YAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する黒山健一(ゼッケン3)が、今季初優勝を獲得し、第1戦で優勝した野崎史高(ゼッケン2/Team FwO with YAMALUBE)に続きヤマハが開幕2連勝を達成。また野崎は3位となり、1ポイント差ながらランキングトップを守った。

黒山健一、執念の勝利!

全日本トライアル選手権 IAスーパー Rd.03

■開催日:2020年10月25日
■開催地:宮城県・スポーツランドSUGO
■観客:1,000人
■気温:16度
■天候:晴れ時々曇り、一時小雨
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)/14

全日本トライアル選手権シリーズの第3戦東北大会は、おなじみのスポーツランドSUGOで開催された。第2戦は台風14号によって中止され、この第3戦が今季2戦目となる。開幕戦は、最高峰の国際A級スーパークラスに参戦する黒山健一が、ファクトリーマシンTYS250Fiで王座奪還をめざして挑んだが、トラブルにより6位。一方、やはりTYS250Fiに乗る野崎史高が優勝して、初のタイトル獲得に向かって好スタートしていた。

国際A級スーパークラスの競技は18名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名がより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクション(SS)に挑戦する。
セクションは、レーシングコース脇の岩場や崖を用いたヒルクライムなど、難易度の高いセクションが多く、観客が歩いて見て回るのにも観戦しやすいレイアウトで、今回は例年と逆回りのコースとなっていた。SS-1には、新たな岩場が用意された。
金曜日の雨に続いて前日の土曜日も小雨が降ったが、路面のコンディションはそれほど悪化しておらず、当日は風が強いものの晴れて観戦日和となった。そこで、黒山と野崎のヤマハコンビ、ディフェンディングチャンピオンの小川友幸(ホンダ)らによって、白熱した優勝争いが展開された。

1ラップ目、競技序盤は黒山がミスのない走りでトップに立っていたが、第4セクションの下りで転倒、下腹部をハンドルで打って痛そうにしばらくうずくまっていた。ここで小川に逆転され、一時は2番手となった黒山だったが、小川もまた1ラップ目最後のセクションで失敗。
競技に復帰して再びほとんどミスがない走りを続けた黒山が、小川を逆転、1ラップ目終了時点では黒山が減点11でトップ。小川がわずか1点差の減点12で追う。
野崎は競技序盤から減点5となる失敗が目立ったが、それでも1ラップ目後半にクリーン(足着きなしの、減点0)を重ねて挽回、小川と5点差の減点17で野崎は3番手につけていた。

2ラップ目、黒山は1ラップ目の第4セクションで転倒した際に負傷しており、歩き方も痛々しく、症状が悪化していることが心配された。それでも2ラップ目もまたほとんど大きなミスはないまま競技を続行。
その後、小雨が降って滑りやすくなった2ラップ目最後のセクションこそ失敗したが、トップの座を堅持し、2位の小川に4点差をつけて、SSに臨むこととなった。SSはより難易度が高い2つのセクションがあり、最大10点差がひっくり返る可能性もあるため、まだまだ予断は許さない。
野崎は黒山と9点差、小川とは5点差で、3番手の野崎にも大逆転の可能性は残されていた。

注目のSS、1つ目のセクションは大きな岩がゴロゴロした難所で、ほとんど助走なしで大岩を上がるポイントで、多くの選手が失敗していた。そこで、黒山、小川、野崎のトップ3も失敗。この時点で、優勝争いは、黒山と小川にしぼられ、野崎は小川との2位争いの可能性が残された。
こうして迎えた最後のセクションとなったSS-2は、岩をいくつも越えた後、見上げるような崖を上がり、下りてまた上がる迫力満点の難関。ここを鮮やかにクリーンした黒山が、痛みに耐えながらついに執念で今季初優勝を獲得した。そしてまた、第1戦で優勝した野崎とともに、黒山がヤマハの開幕2連勝を実現した。
これにより、黒山はポイントランキング6位から3位に進出、次の最終戦で野崎と小川の2人を逆転するのは厳しいが、最終戦も勝つ意気込みの黒山だ。ポイントランキングトップのまま最終戦を迎える野崎は、そこで小川に勝って初のチャンピオンを決めたい。ヤマハのタイトル奪還まで、あと一歩に迫った。

次回第4戦(最終戦)・近畿大会は11月8日、和歌山県の湯浅トライアルパークで、初の無観客で開催される。

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
黒山健一選手談(1位)

今日の僕の勝因は、泥の第5セクションを2回とも1点で抜けて、道路から岩盤を上がる第7セクションは2回ともクリーンしたことです。オートバイの故障さえなければ、開幕戦もこれくらい走れるだけの準備はしてきているつもりだったので、僕の中では(今回の好調は)不思議ではなかったです。
練習してきた通りに実力を出せました。1ラップ目第4セクションの転倒は僕の不注意で、ハンドルがお腹に刺さってしまいました。痛いながらも最後まで走れて良かったです。
今年はコロナの影響で準備期間が長かったので、色々と試行錯誤して、いいバイクといい走りをつなぎ合わせる作業を一杯やってきたので、ちゃんと僕が操作すればこれくらいは走れるなというのが、やっと結果につながって良かったです。
次の最終戦は野崎選手と小川選手の一騎打ちになりますが、僕が優勝させてもらおうかなと思っています。

→全文を読む

情報提供元 [ ヤマハ発動機 ]

この記事にいいねする


コメントを残す