルを実現。滑らかなアナログメーター風の表示も可能になった。現在ではさらにケースに入った小型汎用コンピューター内蔵モニターに進化しており、市販品と区別のつかない洗練された外見となっている。

「タコメーターやから「たこ」っぽい外装でも……」という奥様の言葉

一旦完成をみた自作タコメーターであったが、それを見た氏の奥様が「タコメーターやから「たこ」っぽい外装でもつけたら」とボソッとつぶやいた。奥様を喜ばせるためにも、氏は「たこタコメーター」の製作に取り掛かる。しかし、実現するとなると外装よりも表示を変える方が楽だったという。デザインはオリジナルのもので、好みのシンプルなキャラクターを目指したところ、現在のタコの姿となった。

なんと製品化!ハンドメイドの少数生産ながら、自分のバイクにも装着できる

そんなたこタコメーター、SNSに投稿したところこちらも大好評。「ぜひバイク用も」という声から、バイクにも搭載できる改良を加えることとなった。このため現在は自動車用のOBDII接続のほか、点火パルスをピックアップするユニットも製作され、一般的なバイク用タコメーター同様の運用が可能になっている。さらに実用性が増したたこタコメーター、SNSにてテストライダーを募って実際にバイクへ搭載し、さらにバージョンアップ。現在は第二次テスターによるテストが続いている。

防水加工やプログラミングのため、月10個程度しか製作はできないというたこタコメーター。現在は意匠登録など、販売に向けた準備を進めており、量産時には1万円程度の価格を検討しているという。完成品の登場にはいましばらく時間がかかりそうだが、実は既に小型液晶付き小型コンピューター「M5Dial」向けにWEB上でプログラムを(OBDII仕様のみ)先行販売中。こちら価格は現在1000円。電子工作に自信がある人は、挑戦してみるのも楽しそうだ。

たこタコメーターグッズはWEBで販売中

そんなたこタコメーターのプログラム、シャツやアクリルスタンドといった楽しいグッズはWEBショップ(suzuri)に出品中。タコの姿を気に入ってしまったら、ライダーでなくとも欲しくなるデザインだ!

suzuri/moo:https://suzuri.jp/moo500c

※2024年8月現在、suzuriで販売されているプログラムは「OBDII仕様」のみで、バイク用のパルス仕様ではありません。 ギャラリーへ (7枚)

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