
【ビッグマシン・ゼロ:文-中村 友彦 写真-山内 潤也】
'19年の東京モーターショーでの発表から話題を呼び、今年の発売直後からビッグヒットとなったNinjaZX-25R。発売直後からアフターパーツの開発競争も熾烈化。そんななか待望のヨシムラから続々と専用パーツが発売。
ヨシムラ×ZX-25Rの最前線を紹介していこう。
目次
ECUに手を加えなくても潜在能力を引き出せる「R-11チタンサイクロン」
「機械曲 R-11チタンサイクロン 政府認証 for Kawasaki Ninja ZX-25R」
●近日リリース予定 ●JMCA 認定 ●排出ガス、騒音規制適合品 ●製品2年保証
並列2気筒とは一線を画する、シャープで爽快な吹け上がりが堪能できる一方で、'90年代以前に生まれた250ccマルチと比べると、何となくエンジンフィーリングが味気ない……?気がするZX-25R。
その理由を独自にリサーチしてみると、どうやら主な原因はECUのようで、となれば、マフラーを交換したところで、乗り味に大差は生まれないだろうと僕は思っていた。
ところが、R-11チタンサイクロンを装着したヨシムラのデモ車は、その予想を見事に覆してくれたのである。
逆に言うなら、同社はノーマルECUの特性を把握したうえで、ECUの設定に手を加えなくても、新時代の250ccマルチから潜在能力を引き出せると考えたに違いない。
いずれにしても今回の試乗を通して、僕はヨシムラの底力、限られた条件の中でも、マフラーできっちり性能を出す技術力に、改めて感心することになったのだった。
ヨシムラのZX-25Rに乗った僕が最初に感心したのは、軽やかさと重厚さを絶妙の塩梅で両立した排気音である。
もっともノーマルマフラーだって、なかなかいい音をしているのだけれど、マルチ特有の迫力や高揚感という意味では、ヨシムラ車のほうが二枚も三枚も上手。
また、約4kgの軽量化のおかげで車体の動きが俊敏になったことも、ヨシムラ車ならではの美点だろう。
ただし、それら以上に僕が心を惹かれたのは中回転域の力強さだ。
15500rpmでピークパワーを発揮するZX-25Rにとって、極端に言うなら8000rpm以下は助走区間で、ノーマルの場合はコレといった面白味はないのである。
でもヨシムラ車は5000~8000rpm近辺で、すでにエンジンを回してパワーを引き出している!という充実感が得られるし、その領域でのトラクションもなかなか濃厚。
だからエンジンが回しづらい状況、市街地や荒れた路面のタイトな峠道でも、250ccマルチの魅力が堪能できる。
そして中回転域が力強くなったからだろうか、ヨシムラ車は8000rpmを超えてもエンジンの勢いが持続し、そのままレッドゾーンが始まる17000rpmまでイッキに回る。
と言ってもパワーカーブを確認すると、ヨシムラ車の最高出力はノーマル+約1.5psなのだけれど、ノーマルで感じた微妙な物足りなさはどこへやら。
乗り手の意識と排気音と加速感のシンクロを味わった僕の脳内からは、前述したECUの問題は消え失せていた。
ヨシムラに限った話ではないものの、昨今の政府認証マフラーは、ストリートでの使用を前提に開発されている。
ただしこれまでの僕は、ストリートとサーキット用を明確に区分して考えたことはほとんどなかたったのだが、ZX-25R用R-11チタンサイクロンを体感した現在は、なるほど、これがヨシムラの考えるストリート用マフラーなのか……と、しみじみ感じている。
もっともこのデモ車なら、サーキットを走っても十分楽しそうな気はするけれど、超高回転域を常用しなくても、充実感が味わえるZX-25R用R-11チタンサイクロンからは、ヨシムラのストリート用マフラーに対する真摯な姿勢が、ヒシヒシと伝わって来たのだ。
「常用域の楽しさを重視しました」
2008年の入社以来、多種多様なマフラーの開発に従事して来た岡本さん。現在の愛車はBMW F650だが、ここ最近はマフラー開発に伴うテスト走行で非常に忙しいため、なかなか乗る機会がないそうだ。
「ZX-25R用サイクロンは、R-11とR-77Sをほぼ同時開発しました。
あえて言うなら、R-11はミッドレンジ、R-77Sは上の伸びを重視していますが、常用域が楽しめることは両者に共通です。250ccと言えども、常に超高回転域を維持できるわけではないですからね。
開発時に悩みの種になったのは、音量の抑制です。理想の特性を追求すると規制値をオーバーしてしまうので、消音対策として、手間がかかるのを承知で、エキパイにはコの字型バイパスパイプ、R-11はサブサイレンサーを採用しました。」
常用域で滑らかに回転が上昇
中回転域に"谷“が存在するノーマルに対して、R-11のパワー/トルクカーブは非常に滑らか。
最高出力に大差はないものの、実際のライディング中に感じる吹け上がりの早さや加速感は、間違いなくR-11のほうが上。
チタンのエキパイのサイズはφ32 / 35 / 38mm。
形式は1-2番気筒用と3-4番気筒用が先に集合する4-2-1式で、低中速トルクを重視した結果、2-1部分の寸法を長めに設定。
エキパイの連結管は、5本のパイプを溶接で組み合わせたコの字型。
サイレンサーのカバー素材は選択可能
φ50.8mmのテールパイプとバンク角を考慮した形状のサブサイレンサーは、溶接による一体構造。
スイングアームにぴったり寄り添うサイレンサーのカバーは、デモ車が装着するメタルマジック(カーボン柄を施したステンレス素材)に加えて、チタンとチタンブルーを選択することが可能だ。
エンド部のディフューザーパイプやステーはステンレス製。
定番・人気パーツも続々と発売開始中
ラジエターコアプロテクター Ninja ZX-25R('20)用
YOSHIMURAの Y を思わせる、独創的なヘキサゴナルパターンを採用。
一般的な六角形パターンと比べると、
両サイドは約11%、中央部は約26%増となる
導風面積を確保しながら、十分な保護性能を実現している。
素材はステンレスで、厚さはわずか0・8mm。
●シルバー 税込価格:1万9250円
●ブラックオキサイド 税込価格:2万2550円
フェンダーレスKIT Ninja ZX-25R('20)用
純正の樹脂製リアフェンダーを撤去するこのキットを使えば、テール周辺の印象はスッキリ。
ステーは、振動と腐食に強いステンレス製で、LEDナンバー灯とリフレクターが付属。
もちちろん、ナンバーの角度は保安基準に適合。
●税込価格:2万350円
ステアリングステムナット M28×P1.0
●レッド、ブルー、スレートグレー、ゴールド、ライムグリーン 税込価格:3300円
ブレーキレバーガード
●レッド、ブルー、スレートグレー、ゴールド、ライムグリーン 税込価格:1万3200円
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