ヤマハが「人とくるまのテクノロジー展 2023」でMT-09の並列3気筒を活用した発電エンジンを公開した。ヤマハは陸・海だけでなくすでに産業用無人ヘリコプターで空へ進出しているが、さらに有人飛行に対応した動力源の開発に着手している。ホンダジェットに続く空のモビリティの事業化なるか?

2022年にはスノーモービルのエンジンで飛行に成功

6月末にスノーモービル事業からの撤退を発表したヤマハだが、現在新たな事業に着手している。その一つが「αlive(アライヴ)」だ。新しいモビリティ体験を実現する製品と技術とされ、モーターや水素エンジンなど次世代モビリティに特化した試みだ。

ここで紹介するのは、αlive RX(アライヴRX)でレシプロエンジンを使った発電ユニット。並列3気筒のガソリンエンジンで見ての通りMT-09をベースにしている。排気量や出力もMT-09と一致しており、カーボンニュートラル燃料の使用も想定している。

アライヴRXの出力は88kW(120PS)で発電電力は80kWとされる。これを有人ドローンに搭載しモーターへ電力を供給、約2時間の飛行が可能になる。現状、機体の開発はヤマハでは行わず、機体を開発する企業へアライヴRXを供給する体制を想定しているという。

ヤマハは、2022年9月に新明和工業所有のセスナ機にヤマハ製500ccエンジンを搭載し、初期飛行試験を実施している。ヤマハと新明和工業は2021年から小型航空機に関する共同研究を進めており、将来的には航空機を手がける同社と有人ドローンを開発する可能性が高いだろう。

αlive RX [YAMAHA] MT-09の並列3気筒ユニットを使った発電機のコンセプトモデル。クランクケース後方スペースに出力300Vのジェネレーターを装備している。

MT-09 [YAMAHA] こちらはベースのMT-09エンジン。2021年にリニューアルした888ccユニットで出力はアライヴRXと同じ88kW(120PS)。ケースより上はアライヴRXに流用されている。

アライヴRXの乗用ドローン搭載イメージ。前席足元にあるバッテリーで蓄電し4つのプロペラに給電する。後席後方のアライヴRXが燃料で発電することで航続距離を伸ばす。

XU-L [新明和工業] 新明和工業の所有する研究開発用航空機。これにスノーモービル用の500ccエンジンを搭載して飛行した。試験の目的は自動航行技術の確立と言われている。

UX-Lに搭載されたヤマハ製エンジンは水冷4ストローク並列2気筒499cc。ベンチャーマルチパーパスというスノーモービルに使われていたもの。

MT-09 [YAMAHA] MT-09のエンジンをアライヴRXに使ったのは、なるべくバイクの技術を使うという方針からとなる。スノーモービル事業撤退は既定路線だったのだろう。

アライヴRX主要諸元

エンジン定格出力:88kW(120PS)
発電電力:80kW
仕様燃料:ガソリン、次世代CN燃料(e-fuel、バイオ燃料等)
供給電力:300V

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