文/沼尾宏明、写真/Webike
※当記事は2022年4月14日に「ベストカーWeb」に掲載されたものです。


バイクブームに加え、二輪車定率割引も開始され、ますますバイクの人気に拍車がかかりそうな昨今。しかし、2021年は50代以上のバイク事故が大幅に増加していることが判明した。

首都高でも前年から「バイクの死亡事故が5倍に増えた」と警鐘を鳴らす。

16年ぶりに二輪死傷者が増加! “高速半額”で事故増を危ぶむ声も

当webで既報のとおり「二輪車定率割引」が4月2日から開始された。ETC限定で土日祝日に適用され、一回の走行で100km以上などの条件を満たせば料金が「普通車の半額」になる割引だ。複雑な条件があり、ライダーから不満の声はあるものの、歓迎する声も多い。何より「いつでもどこでも普通車の半額」という次のステップに向けて一歩を踏み出したことになる。

二輪車定率割引が今年のゴールデンウィーク(4月28日~5月8日)に適用されることになったのも朗報だ。既存の休日割引は、ゴールデンウィークなどの混雑期に除外され、クルマは割引を受けられないが、二輪車定率割引は適用が決定。これキッカケに利用者が増えれば、より利用しやすい制度に改善される可能性が高まるだろう。

こうした状況に対し、二輪事故の増加を懸念する声も一部にある。

2022年3月に警察庁がまとめた「令和3年中の交通事故の発生状況」によると、「原付乗車中」、「自動車乗車中」、「歩行中」、「その他」のカテゴリーで大幅減となる中、自動二輪乗車中(51cc以上)の死傷者数は前年から236人増の2万3437人(1%増)。手元にある過去の統計を遡ったところ2005年以来、年々減少していたが、少なくとも16年ぶりに増加に転じてしまった。

2021年は自動二輪(51cc以上)と自転車のみ死傷者が増加する結果に。
※「令和3年中の交通事故の発生状況」より抜粋


多くの年代で減少する中、オヤジ世代は死者数も増加している

より詳しく状況を見てみると、自動二輪の死傷者で増加率が最も多かった年代が70~74歳。+69人の大幅増で409人(20.3%増)だった。

増加数では50代以上が目立つ。50~54歳が最多の256人増(2676人 10.6%増)。これに55~59歳の114人増が続き、50代だけで370人も増加してしまった。なお、60~64歳は62人増、65~69歳は76人増で、60代の死傷者も多い。

死傷者数自体は20~24歳の3078人が最多だが、44歳以下は軒並み減少傾向。とりわけ50代以上が大幅に増加しているのだ。

重傷者数については、前述のカテゴリーで唯一、自動二輪乗車中のみ増加し、11人増の4192人に。ここでも50代以上のオヤジ世代が際立つ。重傷者が最も多いのが50~54歳の549人で、前年から95人も増加(20.9%増)。55~59歳は21人増の397人だった。増加率では70~74歳の28.8%増(23人増の103人)が最も多い。

なお、自動二輪乗車中の死者数に関しては、前年の385人に対し、332人と減少したが、こちらでも目立つのはオヤジ。40~44歳の14人増(31人)を筆頭に、60~64歳の12人増(31人)が続く。30~34歳が2人増(21人)となったほかは全年代で減少している。

45~74歳までの全世代で前年より増加。
特にリターンライダーが多そうな50代は大幅増となってしまった 
※15歳未満は割愛


コロナ禍のバイク人気で乗り始めたリターンライダーが事故に?

この数年よく言われることだが、50代以上のバイク事故が増えた原因は、リターンライダーによるものと予想される。1980年代の若い頃バイクに乗っていたが、就職や結婚などを機に手放し、昨今のブームもあって久々にバイクを乗り始めたライダーたちだ。

コロナ禍で「密」を避けられる趣味として、バイクやキャンプツーリング人気が後押ししているのだろう。特に2021年は250cc以下のセールスが伸びたが、多くのリターンライダーも購入したはずだ。

久々に乗ったバイクでのシティランやツーリングの最中、若い頃より視野が狭くなっていたり、注意力が不足した状況で他車などに接触。あるいは昔の感覚でつい速度を出してしまい、直線やコーナーで転倒というケースが想像できる。

オヤジ世代のリターンライダーには、若い頃の感覚でつい飛ばしてしまい、体がついていかず事故! 
となるケースも多いことだろう

首都高でバイクはクルマ比で18倍死傷事故が発生、死亡事故は5倍に!

首都高速道路会社もライダーに「事故防止」を呼びかけている。

2021年は首都高でもバイクの死傷事故が多発しており、「首都高バイク死傷事故多発!」とポスターやWebサイトで啓発。首都高のバイク事故件数は、全体の2%と少ない状況ながら、体がむき出しになっていることから事故が重大化しやすく、クルマなどと比べて死傷事故は約18倍。1か月平均では7件以上死傷事故が発生しているという。

2021年度の首都高におけるバイクの死傷事故件数は、前年度と比べ約1.4倍。死亡事故は1→5件に増えた。

また、高速道路での死亡事故件数が8人増の25人なのも気になるところ。年代は不明だが、特に軽二輪(126~250cc)は7人増の11人と目立っている。

バイクの死亡事故のうち、死因の大半を占めるのが頭部・胸腹部の圧迫。ヘルメットを正しく装着するのはもちろん、胸部プロテクターの使用を首都高でも呼びかけている。

首都高速によるバイク死傷事故を啓発するポスター。
首都高PAやwebサイトで見ることができる



――今年、バイク事故が増加してしまっては、せっかくスタートした二輪車定率割引の先行きも台なしになりかねない。これからのシーズン、バイクで走る機会が増える。交通弱者であるだけに不慮の事故も起こり得るが、安全な装備と慎重なライディングで少しでも事故に遭う確率を減らしてみてはどうだろうか?


情報提供元 [ ベストカーWeb ]

コメント一覧
  1. くまっぽい何か より:

    バイクが右カーブでセンターラインを踏んで曲がるとバイクと体は対向車線の車と接触する。普通に考えると馬鹿でも分かる危険行為だが、生活に余裕が出て昔バイクに乗ってた人がバイクを余暇で乗るようになったら、元々車でもカーブでセンターラインをオーバーするような人はバイクでも同じようなことをするだろう。
    後は、若い時と同じように乗れると本人は思っているのだろうが、バイクを力技で乗ってた若い時と違って筋力が落ちているだろうから、曲がりきれないとか、動体視力が落ちてるとか、目では追えてても体が付いてこないとか。
    自分は若い時は原付のスクーターやトレイルバイク、オフロードバイク、スーパーカブなどを乗ってきたが、老後は原付二種あたりで乗れるカブでのんびりマッタリと運転しようかと思っている。スピードを出して楽しむような歳じゃないしね。

  2. 匿名 より:

    団塊Jrは人口の母数が多いだけ
    上の世代の増加率は団塊世代

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