オートバイ議員連盟は、バイク好きの国会議員からなる団体で、二輪車にまつわる利用環境の改善に大きな力を発揮してきた。

このたび、日本維新の会のオートバイ議連が二輪関連団体にヒアリングを実施。原付1種の枠組みを変える取り組みをはじめ、二輪用ETC助成、胸部プロテクターなどなど様々な要望が伝えられた! 様々な問題の最新状況と合わせて詳細をお届けしたい。


原付免許制度の見直しに関し、冒頭から発言が!

国会議員によるオートバイ議員連盟と言えば、自民党が有名だが、公明党などにも議連がある。このたび「日本維新の会」のオートバイ議連が6月13日、「二輪関係諸団体政策要望ヒアリング」を参議院議員会館で行った。

日本維新の会オートバイ議連が会合、原付区分や高速料金などの問題解決に向けて動くか?

日本維新の会に所属するバイク好きの議員で構成されるオートバイ議連が、二輪関連団体からバイクに関する現状の問題についてヒアリングを行った。



日本維新の会オートバイ議連が会合、原付区分や高速料金などの問題解決に向けて動くか?

日本維新の会オートバイ議連の石井章事務局長(左)と高木かおり幹事長代理。高木氏はこれから免許を取りたいと語っていた。


同議連は、日本維新の会代表を務める衆院議員、馬場伸幸氏が会長。副会長は浅田均、鈴木宗男、遠藤敬、藤田文武の各氏が務める。

この日は会長が欠席し、議連事務局長の石井章氏と幹事長代理の高木かおり氏が進行役を担当。計14名の国会議員が参加した。

バイクを取り巻く環境には様々な課題があるが、これを二輪関連団体から吸い上げ、政策とするべく検討していくのがヒアリングの目的だ。

まず石井事務局長が冒頭の挨拶で「免許制度のあり方そのものがおかしいだろうということで、50ccが乗れなくなってしまう。2025年には50ccが廃止されることもありえる」と発言した。これは2025年10月末、50cc(原付一種)クラスに適用される令和2年排出ガス規制を受けてのもので、現状では実質的に規制クリアが難しく、コストがかかるため、“絶滅”の恐れがありえる。

そこで昨年、国内バイクメーカーが所属する日本自動車工業会らが新たな提案を行った。原付一種の枠組みを現在の排気量ではなく、最高出力4kW以下(5.4ps以下)で区分するというものだ。

日本維新の会でも原付に関する問題をしっかり認識してくれていたのは心強い。

なお情報筋によると、この夏頃に実車による試験を行うほか、乗車するライダーの技量や年齢層を想定して安全性に関する試験を行うという。今後も原付を存続させるべく、既に動いているのだ。



日本維新の会オートバイ議連が会合、原付区分や高速料金などの問題解決に向けて動くか?

50cc以下の原付は、免許取得が容易で16歳から取得可能。特に地方では貴重な足となっている。


無理な電動化ではなく、内燃機関のエコさを再認識すべき

日本維新の会オートバイ議連が会合、原付区分や高速料金などの問題解決に向けて動くか?

現状説明を行うオートバイ政治連盟の吉田純一会長。長年、二輪環境改善に向けて尽力してきた方だ。



日本維新の会オートバイ議連が会合、原付区分や高速料金などの問題解決に向けて動くか?

全国オートバイ協同組合連合会(AJ)の大村直幸会長。全国の二輪販売店が加盟しており、長らく政治活動を行ってきた団体だ。



日本維新の会オートバイ議連が会合、原付区分や高速料金などの問題解決に向けて動くか?

全国二輪車用品連合会(JMCA)の松原弘代表理事。二輪用品メーカーなどから構成され、政府認証マフラーの認定も行う。松原氏はRSタイチの社長だ。


各二輪団体の代表が簡単な現状説明をした後、AJから「ガソリンエンジン」「高速料金」「二輪用ETC購入助成」に関する要望があった。

まず「ガソリンエンジン」について。日本国内の二輪車保有台数は1000万台以上あり、その半分弱を占め、最も多いのが50ccクラス。この保有台数が年々減少しているという。

政府としては将来的に四輪のガソリン車を廃止し、EV化を目指す方針だが、バイクに関してはそのような方針はない。特に原付に関しては、ガソリンエンジンを採用しながら排ガスはミニマムであり、材料や加工も少ない。つまり資源採取から廃棄までトータルで考えたライフサイクルアセスメント(LCA)を考えれば、電動車より断然エコであり、電動車に比べて性能も高い。そのため、バイクに関してはガソリン車廃止の方針を打ち出さないよう要望した。



日本維新の会オートバイ議連が会合、原付区分や高速料金などの問題解決に向けて動くか?

電動バイクは排ガスがキレイだが、資源採取から生産、廃棄のほか、発電システムまで考えると必ずしもエコではない。ガソリンエンジンのバイクを廃止して、電動バイク一本に切り替えるのはいかがなものか?


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