バイクで公道を走行する際に遭遇する色々なシチュエーション。この「バイクサバイバル術」シリーズでは、そのシチュエーションに対してどんなことを考え、どのような行動をとるべきかを考えていく。第2回目では、公道を走行していると必ずと言っていいほど遭遇する「停車車両」を避けて通過する際に、どんなことを考え、どんなことに気を付けるべきか考えてみたい。

停車車両の「動き」に注意する

配送のトラックなどはどうしても路上に停車するしかないことが多く、路肩に停まっているのを多く見かける。当然車線の右寄りを走ったり、道の幅が狭い道路では対向車線にはみ出して避けて通過するしかない。この時、まず最初に気をつけたいのがその停車車両の「動き」である。

まず発車する可能性だ。ハザードランプが消えて右ウインカーが出れば当然車両は動き出す可能性がある。例えばその停車車両が写真のようなパネルバンであった場合、後方視界が悪いためバイクを認識せずに発信する可能性がある。また、ウインカーを出してから動けばまだいいが、ハザードランプを点けたまま動き出す車両も少なくない。

次に、ドアが開く可能性だ。きちんと後ろを確認せずにドアを開けるドライバーは少なくなく、先日筆者も停車車両の横を通過しているときにドアを開けられ、ヒヤッとしたばかりだ。幸い接触することは無かったが、この車両のドライバーは待ち合わせをしている友人たちが来たため、その友人に気を取られて確認せずにドアを開けたようだった。停車車両の横を通過しているときに重要なのは停車車両との横方向の車間距離で、さすがにいきなりドアをフルオープンする人は少ない(少ないだけでいないとは言えないが…)ので、1m程度間隔をあけて通過すればドアと接触する可能性は低くなるはずだ。

ただ、この時に気をつけたいのは、停車車両に気を取られて対向車に対する警戒が薄ならないようにすることだ。例えば、対向車線にも停車車両がいて、対向車もセンターラインに寄ってくる可能性もある。互いにセンターラインに寄った状態ですれ違えば、当然対向車と接触するという可能性も出てくる。その際に、こちらがセンターラインを超えていたら、こちら側の過失が大きくなってしまう。状況を正確に把握し、止まって対向車線の車両を先に通過させるという判断をすることも必要だ。

バス停で停まったバスは、周囲にも注意

バスは停留所で停車するものだ。バスの後ろをバイク走るのは色々とストレスがかかるので、抜いてしまいたいと思うのが多くのライダーの心情だろう。しかし、バスが右ウインカーを出して動き出しているのに、無理に追い越したりするのはお勧めできない。バスは死角が多いこともあり、そのまま出てきて衝突してしまうこともありうる。

停車しているバスの横を通過する際にも、色々と気をつけなければならないことがある。最近はバス車内の放送で注意していることもあり少なくなっているのかもしれないが、バスから降りた乗客が降りたバスの前や後ろから道路を横断するという事例がある。この無理な横断はお年寄りや子供に多く、何の確認もせずに車道に出てくることがある。

バスの先に停まっている停車車両というのも怖い存在だ。バイクは避けて通過する際にバスの陰に隠れてしまうこともあり、バイクに気づかずに発信してくる車もいる。バスを避けて通過する際は加速してサッと抜くことを考えがちだが、そういう時に事故は起こりやすい。何かあった時にいつでも止まれることを意識したスピードで追い越すようにしたい。

対向車線の停車車両にも注意が必要

先にも少し触れたが、停車車両は対向車線にいることもある。もちろんこの対向車線の停車車両は対向車が最も気を付けるべきなのだが、何も考えずに大きく車線をはみ出してくるような車両もいる。写真のように道が少し曲がってブラインド気味になっているような場所に停車車両がいるような場合は、対向車がバイクを認識しないまま車線を超えてくる可能性が大きい。

日本車を含めて、四輪車は年々幅が広くなっている。それが直接の原因かどうかわからないが、停車車両を避けて通過する際に必要以上に対向車線にはみ出してくる車両が散見される。こちらが大型トラックであれば対向車線から来る車は止まるだろうが、バイクの場合は「小さいから避けられるよね」という感じでそのまま来る車がほとんどだ。相手のドライバーの運転が未熟で事故が起きてしまった場合でも、残念ながらバイクの方が危険な目に合わされてしまう。後方を確認した上で車線の左に寄り、安全な側方車間を確保することを心がけたい。

普段当たり前のように避けて通過してる停車車両だが、多くのライダーは無意識に今回例に挙げたようなことを確認しながら通過しているはずだ。一度意識して走行してみてほしい。

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