
【市本行平:Webikeニュース編集部】
2021年6月21日、ホンダが欧州でモンキー125の2022年モデルを発表した。モンキーといえば、2018年に従来の50ccモデルから125ccに生まれ変わり話題となったが、それが早くもエンジンを完全新作としている。ユーロ5レベルの排出ガス規制に対応するだけでなく、変速機は4速から5速に拡大し、走りの面でも進化が期待できそうだ。日本での発売は2021年9月頃と予想されている。
最高出力は従来型と変わらず、エキゾーストサウンドチューニングにも期待
新型モンキー125は、2021年型でモデルチェンジしたグロムの新しいエンジンをベースにしており、ロングストロークの高圧縮比仕様に変更された。最高出力は欧州仕様で9.38ps(6.9kW)/7000rpmだったものが、9.38ps(6.9kW)/6750rpmとキープしつつ発生回転数を下げている。日本でもユーロ5相当の令和2年排出ガス規制をクリアしつつ、従来型の出力(9.4PS)を維持して発売されることが予想される。
エンジンはエアボックスの形状を変更し、コネクティンブチューブや吸気の流れを最適化することでトルク特性が向上。排気系はインテークの改良に合わせてパイプ長を変更、サイレンサーは膨張室を3つ→1つに減らすことでより際立ったエキゾーストノートを演出している。同時に排ガス規制に対応するためにキャタライザーも改良された。
▲新型モンキー125は、モンキーらしさを体現する台形フォルムは変わらず。カラバリを踏襲しつつグラフィックは刷新されている
▲エンジンは、新型グロムと同系のオールニューに刷新。ギア段数が拡大されたことで、走りに余裕ができそうだ
従来の4速に代わる新しい5速ギアボックスは、ギア比をさらに広げて、クルージング性能を向上させている。最高速度は91km/hで、新型グロムと同じギア比であれば、5速は従来の4速よりもロングレシオでオーバードライブ的な位置づけとなるはずだ。
また、オフセットシリンダーやバルブまわりはローラーロッカーアームなどの低摩擦技術を使用して66km/L(WMTCモード)の燃費を達成している。2018年型の国内仕様はWMTCモードで67.1km/Lなので、新型モンキー125は、燃費もほぼ変わらないレベルと予想される。
▲欧州での広告デザイン。「アソビゴコロ」は2018年にモンキー125が発売された時に提唱されたコンセプトだ
リアサスペンションには 2段階スプリングを採用、キーにはアンサーバック機能も導入
車体面での変更は、リアのサスペンションにダブルレートのスプリングを採用したこと。乗り心地の向上と、踏ん張りが効いた走りが期待できそうだ。他にも欧州仕様で車重が107kg→104kgと3kg軽くなっている。また、ホイールベースは1155mm→1145mmに、最低地上高は160mm→175mmになっており、寸法面でも見直されているようだ。
装備では、溝を掘ったウェーブパターンキーに、ボタンを推すとライトが点滅するアンサーバック機能を追加。IMU制御のフロントのみ作動するABSが欧州では標準装備となっており、日本でも非ABS仕様は規制の関係から廃止されるだろう。
カラーバリエーションは欧州では新色の青=パールグリッターブルーとバナナイエロー、パールネビュラレッドが用意されている。グラフィックパターンはいずれも新しくなっており、従来あった黒が廃止された。
▲単眼のデジタルメーターは従来と変わらず。アンサーバック機能付きのキーは日本仕様でも採用されることを期待だ
▲ホイールサイズは12インチで変わらず。ABSがIMU制御なのは、ショートホイールベースでも確実に作動させるためだ
▲ダブルレートのスプリングに改良されたリアサスペンション。元々乗り心地がいいモンキー125がさらに“ふかふか”になりそう
▲従来は上下で直線的に塗分けられていたグラフィックパターンが、逆への字に変更。青、黄、赤のバリエーションは従来通りだ
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