
【OGA 小川裕之:エクストリームバイク スタントライダー】
皆さんこんにちはスタントライダーのOGAです。長く続いたハーレー試乗会も今回が最後の記事となります。試乗最終日である二日目の午前中にはソフテイルファミリーのヘリテイジクラシックとスポーツグライドに乗り撮影を行いました。
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◆ヘリテイジクラシック&スポーツグライド試乗インプレッション
記事に使う写真などの撮影が終わり、シューティングスポットから数時間かけてホテルに戻りました。ホテルに到着すると、そこには驚きのバイクが用意されていたんです。スポーツバイクのようなスリムなフレームに抱えられたフィンのついたバッテリー、その腹下には動力となるモーター。
そう、いま世界が注目するハーレーダビッドソン初の電動バイク「ライブワイヤー」に試乗することができたんです!今回はライブワイヤーのインプレッションをお伝えしていきます。
それでは暇つぶしにご覧ください!
目次
街乗りセクション
ホテルに到着すると、今回の試乗ツーリングを先導してくれたハーレーダビッドソン(以下:ハーレー)のスタッフ達がおもむろにライブワイヤーを運んできました、全くの無音で!
バイクなのに音もなく現れる違和感が次世代の最先端の乗り物だと強く感じさせてくれました。
自分はモトブログ形式で映像を撮るため、ハンドルにカメラや携帯などを装着する必要があり、その作業をしているうちに出発してしまった。一人取り残される形で慌ててスタートすることに(汗
本当は街乗り用のロードモードを試してからスポーツモードにしたかったんだけど、せかされていたのもあり、スポーツモードで走り出してしまった。しかし、一番ギクシャクするであろうスポーツモードなのに、ホテル周辺の市街地は問題なく走ることができた。むしろ、第一印象は「アクセルの操作がしやすい!」でした。普段、大型のスポーツバイクに乗っているライダーであれば、操作感は大体似た感じです。むしろ、エンジンの振動やノイズがないため、アクセルの操作に合わせてリニアに加速する気持ちよさをしっかりと体感できる。
そして、驚いたのがエンジンブレーキが効くこと。正式には回生ブレーキと呼ばれる仕組みで、アクセルオフ時に抵抗がかかり発電される。アクセルON-OFFを巧く利用した再発電システムになっている。
この回生ブレーキがエンジンブレーキと同様に扱うことができて、交差点で止まるときやコーナーの進入時に回生ブレーキを使って減速しながら速度調節をすることができる。エンジンのバイクと同じ感覚で運転ができたことに驚きました。
次にポジション。SSのようなタイトさはないが、少し前傾姿勢で、スポーティーな姿勢。スタントライダーが好きなストリートファイター的なポジションに近い。足つきはつま先がしっかりと届く程度(172cm)。ステップも少しバック気味でスポーツ性能を意識している。そして、少し走って感じたのが車重で、スペック的には249kgの重さがあるが、実際に乗るとその重さは微塵も感じられない。ヒラヒラしたハンドリングと重心の低さで、非常に軽快なバイクでした。
ワインディングセクション
そのまま、市街地を抜けてワインディングに移る。眼前にはスペインの岩山と高原が現れ、絶景が続く峠道。そんなワインディングは気持ちよく、テンポよく走れる。直線ではアクセル全開にしてみると、圧倒的なトルクで一気に加速する。それは大型スポーツバイクレベルの加速だった。ちなみに馬力は78kw / 105hp、最大トルクは116.6Nmとなる。
ライブワイヤーにはシフトとクラッチがないので、スクーターのように運転ができる。さらにモーターの特性上、どんな回転数でも最大トルクを発生することができる。
エンジンの場合はパワーバンドを維持しないとしっかり加速できないが、ライブワイヤーはどんな速度域でも最大限の加速を発揮することができる。これも峠道を楽しめた一つの要因だと思う。
特に低速コーナーでのアクセルの開けやすさに驚いた。さらに、慣れてくるとリアブレーキを踏んだままアクセルを開けることで、もっと丁寧なアクセルワークが行えることに気づいた。エンジンのノイズや振動に邪魔されず、アクセルと連動してリニアに加速し、タイヤと路面の状況に100%集中できる。エンジン付きの車両には絶対に味わうことのできない新しい感覚を楽しみながら、ワインディングを抜けていった。
撮影ポイントでの低速Uターン
そして、撮影スポットに到着。ここでは雑誌やWeb記事に使う写真や動画を撮影していく。しかし、ここでタイトな道でのUターンを迫られた。狭い峠道でのUターンはライダーであれば、とても嫌なシチュエーションだというのはご理解いただけると思う。しかし、ここで一つひらめいた。
「片手でUターンができるかも?」って
電動バイクなのでエンストがない、つまりアクセルだけ操作すれば片手でもUターンが可能なのでは?と思ったのだ。さっそく、左手をハンドルから離し、車二台がすれ違うのがやっとなタイトな道で片手でUターンをしてみる。少しリアブレーキを引きずりながら、アクセルワークだけでハンドルをフルに切りターンする。
「しっかりとターンできた!」
しかも微塵の不安もなくかなり安定して。
これも電動バイクだからこその安定感だと思う。ギアがない電動バイクは、低速走行時の圧倒的な安定感がある。クラッチ操作とエンストがないことで、操作が簡略化され、とても扱いやすかった。超低速域でも華麗にバイクを扱えるのも電動バイクの魅力だ。ここはバイク初心者に強くおすすめできるポイントだ。
電子制御について
ライブワイヤーには電子制御がいくつか搭載されている。コーナーリングABS、スリップコントロール、トラクションコントロールなどだ。峠道ではABSとトラクションコントロールが作動しました。というのもスペインの道が非常にスリッピーで、ちょっとしたアクセルワークでも容赦なくタイヤが滑る路面だったからで、そんな路面でもこれらの電子制御がライディングを補助してくれた。また、スリップコントロールは回生ブレーキ(エンジンブレーキ)によるスリップやフル加速時のタイヤの空転を防止してくれる機能となります。
航続距離と充電時間
急速充電時:40分で80%、1時間で満充電
航続距離:市街地:235km/高速:152km
上記は理論値となるので、実際に使う場合とは値が変わってくると思います。また、一回の満充電で電気代がいくらくらいかかるかも非常に気になるところでしたが、まだその情報は自分のところまで伝わって来ておりません。
最後に
今回、ハーレーダビッドソンの国際試乗会に参加して、いろいろな新しい経験をすることができました。正直あまりハーレーとは縁がないバイクライフを過ごしてきたけど、今回の試乗会でハーレーの魅力やスタッフたちの温かさ、さらには試乗を重ねて各車両の魅力を知ることで、ハーレーの良さに気づくことができました。正直、スペインでハーレーツーリングは超楽しかったです(笑
今回の試乗会で、皆さんにバイクの魅力を伝えるのが、自分の役目だったけど、もしかしたら自分が一番のハーレーファンになってしまったかもしれません(汗
それと、実際はまだまだ他に沢山伝えたいことがあるんだけど、文章と写真では限界がありました(汗
この記事を読んでライブワイヤーに興味をもってくれた方は、動画のほうも是非ご覧ください!
※本稿のライブワイヤーはEU仕様となります。日本で販売されるものと仕様が異なる場合があります。
【ライブワイヤー海外試乗】ハーレーダビッドソン初の電動バイク試乗インプッション【Livewire】
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