
ヤマハの大型スポーツスクーター「TMAX560」は、排気量や装備を変えながら20年以上のロングセラーとなる大ヒットモデル。2022年モデルでは軽量ホイール、バックレストなどの装備に加え、カラーディスプレイのフル液晶メーターを装備! スマホ連携機能も採用しており、ナビ画面をメーターに表示することもできる。
ところがこのスマホ連携機能、音楽や通話は問題ないのだが、現在(2023年8月現在)ナビゲーションが調子が悪い。筆者のスマホ(iPhone 13)では接続エラーが起きてしまう。ところが、ちょっとした方法でこのナビのエラーを解決できることがわかった! この問題に悩んでいるTMAX560オーナーは是非知ってほしい小ワザを紹介したい。
ハイエンドスポーツスクーターの雄らしく、最新装備フル装備のTMAX560
2001年に発売されたTMAXから、モデルチェンジで排気量アップを重ね、2020年には561ccのエンジンを獲得したTMAX560。2022年のモデルチェンジでは、最新排ガス規制をクリアした水冷直列2気筒DOHCのエンジンを積み、スクーターの域を超えた運動能力を発揮。さらにスタイルはシャープになり、軽量ホイールとアジャスト式バックレストを採用。上位バリエーションのTMAX560 TECH MAX(テックマックス)には、これに加えてグリップヒーターやシートヒーター、クルーズコントロールや電動調整式フロントスクリーンも備える。

2022年にモデルチェンジしたTMAX560は、よりスポーティなスタイリングに進化。軽量ホイールや位置のアジャストが可能なバックレストを新装備。

旧モデルからの大きな変更点は7インチのフルカラーTFT液晶メーターとスマホ連携システムだ。基本画面はシングルメーター風の速度/回転数表示だが、ここにナビ表示ができるのだ。
スマホ連携はBluetoothでOK、ところがナビは謎の「接続エラー」頻発で使えない?
2022年に採用された装備の目玉が、7インチのフルカラーTFT液晶メーターだ。さらにスマートフォンにアプリ「MyRide-Link」をインストールすることで、通話やメッセージの受信チェック、音楽再生や天気予報などの情報を表示することができる。またUSBソケットを使った有線接続をすれば、ヤマハとアメリカのGPS機器メーカー・ガーミンが共同開発した「Garmin Motorize」アプリを使用し、ナビゲーション画面をモニターに映すことも可能なのだ。
※着信と音楽再生は「MyRide-Link」アプリを使用せず、Bluetooth接続のみでも利用可能。

ヤマハのアプリ「MyRide-Link」を使用し、メーターへ再生中の音楽や天気予報を表示することができる。これはBluetoothによる無線接続でOK。

ナビの使用には別アプリ「Garmin Motorize」をインストールし、かつUSBソケットへスマホを有線接続する必要がある。これは地図データをインストール中の画面だ。
ツーリングや通勤の強い味方になるこの機能、筆者も期待していたのだが、筆者のiPhone 13はどういうわけか、Bluetoothでの接続はできるものの、有線接続に難あり。「接続エラー」が出てしまい、うまく接続ができないのだ。対処法として「BluetoothをONにしてください」とか「APPを再起動してください」などのトラブルシューティングも表示されるのだが、いずれの方法でも解決することができなかった。
これは何かおかしいということで、ヤマハの公式サイトを見てみると、「【注意】一部機種で接続エラーが確認されています。接続エラーが確認されたスマートフォン(iPhone12, iPhone13, iPhone14)」という注意書きを発見。どうやら一部のiPhoneシリーズで問題があり、有線接続ができないようだ……。

有線接続して「Garmin Motorize」を使おうとしたところ、写真のようなエラーが発生し操作できない。これではナビが使えない!
USBハブを中継すると解決! ナビが使えた
ということでせっかくの新機能を使いこなせずにいたところ、「USBポートにハブを中継すれば接続エラーが出ない」という話をWebike販売店営業担当者から耳にしたので、実際に試してみた。するとアッサリ接続に成功! これでナビゲーション画面を表示することができるようになった。スマートフォン関連機器の多くには、USB接続時の過電流・過電圧を検知して動作を停止する機能があり、ハブを中継することで安定動作ができるようだ。
ヤマハは、TMAX560と同様のコネクト機能を備えた機種を増やしており、7月7日から予約受付を開始した2023年型NIKENにも導入されている。こちらも同じ方法でナビゲーション機能が使用可能だ。

USBハブはUSBケーブルを分岐させるもので、家電量販店やネットで購入可能。これは500円以下で購入したもの。

使い方は、車体のポートにハブを差し込み、そこにスマホ側のケーブルを接続する……だけ!

するとさっきまでのエラーはまったく発生せず、スムーズに接続が完了。「Garmin Motorize」が起動し、ナビの表示に成功した。

ナビ画面は液晶全体に表示され、とても快適で見やすい。それに、やっぱりフルに機能を使えるというのは嬉しい!
TMAXオーナー(かつ、iPhone12、13、14のユーザー)で、接続エラーのせいでナビ利用をあきらめてしまっている場合、ちょっとしたことでフルに機能を使えるようになるかもしれない。USBハブはとても安価で小さく購入のハードルは低いので、ぜひ一度試してみてほしいワザだ。
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