愛知県のLean Mobility(リーンモビリティ)社、台湾のLean Mobility Inc.から、新型モビリティ「Lean3」の量産に向けた開発が発表されている。これはフロント2輪、リア1輪のトライクタイプのEVで、2輪車のようにリーンさせることができ、2人まで乗車することが可能だ。

バイクに近い運転特性を持つといえるモビリティだが、開発のベースはトヨタ自動車が2013年に発表したコンセプトモデル。自動車ベースの快適性や安全性と、オートバイの利便性がマッチした次世代の移動手段として、2025年の販売開始が予定されている。

トヨタ自動車「i-ROAD」から発展した量産モデル

「Lean3」はトヨタが2013年のモビリティショーで発表した「i-ROAD」を、量産を見込み改良を進めたモデルだ。トヨタが研究する次世代EVの中でも、特に自動車が持つデッドスペースの削減を解決するために、バイクでは既にヤマハ「トリシティ」などが実現しているフロント2輪のスタイルを採用しているi-ROADは、2014年、2015年にかけて各地で実証実験を行い有用性を確認した。

その後i-ROADの研究を引き継ぎ、2022年に設立されたリーンモビリティ社が実用化に向けて開発を継続。2024年2月には台湾の企業連合の協力も発表され、2025年の台湾市場投入を目標に開発が続いている。台湾での販売を皮切りに、日本、欧州への展開も予定されており、5年目までに5万台以上の生産を見込むという。

エアコン、キャビンを装備し、ステアリングハンドルで運転

Lean3が従来のトライクと異なるポイントは、自動車から発展したモビリティであるという点だ。バイクから発展したトライクは、一部にルーフを備えるモデルもあるが、自動車のような密閉されたキャビンは備えていない。Lean3はトライクのサイズ感で、かつ自動車同様のキャビンを備え、背もたれのついた座席を持つ。操舵も自動車のステアリングホイールをそのまま搭載し、コンパクトな自動車というスタイルは従来のトライクにないものだ。またエアコンも完備している。

このように、車体構成は自動車に近いLean3だが、バイク同様にコーナリング時にはリーンすることが可能。これはGジャイロセンサーによるサスペンションの制御で、車体のリーン角度をコントロールすることで実現されている。パワートレインは後輪のインホイールモーターで、最高速度は60~80km、航続距離は100kmと発表されており、都市部での日常使いには不足のない機能性といえるだろう。

バイクの機動力と自動車の快適さを両立 次世代モビリティの一角となれるか

各メーカーから様々なモデルの研究が発表されている次世代モビリティ。そんな中で量産の近づいたLean3は、バイクの小回りや省スペース性、機動力を持ちつつ、自動車の安全性や快適性も備えており、様々なシチュエーションでの活躍を想像できるものだ。価格や充電時間といったEVにつきもののハードルをクリアすれば、現在のルーフ付きバイク、トライクの立ち位置にとって代わることもあり得るだろう。今後の続報に注目していきたい。

日本&台湾「リーンモビリティ」社から登場のフロント2輪トライクEV「Lean3」量産開発へ ギャラリーへ (8枚)

情報提供元 [ Lean Mobility ]

この記事にいいねする


コメントを残す