【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

▲GSX-S1000 2021年モデル

新型はここ6年の技術の進歩が投入された正常進化形

私はGSX-S1000にすごく好印象を持っています。エンジンは2007年型GSX-R用で、スイングアームは先代GSX-Rから流用、フレームは専用設計ながらGSX-Rに準じているのですから、GSX-Rのネイキッド版として言って差し支えないでしょう。

▲GSX-S1000 2015年モデル

ところが、GSX-Sはスーパースポーツの単なるネイキッド版では終わっていません。スーパースポーツ、いやモトGPマシンが追求しているコントロール性がストリート向きに落とし込まれていて、マシンの状態と接地感が豊かに伝わってくるのです。

そして、GSX-S1000の登場から6年。電子制御技術を始めとする新技術を投入、さらにユーロ5規制対応としたのが、この新型です。
特に注目できるのが、電子制御スロットルの採用です。また、スロットルボディ径は、リリースによると変更とありますが、従来型が2007年型GSX-Rと同じφ44mmだったことを考えると、おそらくは小径化されているのでしょう。

これらにより、低回転域からスロットルレスポンスは緻密かつシルキーになっていて、発表されたトルクカーブを見ても、全域で凹凸なくリニアに立ち上がる特性となっています。きっと、全域で力強く、スロットルでのマシンコントロール性が上質になっているはずです。おまけに最高出力も高められています。

IMUを搭載しないのはスズキの自信の表れか

新型には、アップダウン両利きのクイックシフター、3段階切り換えのライドモード、5段階切り換えのトラクションコントロール、ABS、ローrpmアシスト、スリッパー&アシストクラッチなど、今では一般化した技術が採用され、安全性や扱いやすさ、快適性が高められています。

▲GSX-S1000 2021年モデル

ただ、リリースにはIMU(慣性計測ユニット)に関する記述はなく、内容に注目してもIMUは搭載されていないと判断して差し支えなさそうです。
諸制御のためにマシンの運動状態を検知するIMUはビッグスポーツにはかなり一般化、GSX-R1000やVストロームにも採用されています。

でも、IMUによるウィリーコントロールやコーナリングABS、バンク角対応のトラクションコントロールは、ストリートスポーツには必要ないということなのでしょう。何より、素性としてコントローラブルであれば問題ないのであって、むしろバイクの素性そのものを楽しめると思います。

新型は私の唯一の不満も解消されているはず

お気に入りのGSX-Sですが、私には一つ不満がありました。サーキットを200km/h超で走った状況に過ぎないのですが、フロントが軽く不安定になるきらいがあったのです。

▲GSX-S1000 2015年モデル

これに関し、私はダウンフォースの発生が少なく、揚力によってフロントが軽くなるのが原因だと推測していました。その点、兄弟機種のGSX-S1000Fやカタナは外装類によるダウンフォースが発生していると思われ、そうした問題もないのでしょう。

そこで、この新型に注目すると、リリースに空力に関する記述はないものの、ラヂエターシュラウド部がモトGPマシンばりのウィングレット状になっており、またヘッドライト部の形状からもダウンフォース発生が見込めます。さらにメーターバイザー部の風防効果によって、ライダーが受ける風圧がフロントを軽くすることも抑えられそうです。

燃料タンク容量が2リットル増の19リットルとなりツーリング性能が向上、ハンドル幅の23mmワイド化によってアグレッシブな機動性が向上。空力特性の向上によってサーキット性能も向上し、ますますワイドレンジに楽しめるものとなっていると期待させるのです。

【ウェビック バイク選び】
【GSX-S1000】の新車・中古車を見る

この記事にいいねする


コメントを残す

スズキ GSX-S1000の価格情報

スズキ GSX-S1000

スズキ GSX-S1000

新車 162

価格種別

中古車 32

本体

価格帯 110~150.7万円

137.8万円

諸費用

価格帯 8.75~8.97万円

5.83万円

本体価格

諸費用

本体

99.09万円

価格帯 77~129.8万円

諸費用

7.58万円

価格帯 5.46~12.21万円


乗り出し価格

価格帯 118.75~159.67万円

143.64万円

新車を探す

乗り出し価格


乗り出し価格

106.68万円

価格帯 82.46~142.01万円

中古車を探す

!価格は全国平均値(税込)です。

新車・中古車を探す