ホンダが欧州で、新型クロスオーバーツアラーのNT1100を発表。NTとはかつてNT650/700ドゥービルが使用していたネーミングで、欧州では質実剛健なツアラーとして親しまれたロングセラーの記号。新生NTもコンセプトは同様、アップライトなポジションにウインドプロテクションに優れたスクリーン、実用性に優れた2気筒エンジンを継承している。

新型NT1100はアフリカツインの1084ccの並列2気筒エンジンを搭載

2016年にCRF1000Lアフリカツインが登場して以来、2021年のレブル1100に続き、3機種目の兄弟モデルがデビューした。NT1100は、2020年に1084ccに排気量アップした現行アフリカツインのエンジンを同車ベースのセミダブルクレードルフレームに搭載し、オンロード向けの足回りに変更したモデル。

アフリカツインがアドベンチャーツアラーと呼ばれるのに対して、オンロードタイプはクロスオーバーツアラーと呼ばれるが、NT1100はまさにこれにあたる。従来のVFR1200/800Xの後継にして、現行NC750Xの上位機種という位置づけになる。

足回りは前後17インチ キャストホイールにラジアルタイヤを装着。倒立式のフロントフォークはアフリカツインの45mmから43mmと小径化しつつ、サスストロークも230mmから150mmへと大幅に縮めている。リアのアクスルトラベルは220mmから150mmに短縮されていることから、オンロード走行に向けた腰のあるサスに仕上がっていはずだ。

また、ホイールベースはアフリカツインの1575mmから1535mmへと40mmも短くなっていおり、旋回性能もスポーティな仕上がりが期待できる。ダートを走行しないのであれば、アフリカツインよりも、より速く快適なツーリングが楽しめるのがNT1100の特徴となる。

▲欧州で発表されたNT1100。マニュアルミッションとDCTの2タイプをラインナップしている。カラーは3種類でこちらは、マットイリジウムグレーメタリックだ。

▲こちらは、パールグレアホワイト。燃料タンクは、20.4L確保されており、アフリカツインSTDの18.8Lよりも多いが、アドベンチャースポーツの24.8Lよりも少ない。

▲こちらは、グラファイトブラックで日本国内投入はなしの模様。リアタイヤは180/55R17で、あまりワイドすぎないサイズを選択している。

スクリーンは高さ164mm、角度が5段階で調整可能

クロスオーバーツアラーで重要な要素は、楽なライディングポジションのまま風圧を和らげてくれる大型スクリーンの存在。NT1100はこれに特に力を入れており、高さで164mm、角度は5段階に調整が可能となっている。スクリーンは低く設定すると肩の周りに空気が送られ、高く設定するとライダーのヘルメットの上を空気が流れるような設定になっている。

また、ツアラーで重要な積載においてはパニアケースが標準装備で、右側32L、左側33Lの容量を確保。左右にパニアを装着しても幅は901mmと全幅の865mmから+36mmしか広くなっていない。さらに、マフラーが低く装着されているおかげ左右で容量がほぼ同じなのも特筆すべきだろう。

メーターは、アフリカツインと同じもので、6.5インチTFTタッチスクリーンは、アップルカープレイ、アンドロイドオートにも対応しているので、スマホアプリを表示及び操作が可能となる。他にもデイタイムランニングライトを装備したフルLEDヘッドライトや、オートキャンセルウインカーなどの装備も用意されている。

このNT1100は日本での発売も確実で、2021年12月発表後に2022年3月に発売という情報だ。予想価格は168万3000円でDCT仕様のみ。ETC2.0とグリップヒーターが標準装備だがパニアケースはオプション設定となる模様だ。

▲X-ADVに通じるデイタイムランニングライトでヘッドライトをオフにすることができる。スクリーンの両サイドには、手にあたる風を軽減するサブスクリーンもセットされる。

▲標準装備のパニアケースは、右32L+左33Lの容量を誇る。オプションのトップケースは50Lの容量になるので、合計で115Lにもなる。

▲右のパニア容量が1L減なのはマフラーの逃げがあるからだが、マフラーを低くセットすることで最低限に抑えられている。パニア装着時の幅は901mmとなる。

▲アフリカツイン同様にアップルカープレイとアンドロイドオートに対応し、スマホ機能がメーターに表示可能。その際のスピードメーターは下の小液晶に表示される。

▲エンジンはアフリカツインと同じ最高出力の102PS/7500rpm。ただし、最大トルクが0.1kgーm異なるので、多少のセッティングの違いがあるかも知れない。

▲低くセットされたマフラー。音量はほぼアフリカツインと同じ数値でともにユーロ5の排出ガス規制をクリアしている。

NT1100欧州仕様主要諸元

ENGINE

Type

Liquid-cooled 4-stroke 8-valve Parallel Twin with 270° crank and uni-cam

Displacement

1084cc

Bore x Stroke

92mm x 81.5mm

Compression Ratio

10.1:1

Max. Power Output

75kW at 7,500rpm

Max. Torque

104Nm at 6,250rpm

Noise Level

L-urban73.6dB, L-wot78.4dB - MT;
L-urban 73.6dB, L-wot 79.4dB - DCT

Oil Capacity

4.8 - MT
5.2 - DCT

FUEL SYSTEM

Carburation

PGM-FI electronic fuel injection

Fuel Tank Capacity

20.4L

CO2 Emissions

116g/km

Fuel Consumption

5L/100km (20km/L)

ELECTRICAL SYSTEM

Battery Capacity

12V/11.2AH

DRIVETRAIN

Clutch Type

Wet, multiplate clutch

Transmission Type

MT: 6-speed Manual Transmission
DCT: 6-speed Dual Clutch Transmission

Final Drive

Chain

FRAME

Type

Semi double cradle

CHASSIS

Dimensions (L´W´H)

2240mm x 865mm x 1360mm (low screen position)

Wheelbase

1,535mm

Caster Angle

26.5°

Trail

108mm

Seat Height

820mm

Ground Clearance

175mm

Kerb Weight

238Kg - MT
248Kg - DCT

SUSPENSION

Type Front

Showa 43mm SFF-BP type inverted telescopic fork with dial-style preload adjuster, 150mm stroke.

Type Rear

Monoblock aluminium swing arm with Pro-Link with SHOWA gas-charged damper, hydraulic dial-style preload adjuster, 150mm axle travel.

WHEELS

Type Front

Multi-spoke cast aluminium

Type Rear

Multi-spoke cast aluminium

Tyres Front

120/70R17 M/C

Tyres Rear

180/55R17 M/C

BRAKES

ABS System Type

2-channel ABS

Type Front

Radial mounted four-piston brake caliper, 310mm floating double disc

Type Rear

Single piston caliper, 256mm single disc

INSTRUMENTS & ELECTRICS

Instruments

6.5inch TFT Touch Panel Multi information display & secondary LCD meter

Security System

HISS

Headlight

LED with DRL

Taillight

LED

Connectivity

Apple CarPlay & Android Auto

USB

USB

12V Socket

Yes

Auto Winker cancel

Yes

Quickshifter

Accessory

Cruise Control

Yes

Additional Features

5 Riding Modes

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