
【ビッグマシン・ゼロ:文-大屋雄一 写真-真弓悟史】
従来品と同等の耐摩耗性を維持しながらウエット性能を高めたスポーツツーリングタイヤ、ブリヂストンのT31が登場して1年半が経過。今回は私の愛車、ホンダのNC750Sに装着する機会を得たので、晴雨を問わずじっくり試乗してみた。
目次
雨でも確かなグリップ感 乗り心地の良さも美点だ
T31で最も気に入ったのは、低温時のグリップ力とウエット性能の高さだ。前者については、まだタイヤが温まっていない朝イチのスタート時から操舵に手応えがあり、フロントに採用された柔軟な新コンパウンドの恩恵を感じることができる。
次にウエット性能について。降雨量など条件が変わってもタイヤを通じて伝わる接地感は一定であり、ライダーを緊張させない。結果、操縦に自信が持て、ドライとほぼ同じ感覚でバイクを走らせられるのだ。加えて、かなり強くブレーキレバーを握らないとABSが作動しなかったことからも、実際のウエットグリップが優れていることを実感した。
さらに、ツーリングタイヤにおいて重要な乗り心地も非常に高いレベルにある。路面の細かな荒れから大きなギャップまで、入力の大小を問わず吸収性に優れており、走りを上質に感じさせる。これが疲れにくさの要因となっており、距離を延ばすほどにその良さを感じるだろう。
ハンドリングは、深いバンク角に至るまで手応えが一定で、バイク本来の持つ旋回特性を文字どおり縁の下で支えている印象だ。ドライ路面のグリップ感はサラリとアスファルトを捉えている印象で、滑り出しも穏やかでコントロールしやすい。
晴れも雨も非常に安心。ツーリング用として強く推せるタイヤだ。
◆BRIDGESTONE: BATTLAX SPORT TOURING T31 商品ページ
自然な操縦安定性だから疲れない!
倒し込みや切り返しが軽快になったり、より少ないバンク角で向きを変えるようになるなど、自己主張の強いタイヤもあるが、T31はあくまでもナチュラルで、ライダーを慌てさせない。
パターンの工夫でウエット性能を向上
前後ともセンターの溝割合を減らすことでブロック剛性を上げ、濡れた路面での制動距離を短縮。反対にショルダーは溝の割合を増やして排水性を高め、ウエットグリップを向上。
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Bridgestone BATTLAX SPORT TOURING T31 Wet ムービー
◆BRIDGESTONE: BATTLAX SPORT TOURING T31 商品ページ
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