【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

Royal Enfield(ロイヤルエンフィールド)が日本初のブランドショールーム「Royal Enfield Tokyo Show Room」を東京都杉並区に開設。プレオープンのお披露目を兼ねたメディア試乗会に参加してきたのでレポートしたい。

英国スタイルを貫く古くて新しい2輪ブランド

ロイヤルエンフィールドは1901年に英国随一の工業都市でありモーターサイクル発祥の地としても知られるバーミンガム近郊にあるレディッチで誕生した、現存する世界最古のモーターサイクルブランドである。
1932年に誕生し今なお生産され続けている「Bullet(バレット)」シリーズをはじめ、「コンチネンタルGT」や「インターセプター」など歴史に残る数々の名車を世に送り出してきた。1950年代以降は生産拠点をインドに移すとともに現在はインドの自動車大手であるアイシャー・モーターズの一部門として成長。
伝統のブランド名とコンセプトはそのままに、英国スタイルの中間排気量モデルを作り続けている。

ロイヤルエンフィールドは近年、英国とインドに最先端のテックセンターを開設し、インド本国はもとよりアルゼンチンやタイにも新工場を稼働させるなど、プロダクトの質と量を急速に近代化。世界60カ国以上に輸出され、年間生産台数は75万台。
2019年~2020年の世界市場における販売台数は96%増となるなど、世界のミドルクラス市場をリードする存在になっている。

試乗会やコミュニティイベント、ライダーが集う場に

「Royal Enfield Tokyo Show Room」は若者に人気のファッションタウン、渋谷と吉祥寺をつなぐ井の頭通り沿いにある。レンガ作りの外装がノスタルジーを誘う瀟洒なお店だ。
本革のソファや真鍮で作られた建具など、伝統的な英国のライダーズサロンのような雰囲気の中にモーターサイクルやアクセサリー、アパレル、サービスなどが展示され、愛車とともに暮らすライフスタイルが疑似体験できるような空間になっている。

ショールームでは今後、ロイヤルエンフィールドのブランド哲学である「Pure Motorcycling(ピュア・モーターサイクリング)」体感を広めるため、試乗会やコミュニティイベント、アフターマーケットサポートなど様々なアクティビティを行っていく予定だ。

新型650ccツインシリーズやリアル冒険ツアラーも展示

展示車両としては、時代を超えた永遠のスタンダードモデル「Bullet 500」と、第二次世界大戦後の英国車を象徴するレトロなスタイルが魅力の「Classic 500」は、ヒストリーを知る上でも最初に押さえたいところだ。

▲Classic 500

▲右:Classic 500

そして、今回の目玉は日本初上陸となる新型ツインシリーズの2台だろう。まず「Int 650」はスクランブラーブームに沸く1960年代の米国カリフォルニアで一大旋風を巻き起こしたインターセプターをオマージュしたネオクラシックモデル。
そして、「Continental GT 650」はシングルシート(オプション)と独特のロングタンクにセパハン&バックステップを備えた本格派カフェレーサーだ。

▲Int 650

▲Continental GT 650

ちなみに「INT650」は英国の権威あるモーターサイクルメディア、MCNが選ぶ「Best Bike of the Year」のレトロバイク部門において2019年、2020年と2年連続で第1位に輝くなど専門家による評価も高い。この2台については、すでに筆者による試乗レポートもアップされているので興味のある方は参考にしていただきたい。

【関連トピックス】
【ロイヤルエンフィールド コンチネンタルGT650試乗レポート】60年代英国車の輝きを今に伝える正統派カフェレーサーだ!
【ロイヤルエンフィールド INT650試乗レポート】往年の名車をオマージュした現代のスタンダードモデル

また、Himalayan (日本向け呼称:ヒマラヤ)は実際にヒマラヤ山脈の過酷な環境で開発テストされ、リアルな走破性と快適なライディングを追求したミドルクラスのアドベンチャーツアラーだ。
当日ヒマラヤにも試乗してみたが、都内の短い移動の中でも軽量・コンパクトな車体による抜群の取り回しと低いシートによる足着きの良さ、そして、耳の心地よい弾ける鼓動と粘り強いトルクでどこまでも走っていけそうな感じ。冒険マインドを掻き立ててくれるに十分な感性と走りのクオリティを持ったモデルと思った。

なお、ロイヤルエンフィールドの日本正規輸入総代理店であるピーシーアイによれば、ショールームの一般公開日は日本における新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて決定するとのこと。期待して待ちたいと思う。

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