【ビッグマシン・ゼロ:文-宮田健一 写真-松井 慎】

魅力的な新機能を他社に先駆け次々と実現してきたMIDLANDのインカムが2019モデルで大幅リニューアル。今回もやはりクラス初の新要素を導入して、4月デビューとなる。その中でもミドルクラス帯で注目株まちがいなしのBT X2 PRO Sを先行クローズアップ!

ハイエンド譲りの機能を手に入れて進化

世界40カ国以上に展開する、無線通信機器のリーディングカンパニー、MIDLANDのインカムは、’12年に世界で初めて他社製インカムとの通信機能を導入したり、’16年にはスマホ対応アプリ通信(BT TALK)の利用で距離・人数無制限通話を実現したりと、業界に数々のイノベーションをもたらしてきたブランド。
そのMIDLANDインカムが3年ぶりの大幅リニューアルを実施。やはり期待に違わぬ数々の新機能を搭載しているのが特徴だ。その中で今回は税込2万7000円のいわゆるミドルモデルとなる「BT X2 PRO S」を紹介しよう。

まず最大のポイントは、ブルートゥースの音声接続回線が1↓2本に増えたことでスマートフォンの音楽アプリやナビアプリの音声を聞きながら同時にインカム通話も可能となったステレオブレンド機能の実現だ。従来はハイエンドクラスでのみ実現していた機能だが、これがMIDLANDらしくミドルクラス帯で業界初採用。
パブリックモードを利用すれば、ナビ音声や音楽を仲間と共有することもできる。さらにA2DP回線が2本に増えたことで多彩な使い方に対応できるようになり、ソロツーリングでもすこぶる楽しめる1台となった。

グループ通話モードも従来の4人同時に加え、パッセンジャー4人をプラスした4+4人同時通話に進化。さらにエントリーモデルの「BT X1 PRO S」にもクラス初の3人グループ通話機能が搭載されるようになった。これでMIDLANDのBT PROシリーズは全機種でグループ通話が可能に。「クラスを超えた」。まさにこれが’19モデルのキーワードだ。


従来から継承するHi–Fiステレオスピーカー&ノイズキャンセラーによるクリアな音声通話やワイドFM受信機能などに加え、さらに魅力的な新機能が加わった。

ミドル価格帯注目株の“BT X2 PRO S”

●価格:2万7000円(シングル)、4万8600円(ツイン)●最大通信距離:1200m(インターカムモード)、700m(グループ通話モード)●グループ通話:4人(+4パッセンジャー)●A2DP:2本同時(ソロ使用時)

’19 年4 月から発売開始となるMIDLAND インカム、BT PROシリーズの最新モデルでX2 PRO Sは税込2万7000円のミドルレンジにあたる。従来のX2 PRO Hi-Fiでもおなじみ高音質Hi-Fiスピーカーやノイズキャンセル機能に加え、新たにステレオブレンドや、A2DP×2回線接続といった上級機種並みの新機能で進化し、クラスを超えた性能が自慢だ。

ここが変わった1.
ミドルクラス帯で業界初! ステレオブレンド機能を搭載

音楽を聴きながらの通話も可能に

今や、インカムにスマートフォンをBluetooth接続し、ナビや音楽を聴きながらツーリングを楽しむのは普通の風景と思いがち。でも実はこの使い方。ミドルクラス以下ではスマートフォンと接続できても、そちらの音声を聴くには通話モードから一旦切り替わる必要がある場合がほとんど。
再び通話モードに戻るにはボタン操作や再接続が必要だったり何かと煩雑だった。A2DP回線を2本使うことで通話しながら同時にスマホからの音声も聴けるというのは、従来インカムだと他社製品も含め、いわゆるハイエンドモデルにしか搭載されていなかった。
このステレオブレンド機能が税別2万5000円となるミドルクラスモデルに搭載されたのは、このX2 PRO Sが業界初。通話を楽しみながらHi-Fiステレオで音楽を聴くといった、一つ上のツーリング体験が可能になったのだ。

▲A2DP2本同時接続でインカム間の通話と、Bluetoothで接続したスマホやミュージックプレーヤー、レーダーやポータブルナビといった機器からの音声を一緒に聴くことができるステレオブレンド機能を新搭載。ハイエンドモデルと同等の楽しみが得られるようになった。

ここが変わった2.
BT機器2台同時接続でソロツーリングでも魅力的に

組み合わせ方で楽しさは無限大

ソロで使う場合は、A2DPが2本に増えたことでBluetooth 機器を2台接続し、その両方からのステレオ音声を同時に聴くことが可能になった。たとえば、ポータブルナビとスマートフォンの音楽、スマートフォンのナビ音声とミュージックプレーヤーからの音楽、音楽とポータブルレーダーなどなど、組み合わせ次第で好みに合った色んな使い方に対応。
BT X2 PROSは、ソロツーリングでも役立つ魅力的なインターカムになっているのだ。

ここが変わった3.
パブリックモードでナビや音楽を仲間とも共有できる

皆で分かち合える快適ツーリング

Bluetoothで接続した機器からの音声を聴けるのは自分だけじゃない。パブリックモードを使えば、通話している仲間たちと共有することも可能だ(パブリックモードではモノラル音声で共有)。会話しながら音楽を分かち合うもよし。
ナビやレーダーの音声を共有していれば、高速道路の分岐地点や道に迷いやすい場所、オービス地点などの情報が即座に伝わって、ルートミスやはぐれてしまうおそれも激減。これもミドルクラスでは初の機能だ。

他にも多くの進化が

グループ通話が最大4人から4+4の最大8人に

グループ通話機能はこれまでのライダー4 人からパッセンジャー4人を加えた最大8人まで対応。これも従来はハイエンドモデルのBT NEXT PROHi-Fiのみ搭載されていた機能だ。

操作性もアップ

ボタンの突起形状が改良されて操作性がアップ。ヘルメットを被っていてもボタンの位置が分かりやすくなっている。

飛距離も1000→1200mに

最大通話距離も2台間通話モードでアップ。

エントリーモデルのBT X1 PRO Sもクラス初のグループ通話搭載で登場

▲BT X1 PRO S ●価格:1万9440円(シングル)、3万4992円(ツイン)

エントリーモデルは2台間通話のみでグループ通話機能は非搭載という従来の常識を覆すのが’19NEWのBT X1 PRO S。こちらは3人同時のグループ通話機能が特徴となるモデルだ。上位機種と同じHi-FiスピーカーやワイドFMラジオ機能も採用。

購入しやすい新価格!「BT NEXT PRO Lite」も登場

▲BT NEXT PRO Lite ●価格:2万8944円(シングル)/5万2099円(ツイン)

マイクをジェット用/フルフェイス用どちらかの選択式とした新モデル。「BT NEXT PRO Hi-Fi」の機能はそのまま、シングルで約3000円、ツインなら約1万円も求めやすくなった。取付には同梱の粘着テープ式マウントを使う。

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