
「Z世代にバイクブームを巻き起こす」をテーマに活動する「Neoriders Project」は、首都圏を中心とした現役大学生の団体。学園祭などのイベントでは、バイクにそれほど興味を持たない層にまで積極的にアプローチし、アンケートデータも豊富です。そこで今回は、ライダーおよびノンライダーの現役大学生が、バイクという乗り物をどのように考えているのか聞いてみました!
目次
同じ趣味を持っていても、同調を強要しない
2023年は6名の主要メンバーを中心に活動し、Z世代にバイクブームを巻き起こすことを究極の目標としながら、まだバイクの免許は所持していない“プレライダー”や免許を取得したばかりの“エントリーライダー”をメインターゲットに、バイクライフの第一歩を応援するのが、現役大学生による団体の「Neoriders Project」。かつての大学生によるバイク関連団体は、そのほとんどがツーリングまたはレース参戦を活動の核としていましたが、少なくとも「Neoriders Project」に関してはそうではないようです。
2023年のメンバーは下に紹介しますが、高速道路も通行可能な排気量のバイクに乗っているメンバーでも、“トウペン”さんのように「往復200kmはクルマで行く距離」という人もいれば、「東京と磐梯吾妻スカイラインの往復600kmなら日帰りツーリングが普通ですよね!?」という“じゅーむ”さんのような人も……。さらに、愛車が50ccや125ccで、そもそも軽二輪以上のバイクと一緒にツーリングするのが難しいメンバーもいます。
しかし「Neoriders Project」のメンバーは、同じ活動をしながらバイクでの遊び方が異なるのは、ごく普通のことだと思っているようです。オジさん世代はつい、同じ団体に所属する先輩・後輩関係ともなれば、自分の価値観で他のメンバーにも同じ遊びを強要しがちですが、“多様性”という言葉に慣れ親しんだ現代の若者ライダーたちは、ちょっぴり違っているようです。
2023年の「Neoriders Project」コアメンバー
- トウペン 東京大学 大学院修士2年 ヤマハ・SR400
- じゅーむ 早稲田大学 4年 ホンダ・NM4-02
- まる 東京医科歯科大学 4年 ヤマハ・MT-25
- リッキー 早稲田大学 4年 ホンダスーパーカブ50
- レイ 武蔵野美術大学 2年 スズキ・スウィッシュ
- みやっち 職業能力開発総合大学校 1年 ホンダ・CD50
ノンライダー大学生も、毛嫌いしているわけではない!?
「Neoriders Project」は過去に、東京大学の学園祭である駒場祭で、「バイクに関する意識調査」を大学生に実施。そのとき、「バイクに対して『カッコいいと感じている』とか『乗ってみたい』という声が、想像以上に多くて驚きました」と“トウペン”さんは話します。メンバーによると、「映画やTVドラマ、アニメや漫画でバイクが出てきて、『いいなあ……』と思った人は多数」という。しかし、実際に大学生の世代で二輪免許を取得する人の数は、世代別人口に対する割合を考えても、かつてと比べて減少しています。
これについてメンバーは、「よく言われるように、携帯電話料金などバイク以外のことにお金がかかる時代ということもありますが、周囲にバイク乗りが少ないことも影響していそう」と考えています。というのも「Neoriders Project」は、この駒場祭で「身近にバイク乗りはいますか?」というアンケートも実施。回答者には、大学生だけでなく保護者世代も多くいたようですが、回答結果には明確な差があり、「家族や身近な友人がバイクに乗っているという大学生はごく少数でした」と言います。“トウペン”さんは、「あまりに自分の生活とかけ離れていて、憧れる以前に現実離れした乗り物と思っている若者は少なくないはず……」と分析しています。
つまり、若者からみたらオジさんライダーは、“生態がよくわからない希少種”のようなもの。1人のライダーがカッコ悪く思われたら、すべてのライダーがカッコ悪い生き物だと認識されてしまうかもしれません。すべてのベテランライダーが、行動や振る舞いには気をつけたいところです。
若者ライダーは“ビビリ”が多い!?
現代大学生の多くがバイクと接点が極めて少ない生活を送ってきた一方、「Neoriders Project」のメンバーは全員がバイク乗り。そのきっかけは、「大学が駅から遠く不便で通学の足が欲しかったから」とか、「クルマ好きから発展して」、あるいは数少ない例として「友人が乗っていて楽しそうだったから」など、さまざまです。しかし「Neoriders Project」の活動による検証では、若者ライダーの一般的な特徴として、「親がバイク乗りという率が極めて高い」そうです。
また、メンバーの中には自分たちよりもだいぶ世代が上のライダーたちとツーリングやミーティングなどで接してきた人もいて、それらの経験も踏まえ、「若者ライダーは安全意識が高め」と話します。そしてその理由を、「SNSやYouTubeでバイクに関する情報を得ている人が多いから」と分析しています。これらの世界で活動している、いわゆるインフルエンサーのようなライダーたちは、炎上を避けるため過激な発言や行動をアップロードすることは好みません。もちろんこれは、雑誌やウェブなどの二輪メディアも同じなのですが、「より身近に感じられる人たちが、プロテクターの装着や安全運転を訴えることで、自然と受け入れる傾向にあるのかも」とのこと。また、ドライブレコーダーの普及とSNSやYouTubeの浸透で、現代は事故の映像に触れる機会がとても増えています。それらのことも、「若いライダーたちを“ビビリ”にしている要因では?」と話します。
とはいえ、もちろん「安全意識が高い」というのは、とてもよいこと。若いライダーと一緒に走る機会があるオジさんライダーは、自分たちの走りを強要せず、安全に走りたい若者たちに合わせたペースづくりを心がけたいところです。
「危険だから憧れる」はもう古い!
