
2021年4月に第1巻が発売された、コミック『終末ツーリング』(著:さいとー栄)の最新第3巻が5月27日に発売された。2人の少女がセローにタンデムし日本の各地をツーリングする、一見するとほのぼのしたテーマながら、その背景は廃墟そのもの。荒れ果てた終末世界を旅する、異色のツーリングコミックだ。
今作の魅力は独特な世界観。近未来らしき舞台ながら、どうして終末世界が到来したのか直接的な説明はあまりなく、生活する人々も登場しない。ただ淡々と、かつて繁栄していた日本の廃墟をめぐるばかりだ。そんな風景にはどこか寂しい感覚も覚えるが、過去を知らない主人公たちは明るくツーリングを楽しみ続ける。そんな無邪気さと切なさの同居する雰囲気は『ヨコハマ買い出し紀行』(講談社)『少女終末旅行』(新潮社)といった終末世界系のコミックファンにはたまらない。
普段ツーリングを楽しんでいるライダーにとっては、見覚えのある風景がどんどん登場するのも楽しい。また世界観に合わせて、主人公たちの駆るバイクはヤマハ・セロー225をモデルとした電動バイクという設定であるのも面白い。最新巻である3巻では、ライダーにとってはおなじみの栃木県「モビリティリゾートもてぎ」が舞台。終末世界のなかのサーキットやホンダコレクションホールを、ホンダモビリティランドの協力のもと緻密に描写する。伝説のレーシングマシン「NSR500」も登場! そのほかにもバイク好きは思わずニヤリとする小ネタが盛りだくさんだ。
そんな注目の本書は全国の書店、各電子書籍配信サイトで購入可能。興味の沸いたライダーはぜひ手にしてみよう。
情報提供元 [ 電撃マオウ/KADOKAWA ]
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