●税込価格:6万5780円 ●色:ブラック、グレー、ダークオリーブ ●サイズ:M/L/XL/OL/BL

【ビッグマシン・ゼロ:文-沼尾宏明 写真-山内潤也】

蓑(ミノ)を体験したことがある。日本古来の蓑は、ワラを縦に編み込むことで、雨滴を下に流し、湿気は内側に溜めない。しかもワラの保温性でほんのりとあたたかい。実に優れた古人の知恵だ。ただし、非常に重くかさばり、バイクで走れば雲散霧消するのは問題である。
冗談はさておき、雨を防ぎ、中は蒸れないという相反する機能を高次元で両立したモノがゴアテックスと言える。さらに、肌に触れるアンダー、中間着のインナーを組み合わせることで、秋冬、そして春先にも着回すことが可能だ。

高度な透湿防水性を誇るゴアテックス。
使い方次第ではほぼ通年1着でOKなのだ。

【秋&冬】心地よく自然しかもスマート

▲光電子が体温を逃がさず、毛足の長いフリースで保温。ゴアが風を防ぎ、自然に保温する。

■アンダー
光電子アルティメイトウエイトライディングアンダーシャツ(1万780円)

■インナー
ハイブリッドフリースジャケット(2万1780円)

上掲の秋&冬コーデで、ぶらりと都内から首都高速で湾岸の臨海公園へ向かう。1月初旬とあって、ようやく気温10度に届く程度だが、寒風をものともしない。正確に言えば、暑くもなく寒くもない。加えて、冬場にありがちな着ぶくれによる動きづらさもない。足されたり、引かれることがない、気を取られることのない平穏な状態。これはライディングウエアに求められる機能において、実は一番重要だと思う。
刻一刻と変化する周囲の状況、それに対応する両手両足の操作にいくらでも集中できるからだ。

光電子が人肌から発する熱を人体に戻し、さらにフリースがデッドエアを溜め込み保温。ゴアのアウターが寒風をシャットアウトする。3枚が有機的に作用し、自然な温かさをもたらす。だからこそ「何も気にならない」着心地なのだ。
通気性を確保しているのも重要だ。バイクを降りて散策すればよくわかる。公園の駐車場に停め、海辺を歩く。保温に特化した重ね着や、透湿性が今一つのウエアだと途端に汗ばんでしまい、冷えて風邪を引く……なんてケースも。だが、今回の重ね着では何ら変わらず自然。これは乗車中の急な天候や気温の変化にも有効だ。
優秀な透湿性を持つゴアテックスは、常にムレを外部に放出し、内側を快適に保つ。フリースに関しても毛足が長いポーラテックを用い、通気性と保温性、軽さを兼ね備える。

【春&夏】ムレを防いで快適さキープ

▲“ 接触涼感” が持続する新素材と、ゴアの高い透湿性により、気温が上がっても快適。

■冷感アンダー
NEW!COOLINGハイネックシャツ(6380円)

アンダーを変えれば暖かい春先でもアウターを着回せるのがうれしい。これはゴールドウインがすすめる新たなレイヤード術。ヒンヤリ感が持続する新作の吸汗速乾シャツとゴアのアウターで適温を保つのだ。これなら高額なゴア製ジャケットを365日着回しできる。現代の蓑は、とかく高性能な上に、お得かもしれない。

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