2024年10月5日(土)~10月20日(日)に開催される日本最大級のツーリングラリーイベント「SSTR」。このイベントでは、「指定道の駅」および「能登半島地震被災地応援ポイント」のそれぞれ1ヶ所以上に立ち寄ることが完走条件の一つとなっている。
今回はこの両スポット全60箇所が公開されたので、それぞれの施設の概要をお届けしよう。
SSTR2024 指定道の駅
令和6年能登半島地震では、防災拠点として地域の道の駅が、防災関係機関の集結地や支援物資の搬送拠点、一時避難所や給水所として活用された。こうしたことを踏まえ、SSTR2024の指定道の駅は、国土交通省が「防災道の駅」や「防災拠点自動車駐車場」として認定した施設を中心に「指定道の駅」を選定している。
防災道の駅とは、都道府県の地域防災計画等で広域的な防災拠点に位置づけられている道の駅について、国土交通省が「防災道の駅」として選定し、防災拠点としての役割を果たすための重点的な支援を実施している施設のこと。
※SSTRに関して各施設へ問い合わせないこと※定休日や営業時間は各道の駅の公式サイト等で確認すること
※施設からの注意事項を確認すること
※道の駅が1ヶ所しかない東京都については、道の駅ではなく指定駐車場となっている
指定道の駅リスト(一部)
■北海道:ニセコ ビュープラザ
●北海道虻田郡ニセコ町元町77-10
災害時においても、食料品や生活必需品等の販売を通じ、地域の生活拠点機能の保守を担い、広い敷地は支援物資の輸送・集積に加え、復旧・復興活動の拠点として活用される。(国交省認定 防災道の駅)
■青森:しちのへ
●青森県上北郡七戸町字荒熊内67-94
東北新幹線「七戸十和田」駅隣接の道の駅。災害時には、周囲の観光拠点とも連携して、町ぐるみで避難場所の確保や情報の収集、避難広報活動などを行う防災計画が策定されている。(国交省認定 防災道の駅)
■岩手:遠野風の丘
●岩手県遠野市綾織町新里8-2-1
東日本大震災発災時には沿岸被災地の広報の支援拠点となった道の駅。2021年にリニューアルされた際、防災備品の増備が図られ、広域防災の拠点としての機能がより充実した。(国交省認定 防災道の駅)
■宮城:上品の郷
●宮城県石巻市小船越二子北下1-1
温泉のある道の駅、東日本大震災ではライフラインが寸断される中、発災当日も営業を続け、被災者や復興作業工事関係者、ボランティアなど1日に1,000人以上が利用した。
※二輪駐車場は大型車駐車場側にある男子トイレ前の3枠だが、施設の混雑状況により場所が変更になる可能性がある。その際は一般車と同じく整然と駐車すること。また場内では他の車両や歩行者に十分注意すること
■秋田:協和 四季の森
●秋田県大仙市協和荒川新田表15−2
秋田県内すべての道の駅に防災設備が完備されており、今後は県北部の道の駅ふたつい・道の駅十文字についても「防災道の駅」への認定を目指している。(国交省認定 防災道の駅)
※施設場内は全面禁煙
■山形:いいで
●山形県西置賜郡飯豊町松原1898
12か所のマンホールトイレを完備し、空気から一日約1,000リットルもの水を作る装置も完備。2022年8月の豪雨で周辺道路が冠水した際には避難場所として開放され、約100人が避難した。(国交省認定 防災道の駅)
■福島:猪苗代
●福島県耶麻郡猪苗代町堅田五百苅1
ヘリポートを完備。災害時には広域災害対策や物資輸送の拠点となる他、必要な場所に移動して医療・避難場所等を提供する「高付加価値コンテナ」が配備されている。(国交省認定 防災道の駅)
■茨城:奥久慈 だいご
●茨城県久慈郡大子町池田2830-1
太子町は、2019年「令和元年大水害」で多く町民が被災した地域。その経験から町は、道の駅をこれまでの地方創生拠点としてだけではなく・地域防災拠点としての機能をさらに発展させようと計画中。(国交省認定 防災道の駅)
■栃木:みぶ
●栃木県下都賀郡壬生町国谷1870−2
東京ドーム約13個分という国内最大の道の駅。災害時にはその広大な面積が広域防災拠点として活用される。
(国交省認定 防災道の駅)
■群馬:川場田園 プラザ
●群馬県利根郡川場村萩室385
平常時は、豊富なイベントレパートリーで村民と来訪者の交流の機会を創出し、災害時には様々な災害支援に対応する。地方創生拠点と防災拠点の両面が整備された道の駅。(国交省認定 防災道の駅)
■埼玉:和紙の里 ひがしちちぶ
●埼玉県秩父郡東秩父村御堂441
埼玉県秩父郡東秩父村の地域防災拠点に位置付けられており、今後もさらなる防災機能強化が図られる見込み
■千葉:やちよ
●千葉県八千代市米本4905−1
農業を軸とした地域交流拠点だが、防災道の駅指定の認定を受け、今年6月より機能増強の一環としてトイレ棟の新築工事を開始した。(国交省認定 防災道の駅)
■東京:奥多摩水と緑のふれあい館 駐車場
●東京都西多摩郡奥多摩町原5
小河内ダムは、国内最大規模の水道専用ダム。駐車場の屋根には太陽電池パネルが設置されており、災害時の電源として機能する。※駐車場への道路は午前6時まで通行禁止
SSTR2024 能登半島地震被災地応援ポイント
