【青木拓磨:プロレーサー】

1990年代に国内外のロードレースでその名を轟かせた青木三兄弟の次男、青木拓磨氏。全日本で王座に輝いた後、世界グランプリの500ccクラスにステップアップし、これからという時に1998年のテスト中の事故で下半身の自由が効かない身体になってしまいました。

その後4輪レースへ転向し、最近ではル・マン24時間耐久レースにも参戦。また、ハンドシフトのバイクでサーキット走行を楽しむなど、2輪での活躍も再び注目されています。この連載では、青木拓磨さんの今でも溢れ続けるモータースポーツへの情熱を語ってもらいます!

今年もオン・オフと4輪レースに参戦。そしてバイクレースも目指したい!

2022年も始まりました。昨年は念願のル・マン24時間レースへの参戦も叶い、僕のモータースポーツ人生で大きな節目となりました。しかし、それで終わりではありません。むしろ自分の可能性が広がったことで、もっと挑戦してみたいことがたくさん出てきました。今回はそんな僕がチャレンジしてみたいと考えている2022計画のいくつかを紹介したいと思います。

まずはル・マンに続く4輪でのレース計画。こちらはLMPマシンを使うかGTカーを使うか、クラスはまだ未定ですが、ヨーロッパでのオンロードレースに何戦か出る予定。またいつかル・マン24時間を目指すためにもしっかりと結果を残していきたいですね。また、4輪のレースではオフロードの方も8月にアジアンクロスカントリーラリーへの挑戦が決定しています。こちらは2007年に初挑戦してから次回でもう参戦13回目というライフワークのようなレース。2020年と2021年はコロナ禍の影響で開催中止となっていたので久々の開催となります。前回挑戦となった2019年はターボチャージャーのブレードが破損した悔しさをリベンジしないままに終わってるんですよね。過去最高では総合3位まで獲得ずみ。地元勢が有利で、勝つのはなかなか難しいレースなんですが、もういい加減に勝たせろ~って感じで挑んできます。

▲昨年は念願のル・マン24時間にSRT41の仲間と共に参戦。世界最高の舞台で再びレースするという夢が叶いました。

▲ライフワークのひとつとも言えるアジアンクロスカントリーラリー。今年こそ勝ちたい!

そしてレースと言ったら、やっぱり僕の原点はバイク。これまでRC213V-SやCBR1000RR-Rといったマシンで何度か鈴鹿など本格サーキットを走ってきた結果、いつかはバイクで再びレースをしてみようと本気で思うようになってきました。というのも、フランスではハンディキャップを持ったライダーたちがリッタークラスのマシンなどでガチに争うシリーズレースが開催されており、けっして夢物語ではないんですよ。まあ、まだ実際にナマで見たわけではないので今年中の参戦は無理だとしても、将来に向けて実地の雰囲気をこの目でしっかりと調査しに行きたいなと考えています。強く願えばいつかは叶う。うん、いつの日にか再びあのバイクレースでの興奮を味わってみたいです。

▲昨年はRC213V-SやCBR1000RR-Rでバイクによる300km/hの世界も久々に体験。もっと速く走りたい!

みんなと一緒に走る機会をこれまで以上に!

バイクレースと言えば、もうひとつ。僕が主催しているレンタルミニバイクによる耐久レースの「Let'sレン耐」もさらに力を入れていく計画です。今年は西日本と東日本の各シリーズ合わせると、なんと過去最高となる年間38戦もの開催を予定。そして5速になった最新グロムの導入も始まります。これにより今まで以上にレースの楽しさを皆さんに知ってもらえたらと考えています。もちろん従来の4速グロムも健在。グロムの台数が全体的に増えることで、これまでグロムクラスの開催が少なかった西日本シリーズでももっと展開できるようにしていきます。特に4速グロムの方には現在のとことレン耐にしか供給されていない合志技研さんのスペシャルマフラーが装着されています。西日本シリーズの総本山である熊本開催では、ぜひ地元企業である合志技研さんの素晴らしさも味わってもらいたいですね。

そして、何よりもこのレン耐では皆さんと一緒に僕が走る機会をこれまで以上に増やしていきたい! これまで明智ヒルトップや日本海間瀬サーキット、テルル桶川スポーツランド、筑波コース1000など多くのコースで皆さんと一緒に走り、昨年はついに僕のルーツとも言える榛名モータースポーツランドを約30年ぶりに走ることができました。しかし、日本全国で開催している我がLet'sレン耐。まだまだ走っていないコースもたくさんあります。茂原ツインサーキットもまだですし、袖ヶ浦フォレストレースウェイもCBR1000RRなどでは走ったことがあってもレン耐マシンではまだでしたね。コース上ではバンバン抜き去る姿を見せますからね~。ぜひとも僕と一緒の走りを楽しむことで、バイクの楽しさや可能性をもっと知ってもらえたらなと思います。

▲レン耐ではハンドチェンジ仕様にしたスペシャルマシンでの飛び入り走行がひとつの目玉。時にはウイリーだって見せちゃいます。

これまでにない新しいレーシングスクールが始まります

そして、いよいよ今年はかねてより計画を進めていた「TAKUMA RACING ACADEMY」が熊本県で始動します。これは今までに無かったレーシングライダー育成機関を目指したもので、モータースポーツ最大の課題である練習環境の少なさを解決するための試みとなっています。国内のレーシングスクールでは鈴鹿サーキットのSRS(鈴鹿レーシングスクール)やツインリンクもてぎのMFJロードレースアカデミーが有名ですが、そこに通うには多額の資金はもちろんのこと送迎をはじめ親御さんに対する時間的・物理的負担も大変ですし、何より毎日気軽に練習できるわけじゃない。せっかく練習できても1か月に1回、2週間に1回といった回数では腕がなまってしまいます。そこで僕らはフラットトラックコースを核とした練習場所と車両はこちらで用意。親御さんの手を借りずとも、子供たちが毎日放課後に自転車などでやって来て自発的に練習できるような環境を作りました。首都圏などではなかなか難しい取り組みですが、熊本県はそれが実現できる素晴らしい環境条件が揃っているんですよ。次回はこの「TAKUMA RACING ACADEMY」について、もう少し具体的にその内容をお伝えしようかと思います。

▲準備中のアカデミーランチ。速くなるためには毎日バイクに乗ることが何より大事です!

青木拓磨のモータースポーツチャンネル

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