【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

▲JD Beach

チャンピオンのジレット・ミーズ 『ヤマハにやられたよ!』

ちょうど1年前、インディアンFTR1200の試乗会がカリフォルニアで行われました。それはワークスマシンFTR750をイメージリーダーとしており、インディアンは開発したばかりのワークスマシンFTR750を、2017年にアメリカンフラットトラック(AFT)に投入。2016年はカワサキのニンジャ650がAFTタイトルを獲得していますが、H・Dが一貫して強さを発揮してきたカテゴリーにおいて、H・Dからインディアンに乗り換えたジレット・ミーズが2017、2018年と連続でタイトルを獲得したのです。

試乗会にはそのジレット・ミーズがゲストとして招待され、私は同じテーブルを囲んでのディナーとなりました。3連覇に向かって快進撃中かと思いきや、彼は「先週のアリゾナではヤマハにやられちゃったよ」と言うではありませんか。ヤマハのJDビーチが優勝、彼は3位に終わったとのことでした。

▲JD Beach-Jake Johnson-Bronson Bauman

さらに彼は、「インディアンはクランクのマスを大きくしてトラクションを良くする方向でやってきたけど、どうもヤマハは軽くする方向みたいなんだ」とも。それぞれのカテゴリーのマシンにはそれぞれに技術的なノウハウがあると感じさせられたのでした。

MT-07 DTはヤマハUSのワークスマシンだった

▲MT-07 DT

正直を言うと、その時までMT-07が参戦しているとは知らず、マシンの詳細について詳しく知る由もなかったのですが、丸1年経った先日、ヤマハにとってこのクラスの30年ぶりの勝利を記念し、ヤマハモーターUS(YMUS)からマシンの開発経緯などについて発表がありました。

AFTに参戦するエステンソン・レーシングチームはトミー・ヘイデン(あのニッキー・ヘイデンの兄)が率いるのですが、マシン開発はMT-07が2014年に登場して間もなく、YMUSレース部門のキース・マッカーシーによって始められました。

エンジンは750cc近くまでボアアップ、ヴァンス&ハインズを始め、いくつかのチューニングコンストラクターの協力を仰ぎ、多岐に手が入れられたそうです。K&Nフィルターをスロットルボディに取り付けるのではなく、エアボックスを装備したかったというあたり、ワークスマシン然とした完成度を狙っていることも明らかです。また、キットパーツとしての市販も視野に入れているようです。

フレームは、C&Jに製作を依頼。ここで留意されたのが、ヤマハのエンジンをC&Jフレームに搭載したマシンではなく、スタイリングも含めヤマハならではの独自のマシンとすることだったといいます。

そうして、2015年のAIMExpoには、DT-07ダートトラッカー・コンセプトが出展されます。それを基本に、複数のライダーによるテスト走行が行われ、データロガーによって多くのデータを収集しての開発が進められてきたそうです。

▲DT-07 dirt tracker concept in 2015 AIMExpo

ストリートスクランブラーの可能性を感じるダートトラッカー

YMUSのMT-07 DTへの取り組みには、日本の本社サイドではできない夢を感じさせるではありませんか。きっと、バイクに関わる人たちは、それぞれの立場で夢を追い求めているのかもしれません。

ともかく、MT-07 DTには、ストリートスクランブラー的なオールラウンドストリートバイク(ドゥカのスクランブラーはこれに近いか)の可能性を感じます。MT-07 DTレプリカに興味を持ってしまうのは、私だけではないと思います。

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