本田技研工業は、2021年4月23日、2021年4月1日付で代表取締役社長に就任した三部敏宏(みべとしひろ)氏の就任会見を行った。カーボンニュートラルや交通事故死者ゼロの実現へ向けた取り組みを発表した。

ホンダが目指す姿・取り組みの方向性として「環境」と「安全」に徹底的に取り組むとともに、将来に向けてモビリティ、パワーユニット、エネルギー、ロボティクスの領域で進化をリードすることを目指していくと表明。

地球環境への取り組み

2050年にホンダの関わる全ての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを目指す。製品のみならず、企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロを目指し、カーボンニュートラル、クリーンエネルギー、リソースサーキュレーションの3つを柱に取り組んでいくという。

二輪車においては、電動化だけでなく、ガソリンエンジンの燃費改善やバイオ燃料の活用などにも取り組み、二輪車の環境トップランナーとして、業界をリードする構え。

二輪車の電動化については、高額なバッテリーを車両と切り離して考えることが普及のカギになるとし、電動化への社会的要請が強い先進国では「B to B(企業間取引)」「B to G(省庁や自治体との取引)」をターゲットに、モバイルパワーパックを活用した電動化を進めていく。

一般ユーザーに向けては、商品の拡充だけでなく、バッテリー交換ステーションを数多く設置し、どのメーカーのEVでも利用できる利便性が求められている。日本・欧州で他の二輪車メーカーとコンソーシアムをそれぞれ設立し、交換式バッテリー技術の標準化に取り組んでいる。

モバイルパワーパックは、パワープロダクツ製品やマイクロモビリティまで活用を拡げていきたいと考えており、インドでは三輪タクシーの「リキシャ」を活用した実証実験を開始した。

また、多様なニーズに応えるべくビジネス領域にて「GYRO e:」「GYRO CANOPY e:」を2021年に投入するのに加え、2024年までにパーソナル領域で原付一種・原付二種クラスに3機種の電動二輪車を、さらにFUN領域でも商品を投入するとした。

安全への取り組み

2050年に全世界で、ホンダの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者ゼロを目指す。二輪車と四輪車、両方を手掛けるホンダならではの、共存安全技術の研究強化を図ると共に、ハード・ソフト両面で、事故のない社会の実現をリードしていく構え。

二輪車の死亡事故に四輪車が関与するケースが多いことから、全方位安全運転支援に進化したADAS(先進運転支援システム)を2030年までに先進国の四輪全機種へ適用することを目指す。さらに、レベル3自動運転技術の研究開発で培われた知見、ノウハウをADASのさらなる知能化に生かし、事故カバー率の向上を目指すという

ホンダ社長就任会見動画

情報提供元 [ Honda ]

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