
【OGA 小川裕之:エクストリームバイク スタントライダー】
皆さんこんにちは!スタントライダーのOGAです。今回もハーレーのグローバル試乗会に参加した様子をレポートにしていきます。2回目の今回はハーレーでのヒルクライムチャレンジ。超重量級であるハーレーでオフロードを走行し、ヒル(坂)を無事に登り切る事ができるのか!そんなチャレンジを記事にしていきます。それでは暇つぶしにご覧ください。
試乗会一日目の午後はヒルクライムポイントへ移動
前回、ベースであるアンテケラのホテルからハーレーのソフテイルファミリーであるローライダーSに乗り出発。途中でストリートボブ、ファットボブを乗り換えながら、今回の目玉イベントであるヒルクライムの会場であるラカラデミハスに到着しました。
半日も乗るとスペインの道路事情もわかってきました。絶景が続くワインディング、圧倒的な快晴で雲一つない空、綺麗な路面(ちょっと滑るけど)、2月なのにツーリングに丁度よい気候、ランナバウトで信号の少ない道路事情、そして渋滞もほぼない。まさに、バイク天国だった!「こんな素敵な場所だからメーカーが試乗会を開催するんだな」って心底納得です。ハーレーで海外を走るイメージってアメリカ大陸横断が思い浮かぶけど、スペイン全然アリですね!海外ツーリング考えている方は是非検討してみてください。マジでお勧めです。
そして、午前中は180kmの道のりを走り切り、ヒルクライムの会場があるラカラデミハスに到着。若干の疲労感はあったけど、ハーレーツーリングが楽しくて、充実感に満たされていました。
目的地に到着。そこにはオフロードカスタムされたハーレーが!
到着すると、そこにはケータリングサービスでお昼ごはんが用意されていて、自分はローストビーフとパスタを注文。ツーリング先でしっかりとしたご飯が食べられて幸せでした。
注文してすぐに、キッチンカーの裏手を覗くとそこには、白いハーレーが並んでいるのがみえる。そのまま近づいて見るとそこにはオフロードカスタムされたSTREET750が並んでいた。
タイヤは前後オフロードタイヤを装着、倒立のフロントフォーク、リアはオーリンズで走破性を向上させ、フェンダーやハンドガードなどの外装もオフロードの物で統一されている。マフラーは異常に短い、おそらく直管だったと思う。(もちろんクローズドコースなので合法)
正直、事前打合せの時に「ヒルクライムをやってもらいます」とは言われていたんだけど、こんなにしっかりとオフロード仕様のバイクを用意してくるとは思わなかった。良い方向に予想を裏切ってくれてよかった笑
ヒルクライムで使うSTREET750は750ccのレボリューションエンジンを搭載し、中低速重視にセッティングされたハーレーの入門的なモデルだ。
それをオフロード仕様にしているのだが、これらをわずか5日間で仕上げたのだという。しかし、「特別仕様のバイクを用意してなぜこんなヒルクライムイベントをやるんだろう?」と集められたジャーナリスト達は疑問に思っていた。もちろん自分も。メーカーからしたら本来ならばニューモデルの宣伝や、ツーリングしてインプレッションをしてもらうっていうのが利益になるはずだし、それがこの試乗会の目的だ。
しかし、このイベントを企画してくれたニックは一言こう言った。「JUST FOR FUN」。楽しんでくれればそれでいいんだよってね。利害関係を抜きに招待したジャーナリスト達にハーレーで遊んでもらう、そんな素敵な計らいだったんです。「JUST FOR FUN」っていう一言で一気にハーレーファンになっちゃいましたね。
そのあと、ニックがコースを歩きながら説明してくれた。緩やかな傾斜で少し曲がりながら上るコースで比較的フラットな路面。登りきったところに一つコーナーがあり、そこを曲がってゴールするシンプルなコースだった。
登りきることはそんなに難しくなさそうなんだけど、問題なのが今回のヒルクライムはタイムトライアルで競う競技形式なところ。練習は4回で2回本番。本番のもっとも速いタイムが記録される事になる。
説明を受けた後、早速練習走行をやってみたが、想像以上に難しかった。不用意に轍に入ると重量級のバイクが振られ大変なことになる、フロントブレーキを握ると一気にロックし危険、オフロードブーツだと足首がロックされリアブレーキが使えない。一回目のタイムは9秒14だった。
今まで各国のジャーナリスト達が挑戦したそうだが、トップタイムはインド人でフラットトラックとモトクロスの選手で6秒80らしい。6秒台など不可能と思えるファーストアタックだった。
しかし、実は自分、趣味でハードエンデューロを嗜んでおり、まだまだ初心者ではあるもののヒルクライムは少し経験がある。その拙い経験をいかし、その後さらに3回の練習を行いつつ、だんだんとコツがわかってきた。
・とにかくアクセルを戻さず全開で登る
・スタートの時にリアを滑らせ過ぎない
・スタンディングポジションで衝撃をいなす
・リアブレーキでの減速はあきらめ、速めにアクセルを戻す
・最後のコーナーを最短距離で一気に曲がる
これらのポイントを踏まえ、本番の最後のアタックはほぼ完ぺきにこなすことができた。
タイムは7秒19。
インドの選手には敵わなかったものの、リアブレーキが全く使えない状態としてはかなりの好タイムだったと思う。しかも、この日のベストタイムということで、トロフィーまでいただいてしまった♪ ニックが言った通り「JUST FOR FUN」をしっかり堪能させていただきました。とても楽しいヒルクライムイベントでした!
ヒルクライムをやって感じたこと
これからのハーレーダビッドソンは電動スポーツバイクの「ライブワイヤー」や、アドベンチャーモデルの「パンアメリカ」、ストリートファイター「ブロンクス」など、よりアクティブな車種の販売を予定している。今までのハーレーのイメージは大陸をゆったりクルージングするという一択だったけど、これからハーレーの方向性やイメージがよりアクティブに大きく変わっていくに違いない。まさに今がそのターニングポイントなんだと思う。
そして、今回のヒルクライム企画は「ハーレーで遊ぼうぜ!」ってことを我々に伝えたかったに違いない。これからのハーレーダビッドソンがどう変わっていくのか注目だし、とても楽しみだ!
今回の記事を動画でも公開しています。合わせてご覧ください!
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