ホンダは、2月19日の取締役会において、専務取締役の三部 敏宏(みべ としひろ)氏を、本年4月1日付で代表取締役社長とするとともに、現 代表取締役社長である八郷 隆弘(はちごう たかひろ)氏を同日付で取締役とする人事を決定した。

6月に開催予定の定時株主総会にて、三部氏は取締役代表執行役社長に就任し、八郷は退任する予定。

八郷氏は、2015年から約6年間の社長在任中、事業環境の大転換期にあたり、Hondaが将来に渡り存在を期待される企業であり続けるために、「2030年ビジョン」を策定。「すべての人に『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」というステートメントの実現に向け、「既存事業の盤石化」と「将来の成長に向けた仕込み」に取り組み、チーム・Hondaをリードしてきました。生産領域や開発領域の効率化や体質強化をはじめ、グローバルでの選択と集中を行うことで、将来への土台づくりを完成させ、新しい時代に向けてHondaが走り出す準備を整えた。

社長に就任予定の三部氏は、1987年にHondaに入社、その後、エンジン開発を中心に四輪車の研究・開発に従事してきた。2019年には株式会社本田技術研究所代表取締役社長に、2020年には本田技研工業株式会社の専務取締役に就任し、現在に至る。

変革の時代に、新しい価値観の拡がる世界において、新体制のもと、「技術は人のため」という Hondaの創業時から変わらない、社会課題解決への姿勢をさらに強めることで、持続した成長・進化を実現していく。

※2021年6月に開催予定の定時株主総会をもって「指名委員会等設置会社」へ移行することに伴い、名称変更

次期 代表取締役社長 三部 敏宏氏の主な略歴

1987年4月
本田技研工業株式会社入社

2012年4月
株式会社本田技術研究所 常務執行役員

2014年4月
本田技研工業株式会社 執行役員
同 四輪事業本部 パワートレイン事業統括
同 四輪事業本部 生産統括部 パワートレイン生産企画統括部長

2015年4月
同 四輪事業本部 パワートレイン・駆動系事業統括
同 四輪事業本部 生産統括部 駆動系統括部長

2016年4月
株式会社本田技術研究所 取締役専務執行役員

2018年4月
本田技研工業株式会社 常務執行役員
株式会社本田技術研究所 取締役副社長

2019年4月
本田技研工業株式会社 知的財産・標準化担当
株式会社本田技術研究所 代表取締役社長(現在)

2020年4月
本田技研工業株式会社 専務執行役員
同 ものづくり担当
同 リスクマネジメントオフィサー(現在)

2020年6月
本田技研工業株式会社 専務取締役(現在)
同 ものづくり担当取締役(現在)

社長交代会見の概要について

■現 代表取締役社長 八郷 隆弘氏の挨拶内容

2015年6月に社長を引き継ぎ、100年に一度と言われる大転換期に突入するなか、Hondaが将来に渡り、「存在を期待される企業」であり続けるために、「既存事業の盤石化」と「将来の成長に向けた仕込み」を重点方針とし取り組んできました。

「既存事業の盤石化」については、四輪事業を中心に事業体質強化のために、商品開発体制や生産能力の適正化など 従来のやり方に捕らわれない抜本的な改革を進めて、狭山や欧州などの工場生産終了などHondaにとって大きな決断も行いました。

一方、世界最大市場となった中国においては、5年間で倍近くまで生産能力を拡大するなど、グローバルで選択と集中を行いました。その結果、既存事業の盤石化については成果の刈り取りの段階に入っています。

また、「将来の成長に向けた仕込み」についても、Hondaの原点である「社会の役に立つ」という想いのもと、モビリティメーカーの責務として「2050年カーボンニュートラル」と「2050年交通事故死者ゼロ」の実現、そして、お客さまの夢を実現する新しい価値の提供に向け、研究所の体制も進化させました。

新しい時代に向け新しいHondaが出発していくため、このタイミングで新たなリーダーに託し、全社で新鮮な気持ちでチャレンジして欲しいと考え、三部へ社長のタスキをつなぐことにしました。三部は豊富な知見と力強いリーダーシップでこの厳しい環境に打ち勝ち、Hondaならではの新たな価値の提供をしてくれると考えています。

この6年間、多くの皆さまにお世話になりました。心から御礼を申し上げます。これからも変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。

■次期 代表取締役社長 三部 敏宏氏の挨拶内容

このたび、社長就任にあたり重責を感じますが、自分の持ち味を最大限に発揮し、新しいHondaをリードしていきたいと思っています。特に「将来の成長に向けた仕込み」をさらに加速させ、実行に移していくこと、言い換えると、八郷が固めた既存事業の地盤のうえに、Hondaの将来、未来という建物を建てることであり、100年に一度の変革期にも耐えられるレジリエンスを持ったものにしなければならないと思っています。
そのために、「2050年カーボンニュートラル」と「2050年交通事故死者ゼロ」に向けた取り組みを具現化し加速させること、そして、お客様の暮らしを豊かにする、生活の可能性を拡げる新しい価値を提供することで、お客さまや社会から存在を期待される企業であり続けることを目指していきます。

これまでは研究所の社長として、2030年以降のHondaを創っていく新たな技術、価値創造の研究開発を進めてきました。今度はHondaの社長として、これまで仕込んできたものをお客さまにとって魅力ある”もの”や”こと”として形にしていきます。それが即ち、Hondaが存在を期待されるということ。その実現のため、お客さまからワクワクしていただける、喜ばれる商品・サービスの提供に向けチャレンジしていきます。

激動の時代に、Hondaがこれからも「存在を期待される企業」としてあり続けるには、Honda全体で大きな転換・スピードが求められます。Hondaが描く新しい価値を早期に実現するために、必要であれば、外部の知見の活用やアライアンスの検討なども含めて、躊躇なく決断、実行し、自らをチャレンジャーとして職務に臨んでいきます。

今後とも、ご指導、ご支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

情報提供元 [ Honda ]

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