■大会名
2021 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦
SUPERBIKE RACE in MOTEGI

■開催日
4月3日(土)公式予選 天候:曇り コース:ドライ
4月4日(日)決勝 天候:曇り コース:ドライ

■開催場所
栃木県・ツインリンクもてぎ(1周=4.801379km)

■ライダー、レース結果
ST600
#3 小山知良
予選:2番手(1'53"500)
決勝:優勝

ST1000
#1 高橋裕紀
予選:2番手(1'50"070)
決勝:優勝

日本郵便 Honda DreamTP 開幕戦 2クラス制覇 !!

日本郵便Honda Dream TPとして4年目のシーズンがスタートした。2021年も小山知良がST600クラス、高橋裕紀がST1000クラスにエントリー。小山は、自身が開発した新型Honda CBR600RRで2019年以来のタイトル奪還を目指す。一方、昨年、初代ST1000チャンピオンとなった高橋だが、今シーズンはEWC世界耐久選手権にもフル参戦予定となっており、今のところ3戦スケジュールが重なってしまっているが、コロナ禍のため、まだ不透明な部分が多い。実際、4月に予定されていたル・マン24時間耐久は、フランスがロックダウンに入ったため、延期が決まったばかりだが、まだまだ流動的だと言えるだろう。

とはいえ今回の開幕戦に関しては、3月上旬に高橋は、ル・マンのテストに参加したため、帰国してから2週間の自主隔離期間があったこともあり、全日本の事前テストには参加することができなかった。そのため一般のスポーツ走行でテストを行い、全日本ST1000仕様に慣れるところからスタートしていた。

ST600の小山は、事前テストで今年から使う仕様のフロントサスペンションのセットを進めていた。タイムは悪くないのだが、なかなかいいフィーリングが得られずにいた。

レースウイークは、木曜日の特別スポーツ走行からスタート。引き続き、マシンセットを進める小山と高橋。小山は、金曜日には自身の持つコースレコードを上回るタイムを記録しトップタイムをマーク。順調に仕上がって来ていた。高橋は、EWCのマシンと同じポジションに変更し、ST1000仕様にも慣れてきていたが、思うようにタイムを詰められないでいた。

公式予選では、周りもタイムアップしてくることが予想されたが、小山も自身の区間タイムを見ると1分52秒台も見えて来ていた。しかし、1分52秒という数字を意識し過ぎてしまい少しミスが出てしまったというが、それでも1分53秒500と自己ベストを更新し、予選2番手につけた。高橋も1分49秒台に入れたかったが、1分50秒070をマーク。トップから僅か0秒018差で、こちらも2番手グリッドを確保していた。

日曜日は、下り坂の天気予報となっていたが、午前中は曇り空。朝のウォームアップ走行でも順調に好タイムを刻んでいた高橋だったが、セッション最後にトラブルが発生。原因を究明すると、エンジンを載せ換えなければならない状況となってしまう。このためペナルティが課せられ、ピットスタートとなってしまう。

J-GP3クラスのレース、お昼のインターバルを経て、ST600クラスの決勝が始まる。好スタートを切った小山は、真っ先に1コーナーに入って行きトップに躍り出る。しかし5コーナーで横山選手にかわされるが、90度コーナーで抜き返してオープニングラップをトップで戻って来る。その後も、小山がペースを作りレースをリード。これに3台がついて来て4台がトップグループを形成。小山は、その後もトップを走り続け、後続に隙を与えない。レース終盤になると、一時はトップを奪われる場面もあったが、2番手以下のバトルが激しくなると小山がリードを広げ、そのままトップでゴール!16周をうまくコントロールし見事開幕戦を制した。

ST600クラスのレースが終わったころから雨が降り出し、ST1000クラスは、ウエット宣言が出され、周回数も2周減算の12周で争われることになった。ピットは、慌ただしい雰囲気に包まれ、タイヤ交換するチームがほとんどだったが、小山の優勝に勇気をもらった高橋は、スリックタイヤをチョイスしていた。

そして雨が降り続く中、レースはスタートする。ハーフウエットの中“絶対に転倒だけはしない!”と心に決めていた高橋は、可能な限りペースを上げながら前を行くライダーをかわしていく。1周目に26番手、2周目に19番手、3周目に13位、4周目には、ついに9番手までポジションアップ。雨もほとんど止み、路面は乾いて来ていた。その中で高橋は次元の違う走りを見せ、6周目に3番手に上がると、7周目の90度コーナーでトップに浮上!
一気に独走体制を築くと、そのまま12周を走り切りチェッカー!! 大荒れのレースを見事制したのだった。

小山知良選手コメント

事前テストから、いろいろ試していましたが、なかなかフロントの感触が出ませんでした 。金曜日にようやく自分が求めているフィーリングが出て来て、イメージとリンクするようになって、その流れで予選も走ったのですが、力みすぎてしまいハイサイドをしてしまい目標タイムには届きませんでした。
ハイサイドをした原因をスタッフと話し合って決勝日朝にリアサスを調整したのが、いい方向に行きました。ただ、このセットでロングランをしていなかったので、レースでどんな挙動が出るか不安要素でもありました。実際は、すごくよく機能してくれたので、自分自身が開発を担当したCBR600RRでデビューウインを飾ることができて、すごくうれしいです。皆さん応援ありがとうございました。

高橋裕紀コメント

ウイークに入って、すぐに1分49秒台に入れられるかと思っていたのですが、なかなか入れられることができず、予選も悔しい結果になっていましたが、朝のウォームアップ走行でも1分49秒台でまわれる車体作りを進めていたところ壊れてしまいエンジンを載せ換えることに。
ピットスタートからの優勝は、もちろん初めてですし天気が味方してくれましたね。チーム、スポンサー、応援してくださる皆さんのおかげで勝つことができました。
次回も全力で走りますので応援よろしくお願いいたします。

株式会社ティー・プロ・イノベーション 代表取締役 手島雄介

まず2021年シーズンも無事開幕戦を迎え、チームとして参戦できたことを、ご支援頂いております日本郵便株式会社、Honda Dream、NTTコミュニケーションズの皆さまを始め、ご支援いただいてる多くの方に御礼申し上げます。シーズンの開幕戦という大会で、ST600、ST1000のダブル優勝は率直にうれしく感じております。
正直、レースウィークの流れを振り返りますと、色々と課題が多かったと思いますし、ST1000のエンジントラブルからのペナルティは想像以上の難関でした。しかし、たくさんの方々から“応援という力”を頂いている我々が諦めるわけにはいかなく“絶対にあきらめない力”に変えて、とにかく前向きに戦った結果、いろんな事が好転し皆様への吉報となりました。
これだけレースに対して、筋書きのないドラマを感じたのも特別でした。始まったばかりのシーズンですが、今回の教訓を大切に皆様と共に世の中の力になれるよう邁進していきます。

情報提供元 [ Webike Motosport ]

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