【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

最近バイクの販売が増えているそうだ。新聞などの報道によると、3月の国内出荷台数は前年同月比から7.3%増えて3万6800台となり、同月としては3年ぶりの増加だそう。
原因としては、新型コロナウイルスの感染拡大で公共交通機関を避ける動きが広がり、通勤利用のためバイクを買い求めている人が増えているとのことだ。

自工会がまとめたデータでは、3月の国内4メーカーによる国内出荷台数として前年同月の実績を2カ月連続で上回っているとか。排気量251cc以上のいわゆる小型二輪でも5198台と2.6%の増加となっている模様。ホンダも3月の販売台数で前年比2割増しに。小排気量モデルを中心に好調な売れ行きを見せているようだ。

市街地で抜群の使い勝手を発揮する原付二種

特に伸びているのが50cc超125cc以下のいわゆる「原付二種」(原二)と呼ばれるカテゴリーである。実はここ数年、すでにその傾向が顕著ではあった。2018年には販売台数は前年に比べ2割増の10万5536台となり、続く2019年1~6月も4万9450台と同10%増になっている。

背景にあるのは2018年7月に施行された道交法改正だ。これにより普通自動車免許を持っていれば、AT小型限定自動二輪(原二)免許を最短2日で取得可能になったことが大きい。また、「モンキー125」などをはじめ、かつての名車をオマージュした新型モデルを相次いで投入したことなども活性化につながっているようだ。
そもそも世界的に見れば125ccクラスは4輪の付帯免許で乗れる国がほとんどだが、2輪大国であるはずの日本だけが何故か50cc(原付一種)までとガラパゴス化していた面は否めない。その意味では、これを契機にさらなる普及拡大を目指したいところだ。

原二は50㏄以下の原付一種とは違って30km/h速度制限や交差点での二段階右折も不要。しかも2人乗りもオーケーである。つまり、通常のバイクと同等の機動力があり、高速道路こそは乗れないものの、市街地では軽量コンパクトなメリットを生かして抜群の使い勝手を発揮する便利な乗り物となる。渋滞にもほとんど影響されず、場所によっては自転車と同じ駐輪場に停められる場合もあるなど通勤・通学はもちろん、都会の移動手段としても重宝だ。

また、原二は125cc超のバイクと違って重量税が課されず、250cc超のような車検も要らない。保険もファミリーバイクなど自動車保険に付帯するものとして、本人や家族が自動車の任意保険に加入していれば同時に加入することも可能。燃費もリッター50kmを超えるモデルも多く、4輪などに比べれば維持費も相当低く抑えられるなど経済的なメリットも大きい。

新型コロナウイルスによる災禍については一日も早い収束を願うばかりだが、この機会に交通手段から普段の生活スタイルを見直すことも必要かと思う今日この頃である。

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