▲(左から)本田技研工業 三原氏/川崎重工業 古橋氏/スズキ 福留氏/ヤマハ発動機 有西氏

国内二輪4社で共通利用を目的とした交換式バッテリーと、バッテリー交換システムの標準化を検討

本田技研工業株式会社、川崎重工業株式会社、スズキ株式会社、ヤマハ発動機株式会社の4社は、2019年4月4日(木)、日本国内における電動二輪車の普及を目的とした「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム(以下、コンソーシアム)」を創設し、協働を開始することを発表した。

発表会は東京都港区の日本自動車会館で開かれ、二輪業界の電動二輪車における現状と課題、4社協働による方針が語られた。

▲本田技研工業 三原大樹氏

▲川崎重工業 古橋賢一氏

▲スズキ 福留武志氏

▲ヤマハ発動機 有西達哉氏

現在、国内二輪業界としては、より環境にやさしく利便性の高いモビリティとしての電動二輪車の普及を業界全体で検討しており、電動二輪車普及のためには、航続距離の延長や充電時間の短縮、車両およびインフラコストが課題となっている。

これらの課題を克服するためにさまざまな取り組みが考えられるが、その対応の一つの手段としてコンソーシアムでは、共通利用を目的とした交換式バッテリーと、そのバッテリー交換システムの標準化の検討を進め、技術的なシナジーやスケールメリットを創出することを目指すという。

またコンソーシアムの活動を通じ、二輪業界全体で多様な議論をおこない、電動二輪車の普及により、低炭素社会の実現に貢献することを目指していく。

代表幹事:本田技研工業株式会社 常務執行役員
二輪事業本部長 安部典明氏のコメント

電動二輪車の普及には、航続距離や充電時間等の課題解決が必要であり、交換式バッテリーは有効な解決策と言えます。お客様の使い勝手を考慮すると、交換式バッテリーの標準化や交換システムの普及が不可欠と考えています。

このコンソーシアムにおいて、まずは国内二輪4社で協働検討をすすめるとともに、この考えにより多くの方々に共感いただくことで、電動二輪車の利用環境が改善され、お客様の利便性を向上させる一助となればと思っています。

質疑応答からわかった背景

【コンソーシアム創設のきっかけと今後】

遅かれ早かれ、今後二輪車の電動化は避けられない中で、4メーカーが個社で開発を進めた場合、以前起こった家庭用ビデオレコーダーの規格争いのような事態を招きかねないという懸念があった。利用者のことを第一に考えた場合、あらかじめ規格を揃えておく必要があると考えた。同時に、特に中国や台湾における電動コミューター普及の勢いに危機感を抱いたというのも正直なところ。

こうした背景のもと、2018年12月頃から準備を進め、4社の合意がとれてコンソーシアム創設に至った。今後は、4メーカー各社のエキスパートや、時にはバッテリーメーカーの技術者を含めて協議しつつ開発を進めていくとみられる。

【対象車は】

日本国内向けで、原付一種/二種の位置付けになるコミューターを検討している。現状では、自動二輪車向けは視野に入れていない。

また、電動バイクの航続距離問題と、バッテリーステーション(仮)の設置にまつわる様々な問題を考えると、使用条件が掴みやすい宅配バイク使用企業へのBtoBからスタートさせていくことになりそうだということだった。

編集部所感

一般ユーザーが電動コミューターを日常的に使えるには時間がかかりそうだが、新聞・郵便バイクをはじめ、電動バイクを使った宅配業者を見る日はそう遠くないのかもしれない。メーカーという壁を越えて開発される”日本の技術力”に期待せずにはいられない。

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