【Webike SRC Kawasaki France TRICKSTAR】EWC第3戦 ボルドール24時間耐久で2位表彰台を獲得！

■参戦レース：ボルドール24時間耐久
■サーキット：ルマンブガッティサーキット / フランス
■開催日：2020年8月29-30日
■チーム名：Webike SRC Kawasaki France TRICKSTAR
■ライダー：ジェレミー・ グアルノーニ / エルワン・ニゴン / ダビド・チェカ
■監督：ジル・スタフナー
■結果：予選7位　決勝2位

ルマン24時間耐久レースレポート

決勝レース序盤、順調な滑り出しで順位を追い上げる

12時00分、7番グリットからスタートした Webike SRC Kawasaki France TRICKSTAR (以下、SRC）はレース序盤順調に順位を追い上げ3番手を走る選手を射程圏内に捉える。しかし3番手の選手にオーバーテイクを仕掛けた際にラインが交錯し、コースオフしてしまい10位まで順位を落としてしまう。
すぐさまコースに復帰し再び追い上げを開始する。チェカ選手の怒涛の追い上げで2時間を経過する頃には4位まで順位をあげた。

降り出す雨、荒れた展開の中さらなる追い上げにより2位に浮上

3時間を経過するころ、コースにはまとまった雨が降り出し、コースはレインコンディションへと変化。
多くのチームが転倒する難しいコンディションの中、トップを上回るハイペースで追い上げていき遂に2位に浮上する。
残すはトップを走る「TSR Honda France」のみ。2位に浮上後もペースを緩めることなくトップを追い続けていく。

雨は降り止み再びドライコンディションに

7時間を過ぎるころ、コース上のほとんどは乾き、再びスリックタイヤを装着。ジェレミー選手がトップを走るTSRを追っていく。8時間を過ぎるころにはコースは完全なドライコンディションとなり、ナイトセッションへ。

緊急ピットイン。トラブル発生もチーム力によりロスを最小限に

辺りは完全に闇に包まれ耐久の正念場、ナイトセッション。レースが半分を経過した段階でSRCは2番手に着け、大きなトラブルもなく順調に走行を重ねていく。
しかし14時間目に差し掛かる頃、チェカ選手が予定の周回数よりも前にピットイン。ここにきてトラブル発生だ。幸い深刻なトラブルではなく、問題の可能性があるパーツを素早く交換、同時にブレーキパット等の交換を行いコースへ復帰した。（24時間耐久ではレース中にブレーキパットやキャリパーの交換を少なくとも1回は行う。その作業をトラブルの修正と共に行い少しでもピット時間のロスを減らした耐久スペシャリストならではの判断だった。）
この緊急ピットインにより順位は3位にポジションダウンした。

気温が急激に下がり難しいコンディションの中、我慢の時間帯が続く

チェッカーまで残り8時間、時刻は朝4時、ライダー、スタッフ共に疲れが見えてくる時間帯。
気温も急激に下がり、過酷な環境となっていく。そんな中、ライダー三人共に疲れた様子を見せることなく淡々とペースを落とすことなく攻めていく。そして3位で夜明けを迎える。

不安定な天候を味方につけ2位に再浮上

残り4時間となったところでコースに再び雨がコース上に落ちてくる。すぐさまレインタイヤに交換するが、雨はすぐに降り止み、すぐにドライコンディションに戻り、スリックタイヤでコースへ戻る。
残り2時間となった頃、再び雨は降り出し、コースはウェット路面に変わる。この路面コンディションが安定しない難しい状況の中、2位を走行中のSERTが他車と接触転倒。これにより再び2位に浮上する。

2位表彰台獲得！！

ゴールまで残り30分、SERTのマッソン選手が決死のアタックで30秒後方まで追い上げてくる。
マッソン選手の追い上げに対抗してSRCのチェッカーライダーを務めるジェレミー選手が最後のスパートに入っていく。
そして、その差を詰めることを許すことなくWebike SRC Kawasaki France TRICKSTARは2位でチェッカーフラックを受ける

鶴田竜二 スーパーバイザーコメント

久しぶりのレースの開催となったが、無観客で行われ、いつもと違う雰囲気に戸惑いはありました。何よりもレース開催が出来たことに心より感謝いたします。

今回のレースはジル監督が体調を崩してしまいサーキットには来られない中で行われた。
ジル監督不在の中、イザベル夫人と監督代行を任されたチーフエンジニアのベル二ィ氏の采配に託された形となったが、チームは昨年ここルマン24hで同じライダー、同じスタッフで優勝を果たしておりその表情と行動から自信に満ち溢れているように見えた。
唯一の違いはタイヤだった。コロナウィルスの影響でピレリタイヤが EWC を事実上撤退する形となり、これまでサポートを受けていたチームは急遽ミシュランタイヤと契約し今回のレースに挑んだ。
ミシュランタイヤに関しては Moto GP をサポートしているタイヤメーカーだけあってパフォーマンスは素晴らしい。しかしいくら良いタイヤでもマシンとあわせ込む時間が必要なのだ。
今回、時間の無い中で我々は必死でまとめ上げた。

予選は今までとは違い予選用のタイヤが存在しないのと、セクション事にコンディションが違った為、思うようなベストタイムを出す事が出来ず7番手となってしまった。これに関しても、もう少しテストの時間があればトップチームと遜色ないレベルまで持っていけそうな感触は掴めた。

決勝に関しては雨が降ったり止んだりと難しいコンディションの中、ライダーをはじめクルーが良く粘り強くミスなく集中し、24時間走り切ったと思う。
途中トラブルが出たタイミングでも、上手くブレーキキャリパーなど交換に時間を有する作業を同時にこなしてやり過ごすなど、起点と判断は素晴らしい行動だった。
それぞれのライダーも本当に良い仕事をした、チェカ選手はドライでもハーフウェットでもレインコンディションでもハイアベレージで極力ミスの少ないラップタイムを刻んでチームに大きく貢献した。
エルワン選手は雨のコンディションで誰より速いラップタイムで追い上げ順位を大きく上げてくれた。
ジェレミー選手は最終走者として緊迫した状況の中にあってもキレの良い走りで3位を引き離し2位を勝ち取ってくれた。流石チャンピオンライダー達だと側で見ていて誇らしく感じた。

優勝こそ出来なかったが、今回の様な色々難しい状況の中で良く2位と言う素晴らしい結果を残してくれて満足してしています。
また今回から採用した TRICKSTAR マフラーも何度もアップデートした甲斐があり、そのパフォーマンスはチームの期待に応える結果を導くサポートが出来大変満足しています。
この結果を踏まえ、まだチャンピオンシップの可能性も残す事が出来たので、次回のポルトガルでは優勝を目指し、タイトル2連覇も目指します。
そしてジル監督の早い復帰を願っています。

最後になりましたが応援頂いた全ての皆様に心より感謝しております。

情報提供元 [ TRICK STAR ]