今回より新たに加わった「能登半島地震被災地応援ポイント」は、各自治体も相談のうえ、被災地域にある施設に設定。立ち寄りの際は、食事や土産品の購入など、可能な範囲で被災地を支援しよう。なお奥能登地域はまだ道路状況が悪いところがあるため、速度を落として十分に注意しながら走行するとともに、夜間の走行はできるだけ避けよう。
※SSTRに関して各施設へ問い合わせないこと※定休日や営業時間は各道の駅の公式サイト等で確認すること
能登半島地震被災地応援ポイントリスト
■石川県・珠洲市:道の駅 すずなり
●石川県珠洲市野々江町シの部15番地
震災から間もなくして道の駅に赤十字石川県支部の救護所が開設され、被災地の臨時医療拠点となった。
■石川県・珠洲市:道の駅 狼煙
●石川県珠洲市狼煙町テ部11
4月4日から営業再開。断水や物流経路の寸断等で看板商品の豆腐が製造できないなど、厳しい状況はあるが、そばや塩、被害を免れた日本酒などの特産品を販売している。
■石川県・輪島市:道の駅 のと里山空港
●石川県輪島市三井町洲衛10-11-1
発災直後より避難者へ水や毛布などの備蓄品を提供。支援物資の集配拠点や道路啓開活動の拠点となり、広域防災拠点としての機能を発揮した。周囲道路の走行には十分注意が必要。
■石川県・輪島市:道の駅 輪島 ふらっと訪夢
●石川県輪島市河井町20-1-131
3月14日より営業を再開。発災直後は不足した宿泊場所を確保するため、駐車場が宿泊場所として利用されていた。名産の漆器類や能登塩やいしるなど、山海の味が並べられている。
■石川県・七尾市:道の駅 能登食祭市場
●石川県七尾市府中町員外13-1
震災直後は敷地の液状化で営業ができなくなっていたが、段階的に営業を再開。現在は曜日・時間限定で仮営業中。
■石川県・中能登町:道の駅 織姫の里・なかのと
●石川県鹿島郡中能登町井田ぬ部10-1
駅の入り口には「能登は 負けません」という力強い横断幕が掲げられ、訪れる人々や地域住民を勇気づけている。「かまどベンチ」など防災設備がユニーク。
■石川県・能登町:イカの駅 つくモール
●石川県鳳珠郡能登町字越坂18字18番1
イカの三大漁港として知られる小木港隣接の道の駅。地震や津波で港や船が損傷するなどで漁をとりやめていたが、1月末から徐々に操業を再開。道の駅のシンボル「イカキング」は無傷だった。
■石川県・志賀町:道の駅 ころ柿の里・しか
●石川県羽咋郡志賀町末吉新保向10-2
温泉施設が併設された道の駅。震災後は道の駅の温泉を町民に無料開放していた。その名の通り、ころ柿の干し柿が名産。
■石川県・志賀町:道の駅 とぎ海街道
●石川県羽咋郡志賀町富来領家町タ2-11
道の駅にある「日本一長いベンチ」も震災で損傷した。姉妹イベント「にっぽん応援ツーリング」でも、「能登復興ボランティアミートvol.02」でベンチの修復や海岸清掃などを行った。
■石川県・内灘町:道の駅 内灘サンセットパーク
●石川県河北郡内灘町字大学1-4-1
2022年にリニューアルされた新しい道の駅。道の駅は震災被害をまぬかれたが、道の駅のある内灘町は液状化により被災し、町内の建物に土台の沈下や隆起などの破損が多く見られた。
■石川県・穴水町:道の駅 あなみず
●石川県鳳珠郡穴水町字大町チ41-6
地元出身力士、遠藤関の展示室が設置されている「さわやか交流館プルート」が避難所となり、100人以上が身を寄せていた。またライフラインが途絶えた中、九州の道の駅「うきは」からコンテナトイレが派遣され、避難生活を支えた。
■新潟県・糸魚川市:道の駅 マリンドリーム能生
●新潟県糸魚川市能生小泊3596-2
震災では建物も損傷、レストランの食器が8割以上割れて営業不可能に、くわえて津波も押し寄せ、道の駅のテナントの漁師さん達の船舶や漁具などに甚大な被害が及んだ。そんな中でも富山県・石川県への支援物資中継地点として支援物資送致に尽力した。
■富山県・氷見市:氷見漁港場外市場 ひみ番屋街
●富山県氷見市北大町25-5
早くから輪島で販売先を失った商品を販売するコーナーを設けて能登復興支援。現在は、氷見市出身の藤子不二雄A氏の「忍者ハットリくん」と輪島市出身の永井豪氏による「マジンガーZ」がコラボしたTシャツを先行販売し、売り上げを復興に寄付している。
SSTRとは
SSTRは、世界的なオートバイ冒険家・風間深志氏が発案した、日本列島を横断する壮大なアドベンチャーラリー。
日の出とともに東海岸から出発し、日没までに石川県の千里浜を目指すというシンプルなルールながら、道中やゴールでのライダー通しの交流、地元の方からの温かい歓迎が人気を呼び、2013年の開始当初は127名だった参加者も、2023年には1万2000人を超える規模となった。
例年5月に開催される本イベントだが、今年は令和6年能登半島地震の影響により開催時期を延期し、2024年10月5日(土)~10月20日(日)の15日間のスケジュールで開催される。
※写真は2019年開催時のもの情報提供元[ SSTR ] ギャラリーへ (4枚)
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