【ビッグマシン・ゼロ:文-大屋雄一 写真-山内潤也】

誕生以来、世界中のアドベンチャー系ライダーから高い評価を受けている4シーズンと、その進化版として'20年に新作としてデビューするオールロード。この2着のジャケットを紹介するにあたり、まず知ってほしいのがテスト・アンド・ライドという企画だ。

ジャケット改良のためにツーリングイベントを開催

これはSPIDIが欧州20か国から50名のライダーを選出し、4シーズンを提供。これを着てあらゆる気象条件の中を走ってもらうというもので、彼らが訪れた国は60か国、総走行距離は30万kmにも及んだという。そして、彼らの4シーズンに対するさまざまな意見を反映して作られたのが、ニューモデルのオールロードというわけだ。

「TEST AND RIDE 2018」4SEASONを50人が徹底テスト

4シーズンを着用したライダーがスケールの大きなツーリングを楽しみ、その内容をインスタグラムにアップするのが“テスト・アンド・ライド”という企画だ。参加した20名のアンバサダーの意見もオールロードに反映されている。
>>http://www.testandride.com

使い倒してフィードバック!

アドベンチャー系の旗艦“4シーズン" とその進化版である“オールロード" を仔細に見比べ、SPIDI のコンセプトに迫ってみよう。

ALL ROAD H2OUT

●税込価格:8万4480円
●サイズ:M/L/XL/XXL/3XL/4XL
●色:赤×白×黒、黄×白×黒、黒
※10月末発売予定

4SEASON H2OUT

●税込価格:7万3700 円
●サイズ:XS/S/M/L/XL/XXL/3XL/4XL
●色:黒、灰×赤、灰×青、黒×灰、黄

もっと快適に、改良の手を緩めない!

4シーズンは取り外し可能な防寒および透湿防水インナーを備え、その名のとおり1年を通して快適に着られることをコンセプトに登場した同社のフラッグシップではあるが、そのモデルチェンジに際しこれだけ大掛かりなテスト企画を実施するあたり、並々ならぬ意気込みが伝わってくるだろう。

ベンチレーションの面積を大幅拡大

それでは、新旧の違いについて詳しく説明しよう。まず、最も大きな進化はモア・ベンチレーションだ。胸元と背面に設けられたフラップ開閉式のベンチレーションは、その面積を大幅に拡大。また、袖の内側にあるエアインテークは位置を見直し、より走行風が入りやすいように再設計している。さらに、背中が接するアウターの裏地には、風が通り抜けやすいようにリブを設けるなど、特に暑い時期に重要な通気性が飛躍的に高まっているのだ。

■FRONT

▲ALL ROAD
▲4SEASON

■BACK

▲ALL ROAD
▲4SEASON

胸元と背中の表地が大きく開く独自のベンチレーション。オールロードではカスタマーからのリクエストによってその面積をさらに拡大。加えて袖に設けられたファスナー式のエアインテークも開口部の位置を見直すなど、全体的に通気量を大幅に改善。夏場の快適性が向上した。

ポケットはより使いやすく!

ベンチレーションの拡大によって犠牲になりがちなポケットは、レイアウトを工夫することで数を変えずに、さらに容量を増やしてきた。しかも防水性を維持しており、使い勝手も犠牲にしていない。携帯するアイテムが多いツーリングライダーにとって、これは実にうれしい配慮と言えるだろう。

▲ALL ROAD
▲4SEASON

ベンチレーションの面積を拡大していながら、前身頃のポケットはさらにその容量を拡大しているのがポイント。さらに、ナイロンベルトによるデイジーチェーンも追加しているのだ。

防水インナーをアウター兼用に

東レと共同開発した透湿防水素材H2アウトを使用したインナーは、内側にも外側にも着られる設計であり、さらにオールロードでは袖口のアタッチメントを改良することで、圧倒的に脱着がスムーズになった。

▲中にも
▲外にも
▲ALL ROAD
▲4SEASON

付属の透湿防水インナーはアウターの内側にも外側にも着られる“インサイドアウト”システムを採用する。雨量によって使い分けるのが効果的で、アタッチメントも改良されている。

フラッグシップの座をオールロードに譲ったあとも、4シーズンはしばらく併売されるとのことだ。常にベストな製品作りを目指しているSPIDIらしい実直な進化と言えるだろう。

肩と肘にシャーリング

加えて、アウターは表地を軽くてしなやかなものに変更し、ヒジや背中にシャーリングを追加するなどして、さらに動きやすくなっている点も見逃せないだろう。

▲ALL ROAD
▲4SEASON

背中とヒジにシャーリングを追加して乗車姿勢での突っ張り感を軽減。さらに、表地は4シーズンよりも軽くてしなやかなものに。

フラップを磁石で固定

海外では前合わせのファスナーを少し開けて走るライダーが多いとのこと。新作ではフラップに磁石を内蔵して、バタつきを抑える工夫も。

ウエア内の風通しも改善

▲ALL ROAD
▲4SEASON

裏地の背面には縦方向への空気の流れを促すリブ状の工夫が。さらに別売りのハイドレーションバッグを取り付けることも可能だ。

RAIN SHELD H2OUT

●税込価格:1万5180円
●サイズ:M/L/XL
●カラー:黒、黒×黄

表地の裏側に透湿防水膜をダイレクトに接着し、優れた操作性と着用感を実現するアウトドライを採用したレイングローブ。一部にメッシュ地を使い、透湿性と動きやすさを高めているのもポイント。

特殊な樹脂をブロック状に並べた独自構造の衝撃吸収パッド。甲部にもプロテクターを備える。

【Webikeショッピング】
SPIDI:RAINSHIELD グローブ 商品ページ

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