▲発売:3月下旬(2月初頭より受注開始)

【ビッグマシン・ゼロ:文-中村友彦 写真-富樫秀明】

マフラー交換の効能と言ったら、筆頭に挙がるのは出力特性と音質の変化である。ただし、ヨシムラがADV150用として開発した2種類のサイクロンを体感した僕は、出力特性や音質どころではない、キャラクターの激変ぶりに、大いに驚くこととなった。

YOSHIMURA CYCLONE R-77S/GP-MAGNUM for ADV150

出力特性と音質に加えてキャラクターが激変

大前提の話をしておくと、ADV150の跳ね上がったノーマルマフラーは排気口が耳に近く、一般的なスクーターよりは元気な音を聞かせてくれる。とはいえ基本的にはスクーターの範疇で、走行中の排気音はバボーッ。それがサイクロンを装着すると……。

内燃機関ならではの排気音、ドゥルドゥルルルッという水冷4スト単気筒エンジンの燃焼感が、ハッキリ伝わってくるのだ。これまでの僕はスクーターに対して、パワーユニット=黒子という印象を持っていたものの、サイクロンを装着したADVは一般的なオートバイのように、パワーユニットが最重要部品としての存在感を主張する。その事実をどう捉えるかは人それぞれだが、スクーターでスポーツライディングを楽しみたい人なら、この激変ぶりに異論を述べる人はいないだろう。

悪路での楽しさにも磨きがかかる!

▲R-77Sを装着したADVでは河川敷のダートも走ってみたところ、悪路におけるトラクションの重要性が再認識できた。

また、パワーユニットの存在感が強くなった結果として、加速と減速のフィーリングに明確な差異やメリハリが生まれたこと、後輪から伝わるトラクションが濃厚になったことも印象的だった。
特に後者は予想外で、マフラーによるトラクションの変化が、ここまでハッキリ理解できるケースは珍しいし、トラクションが濃厚になれば、とにかくスロットルの開閉が楽しくなってくるのである。

▲GP-MAGNUM

そして印象的と言えばもうひとつ、道幅が狭い住宅街をノロノロ走行したり、4輪の後ろについて渋滞路を走ったりと、低速域での扱いやすさを意地悪くチェックをした際でも、ノーマルに対するマイナス要素は見つけられなかったのだ。

実際にADV150用サイクロンを購入するとなったら、どちらのボディを選ぶかが悩みの種になりそうである。とはいえ、ここまでに述べた特性はR-77SとGPマグナムに共通なので、どちらを選んでも後悔することはないと思う。
ちなみにヨシムラの計測データによると、サイレンサー容量が大きいR-77Sのほうが出力特性ではやや有利とのことだが、容量や内部バッフル形状の違いによって音質が異なるからだろうか(重厚な感触のR77-Sに対して、GPマグナムは歯切れがよくて快活)、2種のサイクロンの運動性能に明確な差異は感じられなかった。

ノーマルとは異なる固定法

▲ノーマル サイレンサーを3点リジッド固定のノーマルに対し、ヨシムラ製はラバーマウントのサイレンサー1点+エキパイ1点。

あらゆる領域でSTDを凌駕

▲2種類のサイクロンは全域でSTDを凌駕するパワーを獲得。ノーマルとの差異が大きいのは中高回転域だが、低回転域でもマイナス要素は皆無。

エキパイに投入された独自のノウハウ

▲純正のΦ25mm径に対し、ヨシムラ製はΦ27.2mmで(管長の短さを補うため出入口の内径はわずかに絞る)、サイレンサー手前でΦ45→50mmに拡大。写真はプロトタイプで、市販版はエキパイステー(矢印)が変更される。

CAUTION
試乗したのはADV150 海外仕様(テスト車はインドネシア仕様)の適合マフラーだが、ヨシムラでは日本仕様ADV150(2月14日発売)でもすぐに適合を取得、商品化する予定。

R-77S

機械曲 R-77S サイクロン カーボンエンド EXPORT SPEC 政府認証


●音量:近接89dB・加速81dB
●重量:STBC 3.1kg / SMC・SSFC 3.3kg(STD 5.3kg)

高級感とスポーティさを両立

異型断面形状に高級感あるカーボンエンドを組み合わせ、細部まで拘りのデザインを施すR-77S。GPマグナム共々エキパイはADV用の専用品だ。テスト車の「SMC」はステンレスサイレンサーにカーボン調模様を刻んだ仕様。

■SMC(メタルマジックカバー/カーボンエンド)

●税込予価:6万4350円

■SSFC(サテンフィニッシュカバー/カーボンエンド)

●税込予価:5万7750円

■STBC(チタンブルーカバー/カーボンエンド)

●税込予価:6万6550円

GP-MAGNUM

機械曲 GP-MAGNUM サイクロン EXPORT SPEC 政府認証

●音量:近接90dB・加速82dB
●重量:SC 2.6kg / STB 2.7kg / SS・SSF 2.9kg(STD 5.3kg)

小排気量車用の円筒型&ショートボディ

現在のヨシムラジャパンには、多種類のサイレンサーが存在する。円筒型&ショートボディのGPマグナムは主に小排気量車用で、ADVとPCX以外の採用機種は、スーパーカブ/モンキー系、GSX-R125、N-MAXなど。

■SSF(サテンフィニッシュカバー)

●税込予価:4万5650円

■SS(ステンレスカバー)

●税込予価:4万3450円

■STB(チタンブルーカバー)

●税込予価:5万4450円

■SC(カーボンカバー)

●税込予価:5万6650円

スタイルや整備性にも拘りアリ!


ヨシムラジャパン マフラー事業本部 井藤龍典さん
「車体との一体感も重視し、サイレンサーの横方向への張り出しは極力抑えています。また、エキパイの曲げは、2つのフランジナットにノーマルと同じ感覚で工具が掛けられるように考慮しました」

「ASIA」と連携してスピード開発!


今回のマフラーはADV150 の国内登場とほぼ同時発表。この超速リリースが可能となったのは、タイにある「YOSHIMURAASIA」が先行して車両を入手(東南アジアでは昨年秋に発売)し、商品化に動いていたから。この工場は設備も日本と同等で、連携して開発を担える技術も持つ。ヨシムラはアジアにも拠点を置くことで、スピーディな製品開発を可能としているのだ。

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