【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

前回のコラムにおいて、試乗前のS1000RRについて考察し、大胆な予想インプレを展開しましたが、果たしてどうだったのでしょうか。もし、的外れだったら、面目丸つぶれと言ったところだったのですが、見事に的中してくれて、内心ホッとしてもおります。

試乗は生憎の雨だったのですが、開始時間が遅れたおかげで、プロジェクトリーダーのミヒァエル・ティフケさんに私の考えを聞いてもらえる時間にも恵まれました。何と、私の考察に全面的に賛同してくれたのです。

というわけで、ここでは実際に乗った印象を私の予想と対比しながら、彼の意見を付け加えたいと思います。

【前回コラム】
新型S1000RRは直4スーパースポーツの革命児か

フレームのトレンドはいかに固めるかではなく、しならせるかだ

第一印象として、S1000RRは大変にスムーズでマイルドで、安心感に満ちています。それでいて、マシンとの間にダイレクト感があって、操るのが楽しくなってきます。車体からの情報も豊かで、それに大きく貢献しているのが、フレックスフレームでしょう。

ただ、フレームの剛性感について私が予想していたのは、しなりを一瞬感じさせ、それを情報源として伝えるものの、エンジンがしなりを抑えるがごとく、剛性感に腰を感じさせるというものでした。

ところが、これにはヨレ感はありませんでした。実際には、くの字に曲がったフレームが、まるでトラスフレームであるかのように賑やかに情報を伝えてくれたのです。日本製マシンの高剛性フレームの欠点を克服するのみならず、トラスフレーム時代のドゥカの良さをも取り入れようとしたのではないかとさえ思えてきます。

とにかく、ウェット路面でも無機質ではなく、楽しく駆ることができるし、ライダーに自信を持たせてくれるのです。

リヤサスは作動感と接地感を掴みやすかった

これも期待以上でした。前回のコラムで書いたリンク方式のメリットによって、ショックユニットの力を如実に伝えることのみならず、レバー比を小さくして、ショックユニットのストロークを大きく使っているので、サスの動きに緻密感があって、凄く上質なのです。

また、ティフケさんが言ったように、ショックユニットが両足で挟み込むところに置かれているので、その動きを把握しやすいということもあるのでしょう。2本ショックのバイクに乗れば分かりますが、その場合はショックがマシンの後部にあることが感じられます。やはり、ショックを然るべきところにおいて、ライダーに感じさせることも大切なのでしょう。

昨今の多くのマシンがそのことをないがしろにしていることも否めないわけで、ここへきてBMWは理想形に回帰したというところでしょうか。

台形型トルクカーブが理想であることを改めて実感

雨の中での試乗は、パワーモードをレインにして行われました。
コーナー立ち上がりの10,000rpm以上でトルクが下降するという安全設定になっています。もちろん、フルパワーであってもトラクションコントロールが効くことになるので、どっち道、使い切れないわけですが‥‥。

でも、試乗後、パワーが抑えられていたのは1~3速のみで、4速以上はフルパワーだったと知ることになったのです。つまり、トルクカーブが台形型で、ピーク域がフラットトルクで覆われているため扱いやすく、4速以上でもパワーが抑えられていると思ってしまったのです。

お恥ずかしい話ですが、それだけ超高性能が見事に調教されていたというわけです。

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