
保舵力の変化は脱出への移行に繋がっていく
前回、2次旋回での保舵力に触れたのは、この先、脱出に移行していく当たり、その変化が一つのポイントになるからです。うまく2次旋回において押し舵傾向が弱くなっていくとします。すると、その極端な状態として、2次旋回終盤に保舵力は0に近付くことになります。それは自動操舵機能(セルフステア)を目一杯生かすことを意味します。
そのために身体の重心移動がさらに進行しないといけないことはともかく、これによって、さらに旋回性を高めながらもマシンを起こしていくという状況が生まれます。そして、これがコーナー脱出へと繋がっていくのです。ここで私は脱出への過渡期を2.5次旋回と呼ぶことにしています。
と、こうしたコラム展開を目論んでいたのですが、残念なことをお伝えしなくてはいけません。この「Webライディングを科学する」が今回で打ち切りとなるため、ここで一旦、まとめる内容とさせていただきたいのです。
サーキット走行の基本は公道での安全にも通じる
ここまで、コーナリングを1.0次、1.5次、2次に分解して(先程、2.5次も加わりましたが)説明してきました。でも、これはサーキット走行に特化したことで、公道走行とは別次元のことと思っている人も少なくないのではないでしょうか。
実は、決してそんなことはないのです。1.0次、1.5次、2次はそれぞれ、See-Judge-Act(認知、判断、実行)に相当する所作でもあるのです。そもそもSee-Judge-Actとは、カトリックにおける行動規範を説く言葉として生まれてきた言葉だそうです。それが現在では、サッカーにおけるプレーの基本プロセスとして説かれていますし、もちろん、自動車運転の基本行動としても知られています。
バイクでのコーナリングでも同じです。ワインディングでコーナーを認知してから寝かし込みポイントでいきなり気合一発というのはいただけません。寝かし込みポイントでしっかり判断し、安全を確信してから寝かし込まなければいけないのです。
コーナー手前でその先を見る(認知する)には、頭もその方向に動きます。それも体幹運動としてしっかりこなすには、腰(骨盤)の旋回方向に向いての動きが先行することになります。つまり、これが1.0次旋回に相当するのです。そして、そこから確信を持つための判断をするには、間というかタメが必要です。1.5次旋回で文字通り、1歩待って判断してから、2.0次旋回で実行、コーナーに飛び込むというわけです。
まさしく、See-Judge-Actは公道においてもコーナリングの鉄則としていいはずです。
コーナリングでの一連の動作はDNAに刷り込まれている
さて、コーナリングが1.0次-1.5次-2.0次-2.5次-脱出と続いていくとしたら、どう思われるでしょうか。おそらく複雑で身体が対処しきれないとお考えの人も多いことでしょう。でも、動物的センスのあるライダーは、それを大して練習もせずに、いきなりこなしてしまうのです。この事実は、ライディングが人間に生まれつき備わっている身体操作で成り立っていることを意味します。
このシリーズのVol.1で、「ライディングを科学する」こと、それ即ち「バイクを科学する」こととしたのは、そのことでもあるのです。その核心に迫ることなくシリーズを終了するのは大変に残念ではありますが、またきっとどこかでお会いしたいと思います。応援してくださった読者の方々に感謝しつつ、ひとまず筆を置かせていただきます。
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私は和歌山さんの、文章を読ませて頂き内容の深さに、魅せられ、勉強させて頂いて居ます。今の。シリーズは人間工学の、分野から身体、機能の、分析も、的確に説明していました。学ぼうとする人間に、取って、コラムを読みながら身体機能を再認識しながら、なる程と、改めて納得させて頂きました。前のシリーズは、タイヤ、オートバイの、各細かな分野のお話など、興味深く、知識として、非常に、役に立ってます。コラム、は、読み手は、知識が本物の、ため、かなり、高度な、理解力が、要求される、読み手も、真剣に、勉強させて貰い、そこが、このオートバイ業界の、高度差を、和歌山さんは、常に、引き上げて居た、と、痛感します。向上心が、読手に反映されて、いた事は、間違いありません。随分知識を学ばせて、もらいました。器の、広さは、、第一人者として、トップを、維持しています。勿論の事、又専門誌等に和歌山さんが、登場して居ると、本、自体が、ビシッと締まる。それは、不思議な程、感じます。是非、必ずコラム再開を望んて居ます。和歌山さんが、不在では、賑わいが欠け、香が、抜けたスパイスの、様な、物。和歌山さんは、この業界に無くては、ならぬ人物、です。一日も早く復帰を願って居ます。
今回で、一旦終了は寂しい気持が、していますが、、和歌山さんは、世界トップに躍り出た研究者の多くいる国、インドに懇願され、重要な指導者として専用の部屋も用意され、年数回、インドのオートバイメーカに出張されて居ると、お聴きしました。日本人として、誇りに思う次第です。和歌山さんも、さぞやり甲斐があることでしょう益々のご活躍期待します。あれ程細かな文章のコラム、は、和歌山さんの多忙さか、判明し少しお休みされたらいいのかもしれませんね。個人的に納得しています。
今回が終わりなのがとても残念です。
視聴率みたいな物があるんでしょうか?
