
ドレミコレクションと日本立体が3年の歳月かけて構想・製作してきた陸軍三式戦闘機「飛燕」をWebike Festival 2023で初公開。これは、ドレミコレクションが2017年に入手した実機を基に精細に複製したもの。カワサキの名機を目に焼き付けよう!
ドレミコレクションが「飛燕」をリビルト
カワサキ・Z1を始めとする絶版車のパーツ販売で知られるドレミコレクションが、Webike Festival 2023で展示予定の「飛燕」は、第二次世界大戦で使われた戦闘機の名称。開発から生産までカワサキが手がけたもので、その技術力が単車事業に発展したのは有名な話だ。
ドレミコレクションの武浩(たけ ひろし)社長は、2017年にオーストラリアのコレクターがヤフーオークションに出品した「飛燕」を1500万円で落札。機体は「飛燕」キ61-I甲と見られる最初期型で、希少な実機を基に精細に複製した模型を日本立体と製作した。
武社長は、Z1のレストアやリビルトパーツ開発で培った技術を活かし、当初は実機をレストアする考えだったという。しかし、弾痕が生々しく残る実機は歴史の語り部として残し、レプリカを製作することで生産当時の姿を現代に蘇らせることにしたのだ。
複製の「飛燕」キ61-I甲は、構想1年、製作期間2年の歳月を経てついに完成。機体は茨城県小美玉市の日本立体から、今後はドレミコレクション本社がある岡山県倉敷市に移され展示予定だ。Webike Festival 2023での「飛燕」展示は、関東で見られる唯一の機会だろう。
カワサキバイクの原点「飛燕」を見に、ぜひ茨城空港へ! 遠方の方は、航空便での来場もご検討を。※天候不良の場合は展示を見送る場合があります。

完成に近づくドレミコレクションと日本立体による「飛燕」キ61-I甲の複製プロジェクト。実機とともに原寸大模型が語り部となり、戦争の歴史を後世に伝えていく。
陸軍三式戦闘機「飛燕」はカワサキの原点
「飛燕」は第二次大戦における日本の戦闘機で唯一の液冷エンジン搭載機として知られている。液冷とはバイクでは水冷にあたるメカニズムで、カワサキはパイオニア的存在。ダイムラーベンツ社のDB601エンジンを、発動機「ハ40」として川崎航空機が国産化したのだ。
液冷のメリットは前面投影面積を削減できるV型12気筒エンジンを搭載できたことで、空冷星型エンジンに比べて空気抵抗が少なく、かつ出力も上回っていた。これをカワサキ独自の機体「キ61」に搭載し、高速性能を重視した戦闘機に仕上げている。
「飛燕」で発揮された技術と最速へのこだわりはカワサキの原点。2016年には創立120周年事業の一環として、カワサキ自ら「飛燕」の実機をレストアしたのは記憶に新しい。この後期生産の「飛燕」キ61-II改は、「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」で展示されている。
そして今、ドレミコレクションがキ61-I甲を里帰りさせることで、日本に一型/二型の実機が揃うことになった。近代化産業遺産にも認定された「飛燕」の原型と言える一型は、資料的にも価値が高いだろう。先人たちの空にかけた情熱に思いを馳せたい。

「飛燕」キ61-I甲は、昭和18年(1943年)6月に陸軍3式戦闘機として採用された。これ以前にも液冷の92式戦闘機(1932年)を開発するなどカワサキは水冷エンジンを追求していた。

カワサキが修復した「飛燕」キ61-II改は、二型の改良版でエンジンは出力向上版であるハ140を搭載し、終戦近くの本土防衛を担った。これが「飛燕」の最終型で当時は日本に残る唯一の実機だった。




ウェビック フェスティバル 2023開催概要
開催日程:2023年9月9日(土)
開催時間:9:00~16:00
開催場所:茨城空港・第三駐車場
茨城県小美玉市与沢1601-55
入場料:無料
主催:株式会社リバークレイン
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外板の出来が素晴らしい。無塗装だから凸凹をパテで埋めることが出来ないんだよな。