愛車を手放すときに高額で売却できれば、次に購入するバイクの予算にも余裕が生まれます。もちろん、高値売却できるバイクの多くには、新車価格も高いなどの理由があるはずで、単純に“儲かった”にはつながらないこともあるはずですが、そうは言っても下世話な話としてとりあえず気になるもの。そこで今回は、年間約1.6万台のユーザー買い取り査定に携わってきたカチエックスに、2023年8月の買取価格ランキング上位機種をお聞きしました!

そもそも……バイクは資産に近い!

購入するときには高額なバイクですが、「じつは手放すときの価格を考えたら意外とリーズナブルな趣味」というのは、よく言われてきた話です。

一例として、同じく個人が購入する乗り物であるクルマと比較してみましょう。近年は、コロナ禍による新車供給の遅延や米国の通称「25年ルール」などに影響を受けた旧型スポーツ車の価格上昇などで、高騰する中古自動車の話題に触れる機会も多いですが、それでも一般的には、クルマはバイクと比べたら寝落ち率が大きい乗り物です。販売価格ベースで考えれば、新車時に300万円だったクルマは、15年も経てば一部のプレミアモデルを除いて30万円程度の中古車になっていることがほとんど。つまり、1/10程度まで販売価格は落ちます。しかしバイクの場合、新車が100万円だった車種が15年で10万円の中古車になるなんてことは、よほどボロボロでない限りまずありません。

乗り物ではなく趣味という基準で考えてもこれは同じ傾向にあり、筆者や釣りもゴルフもたしなみますが、新品購入から15年以上経った釣り竿やリールやゴルフクラブが、バイクのように新品定価の1/3くらいで買い取りされるなんてことは、これまたごく一部の人気メーカー製や廃番人気商品を除けばまずありません。

つまりバイクという趣味の乗り物は、転倒や事故で破損するリスクがあるものの、売却時の買い取り価格が大きく期待できる遊び道具。この事実を、購入時に奥様との交渉に利用してきたベテランライダーも多くいらっしゃるようです。愛車の買取価格ランキングをチェックする前に、大前提として「バイクはリセール価値がある」と認識しておきましょう!

買取価格ランキングを教えてくれたカチエックスとは?

「カチエックス」は、一般バイクユーザーが愛車を売りたいときに、業者との面倒なやり取りやユーザー側の手数料支払いナシで、超簡単に査定と売却決定までの作業ができるインターネットサービス。査定してもらうときは、所有者の情報と車名や年式や走行距離をはじめとする愛車の現状データを入力して、最低6点の写真をアップロードするだけでOK。情報が届いたカチエックスが、所有者の個人情報が業者にわからない状態で出品し、この情報をもとに複数業者が入札します。そして最短で翌日には、入札の最高額をカチエックスがユーザーに通知。査定金額交渉などを経てユーザーが売却に納得できた場合、カチエックスが売買契約を代行し、業者が愛車を引き取り、カチエックスが売却金額を入金してくれます。

これまで年間1.6万台規模で、ユーザーの愛車売却を見てきたカチエックス。現在大躍進中のサービスで、「コロナ禍に突入した2020~2021年あたりは、まだ旧車系の利用ユーザーが比率として少なめでした」とのことですが、それでも「過去には600万円台や400万円台の成約例も……」とのことです。

そこで今回は、もっと新しいデータとして、2023年8月にカチエックスで成約された車両で高額になった例を教えてもらいました。ここにリストアップされた車両を所有していない人には“うらやましいだけ”かもしれませんが、話のネタにぜひどうぞ!

 

カチエックスの買取価格ランキング

第1位 330万円/BMW M1000RR 50 Years M

BMW M社の50周年を記念して、日本では2022年6月に50台限定で販売されたモデル。限定台数を上回った場合には抽選販売というプレミアムモデルでした。新車価格は439万5000円で、この個体は走行距離3000km以下とのことでしたから、この買い取り価格にも納得です。

第2位 313万円/カワサキ Ninja H2


自社製スーパーチャージドエンジンを鋼管トレリスフレームに搭載した異色モデル。初代は2015年型で、当時カワサキの逆輸入車を扱っていたブライトの新車販売価格は270万円でした。この個体はカスタムもされていて、純正パーツもあり、走行距離は100km以下!

第3位 306万円/カワサキ 900Super4(Z1)

言わずと知れた旧車の大人気モデルがZ1。プレミアム相場が、コロナ禍でさらに過熱しました。この個体は、フルオーバーホールされてサビひとつない状態だったとのこと。写真による査定でも、状態が極めて良好であることが明らかで、この価格になったようです。

第4位 303万5000円/ホンダ GoldWing Tour DCT

現行の車体とエンジンを採用したシリーズは、17年ぶりのフルモデルチェンジにより2018年型で誕生。ツアーは上級仕様で、リヤトランクも装備しています。DCT仕様のツアーは、2018年型で331万5600円。走行距離5000km以下というのも評価されたようです。

第5位 276万5000円/カワサキ Ninja H2

第2位にもランクインしたニンジャH2。新車販売の段階で入荷台数が限定的だったことに加え、このシリーズは2021年型のニンジャH2カーボン(新車価格は363万円)を最後に国内での販売が終了されており、これも人気を高める理由になっていると考えられます。

第6位 270万円/ホンダ GoldWing Tour DCT

1833cc水冷水平対向6気筒エンジンを搭載するゴールドウイングの上級版となるDCT仕様のツアーが、第6位にもランクイン。こちらの個体は走行距離1万km以下で、300万円台に到達した5000km以下の第4位車両よりは査定が低めでしたが、大満足のレベルでしょう。

第7位 260万円/ホンダ CBR1000RR-R Fireblade SP

従来型のCBR1000RRから、フルモデルチェンジにより“RR-R”となったのは2020年型。SPは、オーリンズ製の電子制御サスやブレンボ製のフロントブレーキキャリパーなども備える上級版です。最新型でも、新車価格は278万3000円。新車の供給遅延なども影響!?

ランキング11~50位で気になった車種は?

ランキング8~11位には、ハーレーダビッドソンのロードグライド・スペシャルやソフテイル・ブレイクアウト114、ストリートグライドがランクイン。新車価格も高い車両ですが、それと同時にハーレー人気の高さをうかがわせます。

Webike編集部が気になった12~50位としては、まず220万円で第15位となったホンダの「CB1300スーパーフォアSP 30thアニバーサリー」。こちらは2022年10月21日~2023年1月9日までの受注期間限定で発売された、プロジェクトBIG-1の30周年を記念したモデルで、新車価格は206万8000円でした。すでにプレミア価格となっていることが分かります。

第17位にはカワサキの「Z900RS SE」が215万円でランクイン。従来型から一切変更がない2024年型も170万5000円で発売されていますが、人気が高すぎてカワサキプラザ店は抽選販売しており、“買えなかった人たち”による争奪戦で相場は過熱しております。

ちなみにZ900RSシリーズは、第29位に190万円でスタンダード仕様、第36位にも185万円で同じくスタンダード、第48位にも171万3000円で50周年記念車が入っており、相変わらず市場人気が高く新車供給が追いついていないことも分かります。オーナーの皆さんは、今が乗り替えのチャンスかも……。

 

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