最近のライダーは、あまりライテクには興味ないのかもしれないですね。
最近は、雑誌などでも和歌山さんの記事をみかける事が少なくなったような気もします。
私は、バイクを買うときはいつも和歌山さんの試乗記事を一番に参考にしています。それは記事が技術面、感覚面から分かりやすく解説されているからです。
また購入後に、自分で感じたインプレが和歌山さんのインプレと共感できるからでもあります。
的確なインプレを記事されるジャーナリストって意外と少ないと思います。
和歌山さん、これからもご活躍お願いします。
ライディングは科学であり,自動車工学の一分野である。
これまで,ヤマハを含むバイクメーカーは,サーキットライダーが解説するライテクが物理に基づかないことを知りつつも,
解説者のバイク界での影響力に忖度して,その誤りを是正してこなかった。
その結果,怪しげな迷信ライテクが蔓延し,これを信じたライダーの単独事故が絶えない。
解説者とバイクメーカーの責任は軽くない。
VOL11までは,筋肉,整体の話とレースの実況ばかりで,実のあるライテクは無かった。
webikeが連載を打ち切ったような言いぶりだが,もしそうなら,最終回はこれまでの疑義に対して反論を述べるだろうが,これもない。
これでは,氏を信奉してきたライダーたちも困惑するだろう。
例えていえば,子供に「裸だ!」と指摘されて我に返った王様とその取り巻き連中みたいだ。
この企画で,氏のライテクが不確実なものであると世間に知らしめたまま終われば,後味の悪い結末になるので,掲載を続けてほしい。
今回のコラムで,和歌山ライテクの本質が次々と明らかになった。
たとえば「1.5次旋回は、遠心力を抜重させて、舵角を入れて向きを変える部分になります。」(VoL10)
抜重とは「バイクに力を加えずに抜くことで,体重計の上ですっとしゃがむと体重が減るのと同じ原理」だという(ライディングの科学P30)。
力や重さを消し去ることができると考えている点だけみても,運動力学に無知だとわかる。
接地感(VoL12)でも間違いがボロボロ指摘された。これ以上喋るとこれまでの○○がばれそうだから,裸の王様は連載をやめるのだろう。
匿名の方がデタラメ書いてます。間違って居るのは、その匿名の人。
業界に居る人間なら解ります。認識操作はやめて下さい。
自分のコメは速攻削除されるのに、誹謗中傷と言ってもいい様なコメが削除されへんのはなんでやろ?
なんかNGワード使ってしまってるんかなぁ?(;´Д`)或いは匿名業界人さんへの忖度?
まぁ「鈴木より。」さんが書いておられるように、業界の方、いや一般の方も、そして和歌山さんに共感されてる方だけでなく意見を異にする方でも、過去からの一連の書込み(お一人で書込まれてるのか協力者もおられて複数で書込まれてるのかは存じませんが)を読んだら異常だと思うでしょう。
また削除されたら立ち直れなくなる(T-T)ので(笑)これぐらいにしときます。
MATzさん、貴方仰る通りです。誹謗中傷する匿名を削除すべきです。余りに理不尽の為私も真実を投稿致しました。しかし和歌山さんは、投稿に有るように今や世界的飛躍して居るインドに、定期的に指導者として必要とされている様子、凄い事です。正に本田さんが、世界一に成れとの言葉を、思い出します。正直コラム、どころではありませんね。
和歌山さんのコラムが終わるのを聞いて残念でなりません。いつも楽しみにしていました。
オートバイ関連のジャーナリストの中で、私は和歌山さんの記事が一番信頼できるし納得できます。おそらく科学的な考察から説明されているからだと思います。
一部の人はこの理論が理解できないから誹謗中傷のような書き込みをされるのだと思います。文章を読む力を養うべきですね。
確かに和歌山さんの記事は理解するにはじっくり読み込む必要がありますが、日本語の文章をちゃんと理解できる人なら和歌山さんの仰りたいことが頭に入り理解し普段の自分のライディングを思い出しながらイメージできるはずです。
またどこかで和歌山さんのコラムが復活することを祈っています。
おっしゃる通りです