我々オジさんライダーから上の世代には、バイクというのはカラダがむき出しで乗り、しかも速く走ることができる、ちょっと危ない乗り物であり、だからこそカッコいい……なんて考え方をする人は多くいました。あるいは、“3ない運動”を筆頭にバイクは世間からあまり肯定されていない乗り物であり、だからこそ乗るのはカッコいいなんてロジックも……。しかし「Neoriders Project」のメンバーたちによると、「たしかに田舎に住んでいた高校生時代には、そういう友だちもいたかも」と“じゅーむ”さんが回想する一方で、全員が「自分たちとしては、その考え方はまったく理解できない!」と言います。
「カッコいいから乗りたい」という思考回路は、もちろん現在も健在。しかし「現代の大学生たちは、危ないからカッコいいという考え方にはならず、危ないと思ったら乗らないはず……」と“トウペン”さん。現役大学生ライダーの安全意識が高いのは、このようなことも影響しているのかもしれません。
またそのような背景から、映画やTVドラマやアニメなどの作品を通じてバイクに興味を持った人も、影響を受けたのは映画「ミッション:インポッシブル」シリーズなどのド派手なアクションシーンではなく、アニメや実写版の「ゆるキャン△」やTVアニメの「スーパーカブ」などのことが多いようです。
ヤンチャしてきたオジさんライダーたちはつい、「この間、高速道路で〇km/hまで引っ張ったときにさあ……」とか、「峠で遅いバイクをごぼう抜きしてさあ……」なんて、まるで武勇伝かのように語りがち。でもその話、若いライダーたちには「意味不明……」とか「ダサっ……」なんて思われているかもしれませんよ!
「ライダーはモテる」は、今も昔も幻想か……
ところで、オジさん世代のライダーには、若い頃に「バイクに乗ればモテるはず!」となぜか思い込んで免許を取得し、バイクにそんな魔法のような効果がないことを、その後の人生で思い知った人も多いはず。オジさん世代の映画や漫画に登場するバイクに乗った主人公は、そのほとんどがカッコいい存在で、“いいオンナ”を連れていたのだから、そう思い込むのも無理はありません。では、現代の大学生たちはどうなのでしょう?
「Neoriders Project」のメンバーたちは、「女子大生と接する機会もそれなりにありますが、バイクに乗っているからモテたなんて経験は皆無!」と笑います。ちなみにリアルな話としては、「クルマを持っている人のほうが、圧倒的にウケがいい!」とのこと。「例えば友人の女子大生に『タンデムしてみる?』なんて聞いても、ほとんど嫌がられますよ」と、あるメンバーは話していました。大学生の“モテツール”として、バイクよりクルマが圧倒的に上というのは、オジさんライダー世代から変わっていないようです。
というわけで今回は、「Neoriders Project」が活動で得たアンケートや経験をもとに、現代大学生とバイクの関係性について分析し、オジさん世代が若いライダーに受け入れてもらうための振る舞いについても推察しました(すべてのオジさんライダーが、若い世代に嫌われる行動をしているということではありません)。
もちろん、若い世代でバイクに乗っているのは大学生ばかりではありませんし、現役大学生の中にもサークル単位で積極的にレース活動をしている人たちや、ツーリングに明け暮れている人もいます。「Neoriders Project」のメンバーが現役大学生ライダーの“スタンダード”とは限りませんが、バイクや人生のベテランが、若いライダーたちのことを知るひとつのきっかけになれば幸いです。
「Neoriders Project」の今後のイベント出展予定
イベント1.ウェビック フェスティバル 2023
ブース出展のほか、ステージトークショーも予定しています。新たな時代を担う大学生ライダーたちのリアルトークにも、ぜひ注目してみてください!
日時:9月9日(土) 9時~16時
場所:茨城空港(茨城県小美玉市与沢1601-55)
https://www.webike.net/special/festival2023/
イベント2. 早稲田大学 早稲田祭2023
日本最大級の学園祭である早稲田祭に出展し、車両展示やバイク相談会を行う予定です。
日時:11月4日(土)、5日(日)
場所:早稲田大学 早稲田キャンパス・戸山キャンパス
https://wasedasai.github.io/2023-official/pages/greet.html
この記事にいいねする
とりあえず、おっさんライダーは定期的にジャケットなど装備を買い換えろ。
なんか、この手の記事って、誇張や歪曲しすぎ。
バイクが危険だから憧れるとか、どんな中二病だよって感じ。そんな考えでバイクに乗ろうと思ってるオジサンなんて全体の何パーセント居るの?私は今まで若い頃を含め見たことありません。
それをオジサンの常の様に語るのは支障事実の歪曲でしかなく。。。
極端な表現の為の誇張や歪曲、もう飽き飽きです。
いくらベテランでもボロボロのKUSHITANIやYELLOW CORNの
ジャンパー、ジャケットを着続け
ると、本人はベテランの武勇伝化
と考えてるかもしれないが若い
人には受けないね。バイクヤロウって
そんな汚い感じか?と思われる。
男女もと清潔と爽やかが一番ですよ。
気をつけないとね(笑)
茨城19じゃなくて9日じゃない?
バイク乗りでも、色々あるよね。
仕事の足として乗ってる人。
メカや歴史好きで磨いて眺めて楽しんでる人。
人と競いたくてレースしたりその真似事してる人。
自分と違うからと言って、別にその人を否定しなくてもいいし、何が良いのか?人それぞれだから、自分に近い共感出来る人と付き合えば良いと思う。
大事なのは、迷惑かけない事。
自分の"好き"を、人に強要してはダメですよ。
それは嫌われます。
年齢や性別に関係なく、バイク乗りが嫌いな人が増えて欲しくないのは、バイク好きなら判って貰えると思う。