ヤマハ発動機は、型式指定申請における調査において、2つの認証試験に対する不適切事案が判明したと発表した。問題があったのは「騒音試験」における現行のYZF-R1、「警音器の音圧試験」における過去生産のYZF-R3、TMAXの全3モデル。これらのモデルに対する対策は関係当局に相談のうえ、必要な対応をとっていくという。なお、実際の使用における問題は確認されていない。

国土交通省の調査指示によって発覚 自動車メーカー5社からも相次いで事案発表

昨年、自動車メーカーのダイハツなどで車体量産のために必要な「型式指定」申請において、大規模な不正が発覚した。これを受けて国土交通省は今年、型式指定を取得している自動車メーカー等85社を対象に、型式指定申請における不正行為に関する調査を指示。その結果、5月末までにトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキ、ヤマハといったメーカー5社から事案が相次いで発表された。このうちバイクを対象として問題が発覚したのはヤマハのみ。

ヤマハでは2024年2月から5月にかけて、過去10年間分の試験に対するアンケートや社内報告書の突合調査を実施。関係者へのヒアリング等も行ったところ、「騒音試験」において、規定とは異なる条件で試験が行われていたという不適切な事案が確認された。また「警音器の音圧試験」において、試験を実施した車両以外の車台番号を記載して申請したという不適切な事案が確認された。対象の製品については、関係当局と対応手続き(再試験や試験成績書の再提出等)についての確認や相談等を適切に行った上で、必要な対応を行うとしている。

不適切事案の内容と対象型式

以下はヤマハからの発表となる。

騒音試験:不適切な条件によるコンディショニング(試験準備調整)

騒音試験にあたっては、グラスウール製吸音材を使用した消音器(マフラー)を通常路上で使用する状態にするコンディショニング(試験準備調整)を行うところ、認証試験担当者は、コンディショニングの過程で、熱によって試験器具が溶損する事態が生じたため、規定とは異なるエンジン出力にて、コンディショニングを行っておりました。認証試験担当者は、グラスウール製吸音材の耐久劣化状態に影響を与えず、排気圧力・持続時間・試験サイクル数等の試験条件を満たす範囲であれば、試験機器の溶損を避けるためにエンジン出力を変更することは問題ないと誤った判断をしたものです。
なお、不適切な条件で実施した対象現行車種について、全て規定どおりの条件で再試験を行ったところ、いずれも基準に適合していることを確認いたしました。

対象の製品については、現在出荷を停止しています。関係当局に再試験の試験成績書の提出・相談を行ったうえで、必要な対応を行ってまいります。また、出荷を停止している対象の車両および過去に出荷済みの車両に関して、実際の使用に支障を生じさせる事案は確認されておりません。

対象となる車両は以下のとおり。

車種:YZF-R1
型式:8BL-RN65J
販売時期:2020年8月20日~販売中
累計販売台数:1,434台

警音器の音圧試験:型式申請時、試験を実施した車両以外の車台番号を申請書類に記載

型式申請時に、警音器およびその取付け状態が同等である他の型式の試験結果を使用する際、本来は試験を行った車両の車台番号を申請書類に記載し、その車両と申請車両の性能が同じであることの宣言書(管理番号と申請車両の引当て表)を当局に提出すべきでした。しかし、申請担当者は、誤ったルールの理解により、引当て表を提出せず、かつ試験を行った車両の車台番号ではなく、申請する車両の車台番号を申請書類に記載して申請しておりました。

対象の製品については、関係当局に相談を行ったうえで、必要な対応を行ってまいります。また、対象の車両に関して、実際の使用における支障は無いものと理解しております。

対象となる車両は以下のとおり。

車種:YZF-R3
型式:EBL-RH07J、2BL-RH13J
販売時期:2015年4月20日~2017年7月、2018年1月20日~2018年9月
累計販売台数:3,397台、680台

車種:TMAX
型式:2BL-SJ15J、8BL-SJ19J
販売時期:2017年4月7日~2019年9月、2020年5月8日~2021年10月
累計販売台数:1,114台、849台

原因

①騒音試験:不適切な条件によるコンディショニング(試験準備調整)
・コンディショニングの条件を一部変更しても技術的にグラスウール製吸音材の飛散への影響が無ければ法令上も問題無いという、誤った法令の理解をしておりました。
・認証試験において、試験結果への影響だけでなく、試験プロセスも含めた遵法性が重要であることの認識が不足しておりました。
・試験プロセスの遵法性を担保するための方法や、プロセスごとの責任所在に不明確な部分があったため、適切な確認が行われず、試験実施部門の誤った判断を発見できておりませんでした。

②警音器の音圧試験:型式申請時、試験を実施した車両以外の車台番号を申請書類に記載
・認証申請にかかわる法令やルールについて、社内展開が正確にできておりませんでした。その結果、申請方法のルールについて十分に理解をしないまま誤った申請を行っていました。

再発防止策

二度とこのような事態を引き起こすことがないよう、以下の再発防止を徹底いたします。
・試験規程において認証業務と開発業務を明確に区別する。
・認証業務の遵法性の担保と維持のために、試験プロセスの重要性と留意事項等を継続的に教育する。
・認証部門を明確に責任部署と定めて、試験プロセスの遵法性を担保する。
・認証業務および開発業務において管理すべき項目について、抜け漏れなく記録を残す仕組みづくりをした上で、社内記録と申請書類の整合性およびその遵法性を確認する。
・申請書類と社内報告書の部内確認を行う仕組みを作り、形式的な単純照合作業とならないように作成者と承認者が相互に牽制を効かせた実効性のあるチェックを行う。
・認証試験用車両のコンディショニングについて、社内の法令解釈を明確にした上で規定化して周知する。
・法令等によって求められる認証申請に必要な手順について、抜け漏れなく社内規定に展開する仕組みを構築する。

YZF-R1、YZF-R3、TMAXの3モデルに型式指定申請の不適切事案を発表 実際の使用に支障はなし ギャラリーへ (5枚)

情報提供元 [ ヤマハ発動機 ]

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