
1990年代に国内外のロードレースでその名を轟かせた青木三兄弟の次男、青木拓磨氏。全日本で王座に輝いた後、世界グランプリの500ccクラスにステップアップし、これからという時に1998年のテスト中の事故で下半身の自由が効かない身体になってしまいました。
その後4輪レースへ転向し、昨年のアジアクロスカントリーラリーでは総合優勝も遂げています。それとは別に、最近はBRPカンナムRyker Rallyでツーリングも楽しんでいて、今回は、取材や挨拶だけでなく、いちライダーとしても、いろいろとチェックをしに行った感想を青木拓磨さんに語ってもらいます!
「青木拓磨のモータスポーツライフ」前回はコチラ!
心躍る? モーターサイクルショー
3月22日(金)から24日(日)の3日間、ビッグサイトにて第51回東京MCショーが開催。173社が出展、約14万人が来場した。
みなさん、こんにちは。春の訪れを感じ始めるタイミングで、恒例の大阪と東京での「モーターサイクルショー」が開催となりました。我々にとっては業界関係者との挨拶の場となったりしますが、皆さんにとっても、新しいバイクへの乗り換えやライディングギアやグッズの新調、そしてツーリングの計画を考える契機になるイベントではないかと思います。僕も実は今年岡山へのツーリングを計画していて、この会場でちょうどいいツーリングバッグを発見してしまい、ちょうどいま購入を検討しているところです。
「東京モーターサイクルショー」の初日となる22日(金曜日)だけ、お台場の東京ビッグサイトに行ってきました。金曜日は特別公開日となっており、午前中はメディアなどの関係者が入場可能で、午後からは一般公開というスケジュールでした。午後になると会場は一気に人があふれ、バイクが見えなくなるほど混みあって、ずいぶんと盛況だと感じました。後で発表された来場者数でみると昨年より2割ほど少なくなっていたみたいですが、自分の印象は逆ですね。それだけ熱心なバイクファンが詰めかけていたのかもしれません。
今回のモーターサイクルショーでは、すごく話題となるような新型車もなく、あまりパッとしない内容ではありました。でもレース関係でいえば、スズキが鈴鹿8耐復活参戦というニュースが大きかったですね。
バイオ燃料をはじめ、サスティナブル素材を投入した車両で、7月19日(金)~21日(日)に鈴鹿サーキットで開催される「2024 FIM世界耐久選手権"コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会」に復活参戦する、と鈴木俊宏社長が自らステージに登壇して発表していました。
スズキはこれまでMotoGPとEWC(世界耐久選手権)に長い間挑戦してきていましたが2022年シーズンでの撤退となっています。これまでの参戦ではバイクの売り上げにも結びつかず、経営資源を次世代の開発などに振り分けるという経営的な判断ということでした。
レース活動は続けていくことでマシンも強くなっていくわけで、一度やめてしまうとすぐに元のようにというわけにはいきません。そういう点では残念なことでした。今回の発表では、まず鈴鹿8耐へ復帰ということですが、メーカーが一度撤退を決めたレース活動をもう一度というのは、なかなか難しいことですし、この英断は非常に喜ばしいことですね。
今回は環境対応をしていくための活動の一環という参戦理由を得てのレース活動の再開で、内燃機関を使いながらも、環境にも配慮した技術を高めていくことになるのでしょう。今回の8耐の復活をその始まりとして、EWC、そしてMotoGPへと、日本メーカーとして再び活動を展開していってほしいと切に願います。
面白いバイクも発見しました
注目は、TTRモータース「エフモン」。モンキー125に簡単装着できる外装キット。
「東京モーターサイクルショー」の会場はざっくりひと回りしてみました。その中で今回、個人的に最も注目したのが、TTRモータースさんの「エフモン」でした。
今回のショーでは、ヤマハが往年のレーサーレプリカモデル「RZV500R」と「FZ400R」のカラーリングを施したXSR900GPを登場させましたし、以前からカワサキZ900RS用のローソンレプリカやニンジャ風の外装キットを展開しているドレミコレクションでは、今回はZ1000MkII風にする外装キットが登場しています。こういうところを見ていると、あのバイクブーム全盛の70~80年代を懐かしみながらも現代のバイクライフを堪能する、そんな楽しみ方の提案が近年行われていることに気が付きます。
で、今回チェックしたこの「エフモン」は、ノーマルのモンキー125のタンクの上からかぶせるだけで、モンキーが小さなCB-F風になってしまうという外装キットです。タンクからサイドカバー、テールカウルまでが一体で成形されている外装キットなので、ボルト一本で装着できてしまうというのが最大の売りで、驚くほど手軽にモンキーの印象をガラッと変えることができます。
アンダーカウルやマフラーも欲しくなる出来栄えで、バイクライフが楽しくなりそう。
モンキーのノーマルタンクへのアクセスが気になるところですが、このCB‐F風カウルのタンク部分にある給油キャップ部分は簡単に取り外しができるマグネット式。このダミーの給油キャップを外せばそのままモンキーの給油口が現れる、ということで使い勝手も問題なさそうでした。個人的にはアンダーとマフラーが欲しいところです。できればヨシムラ菅とか入れたら最高ですね。
今年のモーターサイクルショーもバイクライフを楽しもうというライダーにぴったりのショー、でしたね。
ドレミコレクションのZ900RS「Z1000MkII」外装キットも登場。80年代バイクブームと現代バイクライフをどちらも楽しめるアイデア。
参考URL
青木拓磨のモータースポーツチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC6tlPEn5s0OrMCCch-4UCRQ
takuma-gp
http://rentai.takuma-gp.com/
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